デュポンが発明したナイロン、80年目を迎える

デュポン™ザイテル® ナイロンの革新性と未来

誕生から今年で80年目、デュポンの研究者ウォーレス・カロザースにより1935年に発明された画期的な素材であるナイロンは、ストッキングから歯ブラシ、携帯端末まで、より低価格で魅力的な、誰にでも手に入る消費財素材となりました。軽量で金属の代替用途として使用され、製品の軽量化やコスト削減を実現し、製品デザインの自由度をあげるだけでなく、部品の一体化を推進する役割を果たしてきました。デュポンはナイロンの技術革新を続け、自動車、航空宇宙、家電、ヘルスケア、医療、その他さまざまな分野で利用される高機能樹脂デュポン™ザイテル® ナイロンを生み出したのです。
 

1935年 デュポン社のカローザス博士により世界初の合成繊維として発明されました。

 

米国デラウェア州ウィルミントン市、デュポン本社の近くのハグレー博物館・図書館で収蔵・展示を担当する学芸員のデブラ・ヒューズ氏は、「ナイロンはファッション産業に革命を起こしました。テキスタイルという枠を超えて、デザインの考え方を全く新しいものに変えました。まさに、世界を変えた素材です」と述べています。
 数千以上に上るデュポンのこれまでの製品の中でナイロンは最も成功したもののひとつです。
ナイロンのすぐれた物性、強靭性とともにデュポンの素材開発力と世界規模の開発ネットワークによって多くの市場に受け入れられています。

 

デュポン パフォーマンスポリマー事業部プレジデントのパトリック・E・リンドナー、「ナイロンは、ポリマー製品として優れた性能で市場に認められ、さらにその高い加工の容易性によって成長し、大きく変る市場ニーズに適応してきたことにより、誕生から80年経た今でも若い素材なのです。デザインの自由度を求め続ける限り私たちは開発を止めることは無いでしょう」と述べています。

ナイロンの成功の秘密は、優れた多様性にある
 その発明に続き、デュポンは1940年代に、ナイロン繊維をエンジニアリングポリマーに展開する技術を生み出しています。この時期におけるデュポンの急成長には、戦争遂行を支援するため金属を可能な限りプラスチックに置き換えるように、との米国政府の進言も一役買っていました。40年代にはビンやカップ、さらには自動車部品までもがナイロン代替により軽量化され、より低価格になりました。

1939年 ナイロンの商業生産は急ピッチで進みました。低コスト化と女性ストッキング向け開発が決定し、デュポンはデラウェア州シーフォードにナイロンのフル生産プラントを設立しました。1940年5月には一般に販売を開始、ナイロンストッキングは大成功を収めました。このナイロン製ストッキングを求めてアメリカ国中の女性が商店で列を作ったのです。

 

1950年代、デュポンは新たに代表的製品となったデュポン™ザイテル®ナイロンを商標登録し、その10年後には、プラスチックをガラス等の強化材と組み合わせることにより、機能性が拡がることを見出しました。ナイロンは単独素材使用でも高性能を発揮し、自動車エンジンルームにおける用途に革新をもたらしています。自動車エンジンルーム内部では熱や化学物質に長時間耐える必要があることから、さまざまなプラスチックの使用は難しいものとされて
いました。

1992年、ゼネラルモーターズは、同社で最も普及し信頼性の高いエンジンの一つである「3800」シリーズに、ザイテル®ナイロンを採用しました。これが、米国におけるエア・インテーク・マニホールドへのナイロン素材の大量商業利用の端緒となり、以後10数年間にわたり世界全体でマニホールドその他の自動車部品が金属からプラスチックへと大々的に切り替わる道筋を作ることとなりました。

歴史あるGM3800エンジンが2008年にその役目を終えるまで、従来のアルミ製に対して重量を65%まで削減し、燃費の改善効果によってこのエンジンだけで260万バレルを超える石油の需要削減を実現しています。

設計エンジニアたちは、ザイテル®が単に金属よりも軽量の素材であるだけでなく、複雑な形状の設計や製造を可能にする大きな自由度をもたらし、それゆえ多くの部品コンポーネントを一体化することにより全体の製品性能が向上され、デュポンの取引先やパートナーのトータルシステムコスト削減をも可能にするものであることを見出したのです。

 

現在、デュポン™ザイテル®ナイロンは、エアダクト、エンジンカバー、チャージドエアクーラー、トランスミッションコンポーネント、ラジエータエンドタンクなど、世界中でさまざまな自動車コンポーネントに使用されています。電気・電子システムの分野では、筐体、ソケット、端子板、回路ブレーカー、スイッチ、リレーなどに幅広く利用されています。

製品シリーズの発展と広がり
デュポンはまた、ザイテル®がポリマーの常識を変え、重い、脆い、といった欠点を持つ金属その他の素材に替わる、新たな素材をデザインの世界に提供できる可能性があることも見出しました。全世界の石油不足がピークを迎えた1973年の石油危機と同じ年、デュポンは
ザイテル®スーパータフを発表しました。

デュポン パフォーマンスポリマー事業部ナイロン担当グローバル・ビジネス・ディレクターのリチャード・メイヨーは、「“スーパータフ”という名に違わぬ性能です。自動車業界は、ガソリンタンク、ファスナー、エンジンコンポーネントをはじめ、自動車全体に使われていた金属をザイテル®STに置き換えることで、車体を軽量化して燃費向上を実現しました」と述べています。ほどなくして、各種機器、電線用絶縁体、スポーツ用品、家具にもザイテル®STが採用されるようになりました。

