1万人調査からみた野菜・果物の購買行動の結果報告~野菜の購買形態の多様化、カット野菜など簡便化志向の動向

 「1日5皿分(350g)以上の野菜と、200gの果物を食べましょう」をスローガンに食育活動を展開している一般社団法人ファイブ・ア・デイ協会は、このたび1万人の消費者を対象に、野菜・果物の摂取意識ならびに購買行動の実態を把握するため「野菜と果物の摂取に関するWEB調査」を実施しました。
 2013年4月19日に首相官邸から発表されたアベノミクス成長戦略では、3本の矢の一つとして「女性が輝く日本」の実現を掲げており、女性の社会進出が重要課題に取り上げられました。具体的な政策目標の中には、2020年の25歳~44歳の女性就業率を73%まで(2012年は68%)引き上げることが盛り込まれており、今後、働く女性がますます増えることが予想されます。
 こうした中当調査では、フルタイムで働く女性は女性全般よりも「野菜不足を感じている」ことが明らかになり、実際に食べている量も少ない傾向が示されました。また、購入形態においては「原体」で買う人が依然として多いものの、「カット野菜」を取り入れる傾向があることも示され、手間を軽減する簡便化へのニーズが高まっている結果となりました。さらに、若い世代や、特にその世代の単身層にも同様の傾向がみられることがわかりました。これらの結果からは、これからの野菜摂取の推進活動に対するターゲット層が明確に示されており、フルタイムで働く女性や若い世代の単身層への野菜摂取の習慣づくりを促す活動が、健康志向の広まりを助け、ひいては野菜市場ならびにカット野菜の市場規模拡大に期待できることが考えられます。


《調査結果のポイント》
①ふだん野菜を十分に食べていると思っている人は、女性全般では約半数だが、フルタイムで働く女性の場合は4割に満たず、野菜不足を感じている。 (→結果<7>参照)

②フルタイムで働く女性で、野菜を「3皿以上食べている」人は22.4%で、女性全般の29.6%を大きく下回る。さらに、「食べていない」人も1割近く(9.1%)おり、女性全般との比較によるとフルタイムで働く女性は、野菜が不足していることを裏付けている。 (→結果<5>参照)

③フルタイムで働く女性が野菜を食べないのは、「料理・調理をする時間がない」「ゆっくり食事する時間がない」「自分で料理・調理するのが面倒」と、忙しさや手間を理由に挙げる人が多く、それぞれにおいて女性全般よりも上回る。 (→結果<7>参照)

④フルタイムで働く女性の3割近く(28.7%)は、「カット野菜(生食用・調理用)」を購入している。女性全般(22.1%)よりもカット野菜を多く購入する傾向にある。 (→結果<8>参照)

⑤20代の若い世代は、全体に比べて野菜を食べる習慣が少ない。特に野菜を「食べていない」20代の人は男性で18.9%、女性で15.6%と、全体の9.3%に対して大きく上回る。 (→結果<1>参照)

⑥20~30代の単身層が野菜を食べない理由は、「価格が高いから(26.7%)」が最も多い。 (→結果<7>参照)

⑦野菜を「原体」で購入する20~30代の単身層は42.0%で、全体の63.3%に対して少ない傾向に。一方、「カット野菜(生食用・調理用)」を購入する比率は36.1%で、全体(23.1%)よりも高い。 (→結果<8>参照)


《INDEX  野菜・果物摂取に関する次の調査を行いました》  ※頁数はPDFリリースの掲載頁
  <1> [ 年代別 ] 野菜摂取の現状 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.5
  <2> 野菜の摂取量に対する必要量の認識 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.6
  <3> [ 年代別 ] 野菜の形態別購入状況と性別・年齢の特性 ・・・・・・・・・・P.7
  <4> 野菜の形態別購入場所 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.9
  <5> [ タイプ別 ] 野菜の摂取量 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.10
  <6> [ タイプ別 ] 野菜(原体)の購入場所 ・・・・・・・・・・・・・・・・P.11
  <7> [ タイプ別 ] 野菜を食べない理由 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.12
  <8> [ タイプ別 ] 野菜の購入形態 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.13
  <9> 5 A DAYと食事バランスガイドの認知度と野菜摂取の状況 ・・・・・・・・P.14

