BPOがテレビ番組制作者666人と視聴者にアンケート調査を実施/調査結果の報告を含む公開シンポジウム「“新時代テレビ” いま、制作者たちへ」を開催
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BPOがテレビ番組制作者666人と視聴者にアンケート調査を実施
テレビの今後は?展望は?
「NHKより民放がテレビの今後に“楽観的”」
「視聴者は韓流など外国番組の拡大を予測」
http://www.bpo.gr.jp/
調査結果の報告を含む公開シンポジウム「“新時代テレビ” いま、制作者たちへ」を開催
2012年2月10日(金) 13時30分~16時30分
杉田成道氏(演出家)、宇野常寛氏(評論家)ら出席のパネルディスカッションもあわせて実施
Ustreamでも同時中継
http://www.ustream.tv/user/BPO-Symposium
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放送倫理・番組向上機構(以下、BPO)の「放送と青少年に関する委員会」(以下、青少年委員会)は、2012年2月10日(金)に開催される公開シンポジウム「“新時代テレビ” いま、制作者たちへ」に先駆け、テレビ番組制作者666人と視聴者への意識調査を実施しました。
□テレビ番組制作者666人と視聴者が考える「“新時代”テレビの今後と展望」
調査対象: 在京テレビ局のドラマ・バラエティ制作者666名 及び 一般視聴者752名
調査内容: テレビ制作・番組内容について、テレビ放送の将来について
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■番組制作者、視聴者ともに「地上派放送の優位は揺らぐことはない」
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新たなメディア環境の中で、テレビ放送の将来像について調査したところ、番組制作者と一般視聴者ともに、「テレビの役割が揺らぐことはない」と楽観的展望を示していることがわかりました。
(番組制作者:53.8%、一般視聴者:60.2%)
○NHKより民放の方が楽観的
全体的には楽観的展望を示しているものの、放送局による違いがあり、NHKよりも民放の人たちの方がテレビの将来に関して楽観的な展望を示し、民放の中でもテレビ東京(42.0%)が一番NHK(42.8%)に近く、あまり楽観的な見通しを持っていない
様子が明らかになりました。
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■番組制作者、視聴者ともに「高齢者への娯楽提供、共通の話題提供にテレビの役割大きい」
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番組制作者、一般視聴者ともに、「高齢者がテレビを楽しみに見ていることに変わりはない」(番組制作者:88.6%、一般視聴者:79.0%)「さまざまな人々に共通の話題を提供するテレビの役割は依然として大きい」(番組制作者:81.8%、一般視聴者:73.4%)にきわめて高い賛同率を示し、「高齢者への娯楽提供や、人々への共通の話題提供にテレビの役割は大きい」と感じていることがわかりました。
一方で、番組制作者は「若いひとたちの間でテレビ離れが進んでいる」、「テレビ番組が人々の話題になることが少なくなった」として、テレビの社会的影響力の低下を危惧しています(77.0%)が、一般視聴者の約6割(59.0%)が、テレビの社会的影響力の低下に否定的であることもわかりました。
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■視聴者は、「韓流など輸入番組の拡大を予測」
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○番組制作者は高齢者ターゲットの比重拡大を念頭、
一般視聴者は輸入番組の拡大を予測
一般視聴者(74.9%)よりも番組制作者(85.0%)のほうがより多く、「テレビ視聴者の中で高齢者の占める割合がさらに拡大していく」と回答しました。
また、一般視聴者の方が、「幅広い層よりも特定層にターゲットを絞った番組が全体に増えていく」見通しを強く示し、さらに番組制作者との違いは、「韓流ドラマのような外国制作番組の放送枠がこれまでよりも増えていく」という項目によりはっきりと現れています。(番組制作者:32.3%、一般視聴者:57.8%)
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■番組制作者の「番組の評判」と「視聴率」の両方を意識した複雑な思いが浮き彫りに
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○視聴率への複雑な思い
