森林を次世代に胸を張って引き継げる財産に。森林ベンチャー「シシガミカンパニー」設立！

森林の持つ多様な資源や魅力をマネタライズする森林ベンチャー　株式会社シシガミカンパニー（所在地：岐阜県東白川村、代表取締役：田口房国）を令和6年４月１日に設立したことをお知らせします。

株式会社シシガミカンパニー

2024年4月8日 16時39分

◾️森林業界を仰天させた新しいビジネスモデル「フォレンタ」

　2020年のコロナ禍にスタートした森林レンタルサービス「フォレンタ」は、森林をキャンパーに貸し出すという今までにない発想で林業関係者、森林所有者に驚きを与えました。電気も水道もないありのままの自然を年間契約で借りることで、利用者は好きな時に好きなだけキャンプを楽しむことができます。さらに、区画内にある木を使ったブッシュクラフトやキノコや山菜の採取など、さまざまな楽しみがあります。貸し出されている区画の多くは都会の喧騒から離れた場所なので、夜は静かに星空を眺めて過ごすなど、自分だけのプライベートな空間で自分だけの時間をお楽しみいただけます。

　過剰な設備投資や管理費用をかけないことで収益性も高く、全国の林業事業体や森林所有者がフランチャイズに参加し始め、令和6年４月１日現在で１３道府県１９者に広がっています。観光資源の乏しい山村でも森林を目的地として訪れる関係人口の増加は地域経済にも寄与することから地方自治体からも高い関心を寄せられています。

　森林所有者、利用者、地域がお互いに潤うフォレンタの取り組みは第３者からも高く評価され、グッドデザイン賞、ウッドデザイン賞、ディスカバー農山漁村の宝、INACOMEビジネスコンテストなど、数々の賞を獲得しました。

◾️森林の魅力を全てマネタライズする森林ベンチャー

　フォレンタは主にワイルドキャンパーをターゲットとした森林レンタルサービスとして人気を博しています。しかし森林にはキャンプ利用以外にも様々な価値、魅力に溢れています。レジャーはもちろん、癒しやウェルビーイングへの貢献、産物の生成、または地球温暖化や生物多様性に貢献する役割もありますが、その多くはまだ本格的な事業化がされていません。日本の国土の2/3という広大な面積の利活用という意味でも今後大きな可能性を秘めた分野であると言えます。そこにアプローチし、森林の魅力を全てをマネタライズする森林ベンチャーとして「株式会社シシガミカンパニー」を設立しました。代表にはフォレンタのプロデューサーである田口房国が就任しました。

　フォレンタ事業は今まで（株）山共で行ってまいりましたが、シシガミカンパニーに移管し、さらなる事業発展を進めていきます。また、フォレンタで培った森林の利活用のノウハウを応用して森林空間での新規事業、新サービスを展開する予定です。特に環境、生物、ウェルビーイング、または炭素クレジットなどの分野にはすでに多くの専門家が存在します。専門家や研究機関との事業提携やパートナーシップを構築することで、多様なプロジェクトを展開していく予定です。さらに、必要に応じてファンドや投資家からの資金調達を行い、スピーディーな事業拡大を実現します。

〈３つの事業展開構想〉

　①森林レンタルサービス「フォレンタ」の全国展開

　②森林空間を活用した新事業・サービスの展開

　③情報発信事業

◾️森林を次世代に胸を張って引き継げる財産にする

　かつて山村では木材生産が盛んに行われ、その収益が業者のみならず森林所有者にも還元され地域の経済を回していました。しかし木材価格が下落するとともに木材への関心も薄れた結果、森林が負の遺産と認識され、同時に地域住民の自信や誇りが失われる要因にもなってきました。しかし、豊かな森林はそれだけですでに十分な価値があります。森林を通じて地方と都市部を結びつけることで、地方の存在意義を再評価し、失われつつある地域の自信や誇りを取り戻すことに貢献したいと考えています。

　森林活用を行う上で一番はじめに解決しなければいけないことは、森林所有者による所有林の開放です。多くの森林所有者は、個人の所有物である森林に他人が足を踏み入れることに対して不安を持っています。山火事やゴミの不法投棄などのリスクはゼロにはならないため、不安がゼロになることもないでしょう。しかしルールやスキームを整備することにより、それらのリスクを可能な限り低く抑えることは可能です。そして森林所有者の意識が変わり、開放された森林に多くの人が足を運ぶことができるような社会を目指します。

　シシガミカンパニーは、人口２０００人の岐阜県東白川村に拠点を置いています。森林に一番近いところで林業や山村が抱える課題に日々接しながら事業を行うことで、課題の根本原因を解決し、「森林を次世代に胸を張って引き継げる財産にすること」をミッションとしています。

◾️代表より

　私は、東白川村で林業と製材業を営む家に生まれました。私の周りには日々山仕事をしたり、木材を扱っている職人ばかり。森林や木材に対するこだわりや愛情、そして苦労や喜びを肌に感じながら育ってきました。そんな数十年前に比べると、森林に対する関心が薄れ、デメリットが先に立ち、地域そのものの活力も失われつつあります。そんな中、フォレンタを始めたことがきっかけで森林の持つ可能性を実感し、事業としても十分成り立つことが分かったことから、新会社「シシガミカンパニー」を立ち上げました。

　時代の変化に伴って、森林に対する期待や要望も変化してきていると感じています。特に若い人たちから見た森林は、ボクの見てきた森林のあり方とも大きく違うでしょう。シシガミカンパニーでは、若者のアイデアや意見を積極的に取り入れつつ、現代のテクノロジーと組み合わせながら、将来に向けて様々な事業展開を行っていきたいと考えています。

代表取締役　田口房国