微生物が気象を左右する? 『見えない巨人―微生物』11月発売

~微生物を基礎から学べる入門書~

 有限会社べレ出版(本社:東京都新宿区岩戸町12 レベッカビル2F、代表取締役:内田真介)は、「見えない巨人―微生物」(著者:別府輝彦氏、価格1,400円(税抜))を、2015年11月2日(月)から、全国の書店にて発売を開始しました。

 2015年、北里大学特別名誉教授の大村智博士がノーベル生理学・医学賞を受賞したことで、微生物への注目が高まっています。本書は、目には見えないけれど、私たちの身近なところで大きな役割を担っている微生物について、その生き方や働きなどを一冊にまとめた本です。専門的な解説ではなく、自然科学に興味のある一般の方や学生、これから微生物を学ぶ人に最適な入門書となっています。著者の別府輝彦氏は、微生物研究における第一人者で、先駆的研究成果を挙げ、平成24年度には前述の大村智博士らとともに文化功労者として顕彰されています。「微生物とは何だろう?」という問いを、「発酵」「病気」「環境」という三つのキーワードから、著者が明らかにしていきます。 


■主な書籍のトピック
①1グラムの畑土の中には100万種の微生物が・・・
 微生物は地球上で最も多様な生き物です。これを説明する数値として、1グラムの畑土の中から見つけられる細菌の種の数が、個体数が少ない種まで注意深く含めれば100万種の桁に達するという推定値があります。この驚くべき数値は、目に見えない微生物の多様性を示しています。

②日本の国菌とは・・・
 日本の国花は桜、国鳥はキジ。同じように日本の国菌を決定しようとする動きがあるのをご存じでしょうか。日本醸造学会では2006年に、コウジカビを国菌と呼ぼうと提唱しています。学名をアスペルギルス・オリゼというコウジカビは、タンパク質を分解してうま味成分をつくり出すので、酒ばかりでなく醬油や味噌の醸造にも使われており、日本では非常になじみ深い微生物です。

③海の環境を修復する微生物
 近年、タンカー事故などで石油が海に流れ出し、環境を汚染する出来事が多発しています。環境を修復するうえで重要な役割を果たすのは、分解能を持った微生物によるバイオレメディエーション(生物的修復)です。重油を分解できる微生物は数が限られているため、大規模な石油流出が起こると、完全に分解するまでには、長い時間を要します。しかし、分解菌の増殖を助ける窒素やリンなどの栄養素を散布することで、微生物の重油を分解する力を促進させるという方法があります。本書ではこの方法で一定の効果を上げた事例も紹介しています。

④微生物が気象を左右する?
 微生物の中には、雪や雨を降らせるのに一役買っている種類もいます。ふつう水は0℃で凍るものだと思われていますが、純粋な水は氷点下でもなかなか凍りません。それではなぜ雪は降るのでしょうか。それは、氷核細菌と呼ばれる微生物が空中に舞いあがり、水を結晶化させるタネとして働くことで、気温がそれほど低くなくても雪がつくられるからです。この性質を応用して、スキー場に人口雪を降らせることができています。微生物が降雪や降雨におよぼす影響は大きく、実際の気象をある程度左右している可能性も論じられています。

■本書の構成について
 第1章は、微生物は人の目には「見えない」けれど、地球上の生物の中でも非常に増殖能力が高く、最も「巨大で」あり、そして「多様」である、という3つの特徴から、その全体像を明らかにしていきます。微生物の発見や探索方法の発展を紹介しながら、「微生物とは何だろう?」という疑問に迫ります。

 第2章は、人々の役に立つものをつくり出す「発酵する微生物」について紹介します。まず、発酵とは何かについて、その成り立ちや仕組みを解説しています。そして、酒やチーズなど、発酵からつくられる食品を具体例として挙げながら、微生物が人々の身近なところで活躍していることに言及しています。後半部分では、二十世紀後半における新たな微生物の発見に触れつつ、将来的な微生物バイオテクノロジーの発展の可能性を示しています。

 第3章は、発酵とは反対に、感染症という災いをもたらす「病気を起こす微生物」を解説します。時には人の命さえも脅かす可能性もある微生物について、我々がどう立ち向かうべきなのか、問題提起しています。ペストやマラリアなど、歴史的に猛威を振るった感染症を紹介しつつ、近年のエイズやエボラ出血熱の事例にも触れ、感染症が過去のものではないことを指摘します。

  第4章は、縁の下の力持ちとして地球の生態系を支えている「環境の中の微生物」の重要性を指摘します。発酵や感染症に比べて研究が遅れていた、これらの微生物の働きが、近年ようやく明らかになってきました。自然環境を修復する微生物や、天候に影響を与えている微生物など、我々が想像もつかないほど大きな役割を微生物が担っていることを解説します。 

 

 

■著者紹介

別府輝彦(べっぷ てるひこ)東京大学名誉教授 日本学士院会員

1961年、東京大学大学院化学系研究科修了
1977年、東京大学大学院農学生命科学研究科教授
1994年、日本大学生物資源科学部教授
2006年、日本大学総合科学研究所教授
平成24年度 文化功労者
 専門は応用微生物学。在来の微生物利用学の領域に、近代的な分子生物学的知見と手法を積極的に導入し、多様な先駆的研究成果を挙げた。代表的な研究に、チーズの生産に不可欠な子牛の胃由来の酵素、キモシンの微生物による製造法の開発、ストレプトマイシン生産菌の細胞内で機能しているホルモン様の物質の発見と作用機作の解明、微生物のつくる新薬理活性物質を用いたガン細胞増殖機構の解明、異種微生物間の共生現象の発見などがある。平成24年度の文化功労者に選ばれる。
【主要著書】
『応用微生物学は種の多様性に始まる』(三田出版会)、『新・微生物学』(講談社)

『見えない巨人-微生物』概要

⦿装幀――菊地信義

■著者:別府輝彦

■発行元:有限会社べレ出版
■価格:1,400円(税抜)
■発売日:2015年11月2日(月)
■販路:全国の書店及びインターネット通販等
■判型:四六判
■ページ数:264ページ
■目次:
はじめに
1 微生物とは何だろう
1-1 微生物は見えない生き物
1-2 微生物は巨大な生き物
1-3 微生物は多様な生き物
1-4 微生物と人間のかかわり

2 発酵する微生物
2-1 発酵とは何だろう?
2-2 発酵という文化
2-3 新しい微生物、新しい発酵
2-4 次の世代に向かって

3 病気を起こす微生物
3-1 歴史の中の感染症
3-2 病原体との戦い
3-3 新しい感染症の姿

4 環境の中の微生物
4-1 環境を支える微生物
4-2 共生する微生物
4-3 集団としての微生物
4-4 地球環境と微生物

【販売・購入に関するお問い合わせ】
有限会社べレ出版 営業部
TEL: 03-5225-4790 FAX: 03-5225-4795

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