「番組の評判がよくても、視聴率が悪ければ、くやしくなる」(84.2%)、「番組を作るときには、どうしても視聴率のことを考えてしまう」(83.7%)と、8割以上が視聴率を強く意識している一方で、「番組の評判が悪くても、視聴率がよければ、それでよい」には6割以上(64.5%)が反意を示す結果となりました。
つまり、番組制作者の大多数は、「番組の評判がよくても、視聴率が悪ければ、くやしくなる」が「番組の評判が悪くても、視聴率がよければ、それで良い」とは思っていない、という複雑な思いを持っていることが明らかになりました。
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【参考資料】
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https://prtimes.jp/data/corp/4559/307f57a4a146d25a62695b302efb0b86.pdf
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■番組制作者の震災時の思い
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3月11日の東日本大震災発生以降、各局とも緊急報道体制がとられ、通常の番組やCMが放送されない状況がしばらく起こりました。こうした非常時の放送体制下でドラマ・バラエティの番組制作者が感じた思いには、様々なものがありました。(以下、一部抜粋)
○非常時におけるテレビの力と優位さ
・テレビ媒体の責務と役割の重要性、必要性をあらためて認識した。
・有事の際の基幹メディアであるテレビが社会的役割を果たし、利益を度外視して緊急報道体制をとる事は、人間的にも企業としても必然。的確な作業をしていた。
・やはり情報伝達という最大の役割を果たすものとして、テレビが1番であると思う。
○通常編成にいつ戻るのか
・各局が一斉に地震ニュースをずっと報じていたが、子どものことなどを考えると通常の番組を早く放送することも必要だと思った。
○各局で連携した報道体制を模索する声も
・電力事情や原発、震災の状況などから、NHKと民放各局が協力して、総合災害報道体制を敷くということができないのかと思った。
・緊急報道の時、各局の連携が出来ればというのが理想。子どもたちはある種の異常な光景しか映されないテレビの画面に心が病みそうだった。これだけの非常事態を国民と共有するテレビの使命として、横の連携も考えるべきだと思った。
○苦悩、無力感、ジレンマ
・ニュースの重要性と、それに反比例するバラエティの無力さを再確認した。バラエティ制作者の中には「こんな時こそ被災者に笑いを」などという意見もあったが、私はそうは思えなかった。「笑いで被災者を救う」などという一部の意見は、安全圏に暮らす人間の驕り高ぶり以外の何ものでもないのではと感じた。
・ドラマ畑の僕はテレビマンとして何か役に立てなかったのかを今でも考える。報道、情報のスタッフは忙しい日々だったと思うが、制作畑は無力感でいっぱいだったと思う。僕にできる事は今後にあるのかもしれないが、あの日の事は忘れられない。
○ドラマ、バラエティの役割を再確認
・非常時のため報道が優先される事は十分理解できるが、どの局も同じものを放送しており、マスメディアとしてこれでいいのかと思った。悲痛な気持ちばかり先行して、前向きに進む気持ちがなかなか生まれないのではないかと。こういう時こそ良質のバラエティを放送し、少しでも気持ちを明るくする事こそが放送局としての役割ではなかったのか。
・いちはやくバラエティ番組を通常放送したのが、自分の担当している番組の自分の担当したVTRだった。反応が怖かったが、久々にいつものバラエティを見てホッとしたという声もあり、バラエティの意義というものを改めて考えさせられた。
・「ドラマなど娯楽作品を制作している場合ではないのではないか?」と、自分達の足元の根幹を揺るがす程動揺したが、こんな時だからこそ、厳しい日常を一時でも忘れられるような作品を作りたいと切り替えて作ることができた。
○作り手として変化、深化していく意識
・価値観が大きく変わったことで、ドラマ作りが変わると強く思った。お客さんが何を求め何を観たいのか?作り手が何を発信したいか?両側面から大きく変わるという実感がある。
・徐々に通常編成に戻る中で改めてテレビの役割を考えた。私自身、テレビ制作者である以前に普通に家族と暮らす一人の視聴者、生活者である事を再認識した。テレビがどんな時でも良くも悪くも人の心に強く影響を与える力をふまえ、今後の番組制作で「人の気持ち」を今まで以上に考えていこうと深く考えたタイミングだった。
・なかなか明るい展望を見いだせない状況の中、人々はどんなドラマを見たいのか。そこがこれから我々つくり手に問われてくると思う。けれど、戦後の復興に映画が繁栄したように、今こそフィクションだからできる、人々が求めるコンテンツがあるように思う。謙虚に今を見つめていきたい。