《ファイブ・ア・デイ協会とは》

ファイブ・ア・デイ協会は、「1日5皿分(350g)以上の野菜と、200gの果物を食べましょう」をスローガンに、消費者や食に携わる企業、生産者、行政と連携し、野菜・果物の摂取が健康増進に重要であることを啓発し、1日の摂取量を増加させることによって、国民の健康増進に寄与貢献していく5 A DAY運動を行うことを目的に活動しています。

 

■ 野菜摂取目標量は1日5皿分(350g)=5 A DAY

今の日本人に不足しがちなのが野菜と果物。1日に必要な量を食べているか、CHECKに役立つ健康の合言葉が、5 A DAYです。

 


《本件に関するお問い合わせ先》 一般社団法人ファイブ・ア・デイ協会 事務局
〒101-0031 東京都千代田区東神田2-5-12 龍角散ビル3F
TEL:03-5822-1373 http://www.5aday.net/ e-mail:hqdirect@5aday.net


《調査の概要》
  1)調査方法:インターネット調査
  2)調査時期:2013年6月
  3)調査対象:20歳以上の男女10,971人(人口構成比に応じて割り付け)


■野菜摂取量の調査方法
当調査では、野菜の摂取状況の実態を把握するため、写真という視覚的な指標を用いて、野菜「1皿」(約70g)の目安量を示し、「実際の摂取量」と「1日に必要な摂取量」の調査を行いました。

※指標には、平成23年度:農林水産省食育実践活動推進事業にて示された野菜摂取量目安<皿数表示>(食事バランスガイドより)を用いた。


《結果》
<1.[ 年代別 ] 野菜摂取の現状>
 若い世代ほど野菜が不足している

1日に食べている野菜の量で最も多かったのは「1~2皿」で、全体で68.4%となりました。年代別にみると、若い世代ほど「食べていない」「1~2皿」の割合が高く、野菜が不足していることが示される結果となりました。また、前回調査(3万人アンケート)と比較したところ、「食べていない」と回答した人は全体で1.9ポイント増となり、「1~2皿」「5皿以上」と回答した人の増減はなく、「3~4皿」においては1.9ポイント減少しました。これらの結果より、野菜摂取の重要性に対する国民認知は高まっているものの(下記Column参照)、特に若者に置いては、実践が進んでいない実態がうかがえます。

(→詳しい結果は、PDF版リリース P5 図表1/野菜の形態別購入場所 をご覧ください)

【Column】
平成24年度「食育に関する意識調査(内閣府)」によると、「食育に関心を持っている国民の割合」は74.2%。また、同調査で「ふだんの食生活で心がけていること」を尋ねたところ、「野菜をたべること」を「心がけている」(「いつも心がけている」及び「ときどき心がけている」)と答えた人の割合が最も高く92.4%にものぼりました。これらの調査結果からみると、食育への関心や、野菜摂取が健康づくりに効果的であることはもはや国民に定着していることがうかがえます。野菜摂取の必要性を感じている人は多くいるにもかかわらず、当協会での調査ではまだまだ野菜が不足している結果となった要因の一つには、健康づくりに必要な「野菜摂取の具体的な量」に対する知識が不足していることが考えられます。


<2.野菜の摂取量と必要量の認識>
 自分が食べている野菜の量が適量! と「誤認」している

上の円グラフは1日に食べている野菜の量を聞いた結果を示しており、その回答別に野菜の適量を聞いた結果が下の棒グラフです。「1~2皿」の野菜を食べている人のうち62.0%が、適量も「1~2皿」と回答しており、「自分の摂取量は適量である」という認識を持っていることがわかりました。「3~4皿」食べている人にも同様の傾向があり、「1~2皿(10.0%)」「3~4皿(61.5%)」食べている人を合わせると、7割以上の人が1日の適量(5皿)を「誤認」していることが明らかになりました。「5皿以上」食べている人の84.7%が、適量は「5皿以上」と正しく回答しました。(図表2)

 



<3.[ 年代別 ] 野菜の形態別購入状況と性別・年齢の特性>
 野菜は原体の購入が中心。カット野菜は補助的
 ただし、20代はカット野菜を購入する人が多い傾向に


