ピアニスト豊田裕子の新作が音楽業界で話題になっている。この3月28日にキングレコードから発売されたCD「クリスタリア」は、「和」と「洋」の音色を絶妙に融合させた革新的一枚。このアルバムを豊田裕子は、クラシックの新ジャンル「ハイブリッド・クラシック」と名づけている。注目曲の第一は、「月光と与作」。ベートーベン・ピアノソナタ「月光」が、「和」の象徴である「与作」と結びつき、そこに伝統の「大鼓」(おおづつみ)が降り注ぐという想像を超える一曲。第二は、「荒城の月とハンガリー舞曲」。滝廉太郎の「歌曲」が、和太鼓(わだいこ)とともにハンガリー舞曲に溶け込み、先鋭的なハイブリッド曲になっている。注目曲の第三は、遊び心満載の曲「おもちゃのチャチャチャ」。人気音楽家の青島広志さんと豊田裕子の「ピアノ連弾」による楽しさ溢れる一曲だ。そして、このCDの共演者の顔ぶれが凄い。大鼓の大倉正之助氏や和太鼓のTAO、ヴァイオリンのパヴェル・エレットなど、世界で活躍する豪華アーティストが参加。しかも、音楽家・青島広志氏が全曲の監修をつとめている。青島氏は「このCDは非常に豪華で、まるで万華鏡のような色彩が楽しめる」と太鼓判を押す。既に、YOU TUBEでは、彼女のプロモーションビデオが先行配信され話題になっているが、圧巻は、彼女がピアノを「立ち弾き」する躍動感ある姿。今、豊田裕子は熱い。CD「クリスタリア」が、「日本を元気にする」起爆剤になるかもしれない。