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■番組制作者、一般視聴者 調査概要
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○番組制作者
・調査対象 :20~50代以上のドラマ、バラエティ担当者男女666名
・対象局 :NHK、日本テレビ、TBSテレビ、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京
・調査方法 :各局への一括送付
・調査期間 :2011年5月~6月
○一般視聴者
・調査対象 :20~70代の男女752名(男性:339名、女性413名)
・対象地域 :首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)
・調査方法 :郵送(調査会社の登録モニター活用)
・調査期間 :2011年6月~7月
・調査実施 :BPO青少年委員会
これらを含む、番組制作者と一般視聴者の見解や認識をまとめた調査結果を、公開シンポジウム「“新時代テレビ” いま、制作者たちへ」にて発表いたします。
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□BPO青少年委員会公開シンポジウム「“新時代テレビ”いま、制作者たちへ」を開催、
パネリストに杉田成道氏(演出家)、宇野常寛氏(評論家)、
桧山珠美氏(テレビコラムニスト)他、Ustreamで生中継も。
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第1部では、青少年委員会委員である萩原滋・慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所教授より調査結果をご報告し、第2部では「“新時代テレビ” ~いま、制作者たちへ~」と題しパネルディスカッションを行います。
また、当日は、第1部、第2部共にUstreamでの生中継を予定しており、会場にお越し頂けない方でも、シンポジウムの内容をご覧頂くことが可能です。(http://www.ustream.tv/user/BPO-Symposium)
概要
名称: BPO青少年委員会公開シンポジウム 「“新時代テレビ” いま、制作者たちへ」
日時: 2012年2月10日(金) 13:30~16:30(開場13:00)
会場: 全国都市会館 2F大ホール(東京都千代田区平河町2-4-2)
定員: 200名
内容: 【第1部】調査研究発表
テーマ: “新時代テレビ” ~いま、ドラマ・バラエティ制作者666人は~
報告者: 萩原 滋(青少年委員会委員、慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所教授)
【第2部】パネルディスカッション
テーマ: “新時代テレビ” ~いま、制作者たちへ~
パネリスト: 杉田 成道(演出家)、宇野 常寛(評論家)、
桧山 珠美(テレビコラムニスト)、
汐見 稔幸(青少年委員会委員長、白梅学園大学学長)
コーディネーター: 小田桐 誠(青少年委員会委員、ジャーナリスト)
主催: 放送倫理・番組向上機構(BPO) 放送と青少年に関する委員会(青少年委員会)
共催: NHK、社団法人日本民間放送連盟
URL: http://www.bpo.gr.jp/youth/research/y_sympo2012.html
Ustream: http://www.ustream.tv/user/BPO-Symposium
※参加には、WEBまたはFAXによる事前のお申し込みが必要です。
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■放送倫理・番組向上機構 概要
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名 称: 放送倫理・番組向上機構(BPO)
放送事業の公共性と社会的影響の重大性を踏まえて、正確な放送と
放送倫理の高揚に寄与することを目的とした非営利・非政府の団体。
言論・表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護する
ため、放送への苦情や放送倫理上の問題に対応する独立した第三者
機関で、民放連およびNHKによって設置され、以下の三委員会から
構成される。
委員会: 放送倫理検証委員会
放送と人権等権利に関する委員会(放送人権委員会)
放送と青少年に関する委員会(青少年委員会)
住 所: 東京都千代田区紀尾井町1-1 千代田放送会館
理事長: 飽戸 弘
URL: http://www.bpo.gr.jp/
BPOがテレビ番組制作者666人と視聴者にアンケート調査を実施
テレビの今後は?展望は?