野菜の形態別購入状況は、いずれの年代においても原体で購入する傾向が示される結果になりました。しかし、カット野菜に注目すると、20代は他の世代に比べて購入比率が高く、男性は26.0%が、女性は30.1%がカット野菜を購入しています。30代男性は28.7%と20代よりもさらに購入率が高く、40代男性も27.1%とカット野菜を購入する傾向が示されました。一方、30代以降の女性は原体の比率が高くなっています。(図表3)
カット野菜に抵抗のない現在の20代や、後述するP13の結果にあるフルタイムで働く女性や若い世代の単身層の簡便化傾向の実態から、野菜をとりまく市場は大きく変わることが予想されます。

   設問 ●野菜と言えば何を買いますか? (野菜の商品形態を写真で提示し質問)

 



<4.野菜の形態別購入場所>
 いずれの形態も購入場所はスーパーが中心
 しかし、コンビニやミニスーパーも出現


野菜の購入場所は、どの形態においても「食品スーパー」「総合スーパー」は一定のニーズがあることが示されました。特に原体においては「食品スーパー」が78.2%、「総合スーパー」が45.4%と高い値が示され、購入場所として定着していることがうかがえます。ただし、カット野菜や総菜の結果に注目すると、「コンビニ」や「ミニスーパー」が購入場所として選ばれており、小さな店舗内で時短で商品を入手できる場所としてのニーズが高まっていることが推測されます。

(→詳しい結果は、PDF版リリース P9 図表4/野菜の形態別購入場所 をご覧ください)

    設問  ●野菜と言えば何をどこで買いますか? (野菜の商品形態を写真で提示し質問)

    何を?
     ●丸ごとや半分切った野菜(原体)
     ●食べやすくカットされた野菜(生食)
     ●食べやすくカットされた野菜(調理用)
     ●調理済みの惣菜や野菜料理

    どこで?(主な選択肢を抜粋掲載)
     ●食品スーパー(食品中心に扱っている)
     ●総合スーパー(衣料品や家電なども売っている)の野菜売り場
     ●直売所・道の駅・地域施設
     ●生協
     ●八百屋
     ●コンビニエンスストア
     ●ミニスーパー(コンビニ程度の広さで生鮮品、総菜、日用雑貨などを扱っている)

 

<5.[ タイプ別 ] 野菜の摂取量>
 フルタイムで働く女性は、女性全般よりも野菜が不足している
 若い世代の単身層は「食べていない」人がかなり多い


野菜の摂取量をタイプ別に分析したところ、フルタイムで働く女性のうち9.1%が「食べてない」と回答し、女性全般の5.7%と比較すると3.4ポイントを上回る結果に。「1~2皿」食べている働く女性(68.5%)は、女性全般(64.7%)よりも多くみられましたが、一方で、「3~4皿」「5皿以上」においては、女性全般のほうが食べていることがわかりました。これらのことから、フルタイムで働く女性は、女性全般と比べて野菜を食べていない傾向が示されました。また、20~30代の若い世代の単身層は「食べていない」が22.8%となり、全体の9.3%と比較すると、13.5ポイント差と大きく開きがあることがわかりました。フルタイムで働く女性とともに、若い世代の単身層も野菜が不足していることが明らかとなりました。(図表5)



<6.[ タイプ別 ] 野菜(原体)の購入場所>
 野菜はスーパーで購入
 手軽に入手できる場としてコンビニやミニスーパーも利用


「食品スーパー」「総合スーパー」は、<4.野菜の形態別購入場所>と同様に、タイプ別にみても野菜の購入場所として高いニーズがあることがわかりました。しかし、フルタイムで働く女性の場合、女性全般と比較すると「食品スーパー」はマイナス6.3ポイント差、総合スーパーはマイナス0.8ポイント差と、いずれも下回る結果となり、女性全般と比較するとスーパーの利用率が低いことが示されました。若い世代の単身層も同様で、特に「食品スーパー」においては、全体と比較するとマイナス12.7ポイント開きがありました。また、この両方のタイプに共通しているのが、「コンビニエンスストア」や「ミニスーパー」を比較層よりも利用していること。手軽に野菜を購入できる場として利用していることがうかがえます。