その数年後、デュポンは再び画期的なナイロンポリマー、ザイテル®HTNを世に送り出しました。この新しい高性能ポリアミドは、従来のエンジニアリング樹脂と高コストの特殊ポリマーにおける性能の隔たりを埋める役目を果たしました。ザイテル®HTNは、繊細な電気・電子部品での使用にも耐える、よりいっそう精密な加工を可能にしました。これまで以上に薄肉部品に成形することができる上に、熱や水分にさらされても元のままの形状と寸法を保ちます。

1992年 数年に及ぶ開発と試験を経て、ゼネラルモーター社はザイテル® ナイロンを、最も生産され信頼性の高かった「3800」エンジン用に採用を決定します。自動車用エア・インテークマニホールド向けの初の商用大量生産の成功により、それ以降、数十年に渡り、金属製部品からプラスティック製マニホールドへの転換へとつながります。歴史あるGM3800エンジンが2008年にその役目を終えるまで、従来のアルミ製に対して重量を65%まで削減し、燃費の改善効果によってこのエンジンだけで260万バレルを超える石油の需要削減を実現しています。

 


「性能を犠牲にすることなく薄肉部品が作れるとあって、設計者たちは大いに刺激を受けました。例えば、家電業界は強度と剛性と安定性の絶妙なバランスの中に、携帯電話やタブレット端末をより大型化しながらも重量や手触りをコントロールして、気軽に持ち歩けるようにするという活路を見出しました。自動車業界は、この素材の耐熱・耐水性を利用して、エンジンの冷却系や熱マネージメント系にザイテル®HTNを採用しています」とメイヨーは述べています。

2009年 デュポン高機能ポリマー事業部は、植物由来のデュポン™ザイテル® RS610ナイロンを素材原料とし自動車用冷却部品向けに供給を開始しました。この画期的な発明はSPE(全米プラスティック協会)より最も革新的なプラスティックの用途開発としてトヨタ自動車株式会社、株式会社デンソー、デュポンの3社が賞を授与されています。またデュポン™ザイテル® RS610は、再生可能なポリアミド系ナイロン、ザイテル®RS1010とともに重量比20~100%の非可食植物のセバシン酸を原料とします。

その後、2010年に世界が燃料消費と排気ガスについて厳格な規制を適用し始めたのと時を同じくして、デュポンはもう1つの新ナイロン製品、ザイテル®PLUSを発表しました。この素材は、高温になる自動車の潤滑油、吸気エアや、塩化カルシウム(融雪剤)をはじめとする化学的活性の強い自動車用化学薬品に触れても、従来のナイロンより長期にわたり卓越した性能を持続することが可能です。自動車の効率性改善にともない各部の温度や圧力が上昇していたこともあって、自動車業界ではこうした性能が求められていました。

市場の急速な拡大
ナイロンの急速な普及で市場の規模は拡張していきました。デュポンは1939年、デラウェア州シーフォードに大規模なナイロン工場を設立し、そのわずか2年後にはバージニア州マーティンズビルに2番目のナイロン工場を増設しました。現在デュポンは、エンジニアリングポリマー市場に注力しているナイロンメーカーとしては最大手で、世界最大規模のネットワークを構築しています。デュポンは規模拡張の一環として、6月にドイツ西部のハム市ウエントロップ工場におけるデュポン™ザイテル® PA66とPA 6の生産量を20%拡大しました。3月には、バージニア州リッチモンド工場でデュポン™ザイテル®HTN PPAを10%増産したことを発表しています。これらの増産はいずれも、自動車および家電市場における世界的な需要拡大に対応するために行われたものです。

 

デュポンでは製品の一貫性と品質に重点を置いて、ヨーロッパ、南北アメリカ、アジアでPA66、PA6、PPA、長鎖ポリアミド(LCPA)樹脂を幅広く製造しています。デュポンはナイロン製造のための世界規模の連続重合資産を世界3つの地域すべてに配置し、13カ国で製造工場を運営することにより、顧客に対して現地拠点から確実に供給を行うための体制を構築しています。

「当初の製品ラインを現在のものと比べていただければ、私たち市場からヒントを得て技術化してきたこと、そして反対に、アイディアを形にする素材を設計エンジニアに提供することによって、私たちが産業や市場を後押ししてきたことがお分かりいただけるでしょう」と、リンドナーは述べています。

デュポン パフォーマンスポリマー事業部は世界中の設計エンジニアと協力して、自動車、航空宇宙、家電、ヘルスケア、医療、その他さまざまな分野で利用されているコンポーネントの性能、持続可能性、コストの改善に取り組んでいます。デュポンは40を超える製造・開発・研究センターと技術チームを通じて製品開発を支援して、アイディアを迅速かつコスト効率の高い形で市場に投入するための後押しを行っています。

 

デュポンは1802年の創業以来、世界最高水準の科学技術を基盤に、革新的な製品や素材、サービスを提案しています。お客様や政府、NGO、オピニオンリーダーとの連携を通じ、世界中の人々に十分に安全な食糧を提供すること、化石燃料依存からの脱却、人と環境の保護など、世界的な課題へのソリューションを見出すご提案が出来ると信じています。デュポンの取り組みに関する詳細は、http://www.dupont.co.jp(米国サイト:http://www.dupont.com)をご覧ください。

 

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 デュポンオーバルロゴ、デュポン™、ザイテル®は、米国デュポン社の商標あるいは登録商標です。

 

 


 
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