「NHKより民放がテレビの今後に“楽観的”」
「視聴者は韓流など外国番組の拡大を予測」
http://www.bpo.gr.jp/
調査結果の報告を含む公開シンポジウム「“新時代テレビ” いま、制作者たちへ」を開催
2012年2月10日(金) 13時30分~16時30分
杉田成道氏(演出家)、宇野常寛氏(評論家)ら出席のパネルディスカッションもあわせて実施
Ustreamでも同時中継
http://www.ustream.tv/user/BPO-Symposium
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放送倫理・番組向上機構(以下、BPO)の「放送と青少年に関する委員会」(以下、青少年委員会)は、2012年2月10日(金)に開催される公開シンポジウム「“新時代テレビ” いま、制作者たちへ」に先駆け、テレビ番組制作者666人と視聴者への意識調査を実施しました。
□テレビ番組制作者666人と視聴者が考える「“新時代”テレビの今後と展望」
調査対象: 在京テレビ局のドラマ・バラエティ制作者666名 及び 一般視聴者752名
調査内容: テレビ制作・番組内容について、テレビ放送の将来について
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■番組制作者、視聴者ともに「地上派放送の優位は揺らぐことはない」
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新たなメディア環境の中で、テレビ放送の将来像について調査したところ、番組制作者と一般視聴者ともに、「テレビの役割が揺らぐことはない」と楽観的展望を示していることがわかりました。
(番組制作者:53.8%、一般視聴者:60.2%)
○NHKより民放の方が楽観的
全体的には楽観的展望を示しているものの、放送局による違いがあり、NHKよりも民放の人たちの方がテレビの将来に関して楽観的な展望を示し、民放の中でもテレビ東京(42.0%)が一番NHK(42.8%)に近く、あまり楽観的な見通しを持っていない
様子が明らかになりました。
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■番組制作者、視聴者ともに「高齢者への娯楽提供、共通の話題提供にテレビの役割大きい」
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番組制作者、一般視聴者ともに、「高齢者がテレビを楽しみに見ていることに変わりはない」(番組制作者:88.6%、一般視聴者:79.0%)「さまざまな人々に共通の話題を提供するテレビの役割は依然として大きい」(番組制作者:81.8%、一般視聴者:73.4%)にきわめて高い賛同率を示し、「高齢者への娯楽提供や、人々への共通の話題提供にテレビの役割は大きい」と感じていることがわかりました。
一方で、番組制作者は「若いひとたちの間でテレビ離れが進んでいる」、「テレビ番組が人々の話題になることが少なくなった」として、テレビの社会的影響力の低下を危惧しています(77.0%)が、一般視聴者の約6割(59.0%)が、テレビの社会的影響力の低下に否定的であることもわかりました。
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■視聴者は、「韓流など輸入番組の拡大を予測」
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○番組制作者は高齢者ターゲットの比重拡大を念頭、
一般視聴者は輸入番組の拡大を予測
一般視聴者(74.9%)よりも番組制作者(85.0%)のほうがより多く、「テレビ視聴者の中で高齢者の占める割合がさらに拡大していく」と回答しました。
また、一般視聴者の方が、「幅広い層よりも特定層にターゲットを絞った番組が全体に増えていく」見通しを強く示し、さらに番組制作者との違いは、「韓流ドラマのような外国制作番組の放送枠がこれまでよりも増えていく」という項目によりはっきりと現れています。(番組制作者:32.3%、一般視聴者:57.8%)
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■番組制作者の「番組の評判」と「視聴率」の両方を意識した複雑な思いが浮き彫りに
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○視聴率への複雑な思い
「番組の評判がよくても、視聴率が悪ければ、くやしくなる」(84.2%)、「番組を作るときには、どうしても視聴率のことを考えてしまう」(83.7%)と、8割以上が視聴率を強く意識している一方で、「番組の評判が悪くても、視聴率がよければ、それでよい」には6割以上(64.5%)が反意を示す結果となりました。
