「ふくしデザインゼミ」がグッドデザイン賞を受賞

「福祉」を「ふくし（ふだんのくらしのしあわせ）」へアップデートする実践的な学びのプログラム

一般社団法人ぼくみん

2023年10月5日 13時50分

社会福祉法人武蔵野会（本部：東京都八王子市、代表：高橋信夫）と一般社団法人ぼくみん（本社：京都府京都市、代表：今津新之助）の協働プロジェクト「ふくしデザインゼミ」が公益財団法人日本デザイン振興会主催「2023年度グッドデザイン賞」を受賞しましたので、お知らせいたします。

＊審査委員の評価コメント

　学生と福祉従事者が協働し、書籍の制作や展覧会を開催した取り組み。支援する／される、教える／学ぶという関係を超え、学び合える関係や場をデザインしている。その中心にあるのは、「福祉」を「ふくし（ふだんのくらしのしあわせ）」へとアップデートするという信念だ。「採用のあり方を変えたい」という出発点から始まったこの取り組みは、全てにおいて誰にもひらかれた場としての双方向性を意識した秀逸なデザインによって、採用する／されるから、「仲間さがし」へとアップデートされた。

＊受賞対象の概要

　ふくしデザインゼミは、分野や領域の垣根を越え、実践的に福祉を学ぶプログラムで、2022年8月に、社会福祉法人武蔵野会とSOCIAL WORKERS LAB（一般社団法人ぼくみんが企画運営する、2019年スタートの福祉の裾野を広げ、「ふくしの関係人口を増やす」プロジェクト）の協働でスタートしました。

　参加者は8カ月間にわたって、社会福祉法人武蔵野会が運営する施設をめぐり、職員との対話『ふくしに関わる人図鑑』の制作、展示イベントの企画・運営などに関わります。プログラム開始時にはまだ福祉の「外側」にいた参加者たちは、取材を通じて福祉の現実に触れながらも、さらに外側にいる人たちに自分たちの学びを伝えようとすることで、いつの間にか福祉の「内側」に立つことになり、福祉事業がもつ根源的な力を発見していきました。

　私たちが大事にしたのは、学生たちの学びの場をつくるだけでなく、その学びを可能な限りオープンにし、法人の内側にも外側にも参加者の学びをシェアしていくこと。学びの連鎖をつくることで、「福祉」は、よりオープンで開放的な「ふくし」にひらかれていくと考えました。

＊受賞対象の詳細

　プログラムの開催期間は8ヶ月。取材する対象は武蔵野会の外部に広がり、参加者が取り組む課題も、取材や執筆から編集・デザインの領域に広がりました。

　8ヶ月にわたるプロジェクトの過程やその成果としての人図鑑、相関図などを収録したプロジェクトブックとして、2023年3月に『ふくしデザインゼミ武蔵野会に関わる人図鑑をつくろう』（A5版76ページ）を発刊しました。書籍は、恵文社一乗寺店（京都）や百年（東京）、汽水空港（鳥取）など、全国の書店で取り扱っていただいています。