(→詳しい結果は、PDF版リリース P10 図表6/タイプ別 野菜(原体)の購入場所 をご覧ください)


<7.[ タイプ別 ] 野菜を食べない理由>
 野菜不足を感じているフルタイムで働く女性
 価格が高いから野菜を食べない若い世代の単身層


フルタイムで働く女性が野菜を食べない理由として挙げたのは、「ふだん、野菜を十分に食べている」が35.8%で最も多い結果となりました。女性全般は約半数の人が十分に食べていると回答しているのに対して、フルタイムで働く女性の場合は4割に満たず、女性全般と比較すると野菜不足を感じていることがうかがえます。続いて食べない理由として選ばれた、「自分で料理・調理をするのが面倒だから」「料理・調理をする時間がないから」「ゆっくり食事をする時間がないから」は、いずれの結果も女性全般よりも上回る結果に。働いている女性はふだんから料理をする時間やゆっくり食べる時間が少ないことが示される結果となりました。一方、20~30代の若い世代の単身層で特徴的な結果は「価格が高いから」。全体の14.3%に対して26.2%の人が、野菜の価格を理由に食べていないことがわかりました。(図表7)



<8.[ タイプ別 ] 野菜の購入形態>
 野菜料理の簡便化に高いニーズ
 働く女性や若い単身層はカット野菜を購入する傾向


フルタイムで働く女性の場合、原体で野菜を購入する人の割合が、女性全般の78.4%に対して66.2%と、12.2ポイント下回りました。一方、カット野菜は生食用・調理用それぞれが女性全般に対していずれも2~3ポイント程度上回る結果に。忙しく働き、時間に制限のある働く女性は、手間がかからないカット野菜を利用する傾向がうかがえます。20~30代の若い世代の単身層も同様の結果が出ており、特に原体で購入する人の割合が、全体の63.3%に比べると21.3ポイント低い42.0%となりました。原体で購入するニーズは、働く女性や若年単身男女においても一定的にあるものの、野菜料理の手間を低減するカット野菜のニーズが高まる傾向にあることが示唆されました。(図表8)



<9.5 A DAYと食事バランスガイドの認知度と野菜摂取の状況>
 5 A DAY・食事バランスガイドの言葉や意味を知っている人は
 知らない人よりも野菜を食べている


5 A DAYや食事バランスガイドの言葉や意味を「知っている人」「知らない人」それぞれに、野菜を何皿食べているかを聞きました。5 A DAYを知らない人で「野菜を3皿以上食べている」と答えたのは全体の24.5%、それに対して5 A DAYを知っている人で「野菜を3皿以上食べている」と答えた人は37.1%という結果が示されました。言葉や意味を「知っている人」は、「知らない人」の1.5倍近くが野菜を3皿以上食べていることがわかりました。食事バランスガイドでも同様の結果が示されました。(図表9)野菜摂取量の具体的な指標を示す「5 A DAY: 1日5皿分以上の野菜を食べよう!」は、野菜摂取の向上に有効であることが示唆されました。



《調査後記》
多くの国民が適量だと思っている野菜摂取量は、国が推奨している適量(350g)より少ないことが明らかになりました。また自分の食べている量が適量だと“誤認”している人が多い実態は、前回調査(3万人アンケート)から全く改善がみられませんでした。「食育」という言葉が浸透し、野菜を中心とした食生活が健康によいことを理解していても、自身が野菜摂取不足であることの認識がなければ、今後も国民の野菜摂取量の大きな改善は見込めません。野菜や様々な食材を用いた小鉢で彩られる和食は、世界に誇る健康食。今一度、自身の毎日の食事に、5皿程度の野菜を食べているかどうかを振り返るシンプルなスローガン「5 A DAY」が、欧米のように国家的に取り入れられることを期待します。国民の野菜摂取の需要の高まりは、流通現場の活性化と国産農業の振興を促し、フードチェーン全体の発展につながることと考えます。


《本件に関するお問い合わせ先》 一般社団法人ファイブ・ア・デイ協会 事務局
〒101-0031 東京都千代田区東神田2-5-12 龍角散ビル3F
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