つまり、番組制作者の大多数は、「番組の評判がよくても、視聴率が悪ければ、くやしくなる」が「番組の評判が悪くても、視聴率がよければ、それで良い」とは思っていない、という複雑な思いを持っていることが明らかになりました。
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【参考資料】
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https://prtimes.jp/data/corp/4559/307f57a4a146d25a62695b302efb0b86.pdf
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■番組制作者の震災時の思い
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3月11日の東日本大震災発生以降、各局とも緊急報道体制がとられ、通常の番組やCMが放送されない状況がしばらく起こりました。こうした非常時の放送体制下でドラマ・バラエティの番組制作者が感じた思いには、様々なものがありました。(以下、一部抜粋)
○非常時におけるテレビの力と優位さ
・テレビ媒体の責務と役割の重要性、必要性をあらためて認識した。
・有事の際の基幹メディアであるテレビが社会的役割を果たし、利益を度外視して緊急報道体制をとる事は、人間的にも企業としても必然。的確な作業をしていた。
・やはり情報伝達という最大の役割を果たすものとして、テレビが1番であると思う。
○通常編成にいつ戻るのか
・各局が一斉に地震ニュースをずっと報じていたが、子どものことなどを考えると通常の番組を早く放送することも必要だと思った。
○各局で連携した報道体制を模索する声も
・電力事情や原発、震災の状況などから、NHKと民放各局が協力して、総合災害報道体制を敷くということができないのかと思った。
・緊急報道の時、各局の連携が出来ればというのが理想。子どもたちはある種の異常な光景しか映されないテレビの画面に心が病みそうだった。これだけの非常事態を国民と共有するテレビの使命として、横の連携も考えるべきだと思った。
○苦悩、無力感、ジレンマ
・ニュースの重要性と、それに反比例するバラエティの無力さを再確認した。バラエティ制作者の中には「こんな時こそ被災者に笑いを」などという意見もあったが、私はそうは思えなかった。「笑いで被災者を救う」などという一部の意見は、安全圏に暮らす人間の驕り高ぶり以外の何ものでもないのではと感じた。
・ドラマ畑の僕はテレビマンとして何か役に立てなかったのかを今でも考える。報道、情報のスタッフは忙しい日々だったと思うが、制作畑は無力感でいっぱいだったと思う。僕にできる事は今後にあるのかもしれないが、あの日の事は忘れられない。
○ドラマ、バラエティの役割を再確認
・非常時のため報道が優先される事は十分理解できるが、どの局も同じものを放送しており、マスメディアとしてこれでいいのかと思った。悲痛な気持ちばかり先行して、前向きに進む気持ちがなかなか生まれないのではないかと。こういう時こそ良質のバラエティを放送し、少しでも気持ちを明るくする事こそが放送局としての役割ではなかったのか。
・いちはやくバラエティ番組を通常放送したのが、自分の担当している番組の自分の担当したVTRだった。反応が怖かったが、久々にいつものバラエティを見てホッとしたという声もあり、バラエティの意義というものを改めて考えさせられた。
・「ドラマなど娯楽作品を制作している場合ではないのではないか?」と、自分達の足元の根幹を揺るがす程動揺したが、こんな時だからこそ、厳しい日常を一時でも忘れられるような作品を作りたいと切り替えて作ることができた。
○作り手として変化、深化していく意識
・価値観が大きく変わったことで、ドラマ作りが変わると強く思った。お客さんが何を求め何を観たいのか?作り手が何を発信したいか?両側面から大きく変わるという実感がある。
・徐々に通常編成に戻る中で改めてテレビの役割を考えた。私自身、テレビ制作者である以前に普通に家族と暮らす一人の視聴者、生活者である事を再認識した。テレビがどんな時でも良くも悪くも人の心に強く影響を与える力をふまえ、今後の番組制作で「人の気持ち」を今まで以上に考えていこうと深く考えたタイミングだった。
・なかなか明るい展望を見いだせない状況の中、人々はどんなドラマを見たいのか。そこがこれから我々つくり手に問われてくると思う。けれど、戦後の復興に映画が繁栄したように、今こそフィクションだからできる、人々が求めるコンテンツがあるように思う。謙虚に今を見つめていきたい。
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■番組制作者、一般視聴者 調査概要
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○番組制作者
・調査対象 :20~50代以上のドラマ、バラエティ担当者男女666名
・対象局 :NHK、日本テレビ、TBSテレビ、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京
・調査方法 :各局への一括送付
・調査期間 :2011年5月~6月
○一般視聴者
・調査対象 :20~70代の男女752名(男性:339名、女性413名)
・対象地域 :首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)
・調査方法 :郵送(調査会社の登録モニター活用)
・調査期間 :2011年6月~7月
・調査実施 :BPO青少年委員会
これらを含む、番組制作者と一般視聴者の見解や認識をまとめた調査結果を、公開シンポジウム「“新時代テレビ” いま、制作者たちへ」にて発表いたします。
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□BPO青少年委員会公開シンポジウム「“新時代テレビ”いま、制作者たちへ」を開催、
パネリストに杉田成道氏(演出家)、宇野常寛氏(評論家)、
桧山珠美氏(テレビコラムニスト)他、Ustreamで生中継も。
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第1部では、青少年委員会委員である萩原滋・慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所教授より調査結果をご報告し、第2部では「“新時代テレビ” ~いま、制作者たちへ~」と題しパネルディスカッションを行います。
また、当日は、第1部、第2部共にUstreamでの生中継を予定しており、会場にお越し頂けない方でも、シンポジウムの内容をご覧頂くことが可能です。(http://www.ustream.tv/user/BPO-Symposium)
概要
名称: BPO青少年委員会公開シンポジウム 「“新時代テレビ” いま、制作者たちへ」
日時: 2012年2月10日(金) 13:30~16:30(開場13:00)
会場: 全国都市会館 2F大ホール(東京都千代田区平河町2-4-2)
定員: 200名
内容: 【第1部】調査研究発表
テーマ: “新時代テレビ” ~いま、ドラマ・バラエティ制作者666人は~
報告者: 萩原 滋(青少年委員会委員、慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所教授)
【第2部】パネルディスカッション
テーマ: “新時代テレビ” ~いま、制作者たちへ~
パネリスト: 杉田 成道(演出家)、宇野 常寛(評論家)、
桧山 珠美(テレビコラムニスト)、
汐見 稔幸(青少年委員会委員長、白梅学園大学学長)
コーディネーター: 小田桐 誠(青少年委員会委員、ジャーナリスト)
主催: 放送倫理・番組向上機構(BPO) 放送と青少年に関する委員会(青少年委員会)
共催: NHK、社団法人日本民間放送連盟
URL: http://www.bpo.gr.jp/youth/research/y_sympo2012.html
Ustream: http://www.ustream.tv/user/BPO-Symposium
※参加には、WEBまたはFAXによる事前のお申し込みが必要です。
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■放送倫理・番組向上機構 概要
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名 称: 放送倫理・番組向上機構(BPO)
放送事業の公共性と社会的影響の重大性を踏まえて、正確な放送と
放送倫理の高揚に寄与することを目的とした非営利・非政府の団体。
言論・表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護する
ため、放送への苦情や放送倫理上の問題に対応する独立した第三者
機関で、民放連およびNHKによって設置され、以下の三委員会から
構成される。
委員会: 放送倫理検証委員会
放送と人権等権利に関する委員会(放送人権委員会)
放送と青少年に関する委員会(青少年委員会)
住 所: 東京都千代田区紀尾井町1-1 千代田放送会館
理事長: 飽戸 弘
URL: http://www.bpo.gr.jp/
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