【調査続報】移住を考えるフリーランス心理を多角的に見て分かる傾向とは?

職種・家族構成・現居住地域での分類から考察する

株式会社ふろしきや

”まとめ役”としてマネジメント面から地域活性を支援する株式会社ふろしきや(本社:東京都江東区、代表取締役:田村英彦)は大都市圏在住で、かつ移住を考慮しているフリーランスを対象に「移住に対する意識調査」を行った。

都心・大都市圏に住み、働き方が比較的柔軟であるフリーランスの移住に対する注目度は大きい。実態として掴みにくいフリーランスの内面を把握するため、7月の速報版に続き、追加分析を報告する。
【調査概要】
調査時期:2016年7月4日〜7月19日
調査対象:移住を考慮していると回答した首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)、愛知県、関西圏(大阪府、兵庫県、京都府)、福岡県在住のフリーランス
対象者数:750名
調査企画・分析・レポート:株式会社ふろしきや http://www.furoshiki-ya.co.jp/
調査協力:株式会社クラウドワークス https://crowdworks.co.jp/
レポート本編:www.furoshiki-ya.co.jp/lib/img/news/フリーランスの移住に対する意識調査続報版.pdf
※以前リリース済みの速報版は以下URLを参照下さい。
 http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000020460.html

【要点】
  • 職種で変わる移住先への心理的距離感。フリーランスにおいても大部分は大都市依存が強いか。
  • 子供がいるかどうかで変わる移住先への要求。子供>自分の意識が変化の土台か。
  • 移住先への要求に個性が見られる愛知県・福岡県在住者。都心と関西圏は類似傾向。

【職種で変わる心理的な距離感】

これまでの様々な職業の働き方に接してきて中で、職種によって趣向や感性が違うことを肌で感じている。
フリーランスという集合体を職種で分けて見ることで傾向を可視化出来ないかと考え、働く場と関わりの深い、環境面・立地面・ビジネスチャンスの軸で違いを見る。
 


最も都市部へアクセスにこだわりの強さが見える「ディレクター・プロデューサー・プランナー・エディター」である。綺麗な空気・土・水や移住先でのビジネスチャンスよりも、都心・大都市へのアクセスの良さへの欲求が強く、都市部での仕事の継続を最重要視していることが見て取れる。
 

大都市依存傾向は少し薄まるものの、フリーランスの大多数を占める「プログラマー・エンジニア」「デザイナー(WEB・グラフィック)・イラストレーター」「ライター・作家」でも同傾向だ。やはり、心理的には都心・大都市から離れることに仕事面での不安が強いと思われる。
 

逆に、最も都市部へのこだわりが弱いのが「カメラマン・フォトグラファー」である。その分、綺麗な空気・土・水への欲求が強く、移住先で自分自身のスキルを発揮できるビジネスチャンスを欲する傾向も強いことから、移住先への総合的な環境面へのこだわりは強いと考えられる。
 

「コンサルタント・士業・マーケッター」「翻訳・通訳」は比較的ニュートラルな回答がなされている。移住先でも都市部でも柔軟に仕事を考えている姿勢が伺える。

ただ、人数としては後半の2つのタイプは少数派である。どこでも仕事ができ、組織に縛られないとしても、やはりヒトやモノが集まる都市部への接続を求める心理は根強いものがあると考えられる。


【子供の有無で変わる傾向】

フリーランスのうち、20代〜40代の比較的若年層に絞っている。子どもいるかいないかによって、意識の変化が見られる項目の中でも差が大きい項目を列挙したものが本データである。
 

移住先への欲求が上がっている項目を見ると、生活環境と関わる地理的面、施設・制度面、コミュニティ面の要素で数値の差が見られる。中でも「医療・福祉施設」や「教育・文化施設」「自治体の住民支援」に対して大きく変化がある点が目立っており、関心が大きく高まることが分かる。逆に言えば、子供がいない場合にはほとんどこれらの要素に関心が持たれていないことになる。
 


逆に要求が下がっている項目を見ると、都市部や商業施設へのこだわりは和らぎ、自分自身の生活ペースや趣味への要求も下がっている。

要求が上下している項目を総括すると、自分への意識が弱まり、子供への意識が強まった結果起きる欲求の変化と捉えられると推察される。

【現在住んでいる地域で変わる傾向】

現在住んでいる地域で分けて見た時に、特にデータにバラつきの大きい上位項目をピックアップして分析している。
 


東京都23区、その他一都三県、関西圏は傾向が似通っており、居住地による違いはそれほど大きくないことが分かる。敢えてコメントするとすれば、その中でもやはり東京都23区在住者は自分のペースでの生活や仕事に対する欲求は強いのは特徴と言える。
 

対して愛知県・福岡県に関しては少し様相が変わる。

愛知県在住フリーランスでは、治安や安全性、安価な生活費への欲求が少なく、豊かな自然や古い街並みへの欲求が強い。東京都23区まではいかないものの、自分のペースでの生活や仕事への欲求も高いことから、忙しさや慌ただしさから離れられる環境を一番に求めていると考えている。そして特に名古屋を中心とした一部にビジネス街が集中している地域性がある。同県内や近郊の県に近郊に豊かな自然や古い街並みの名所が多く身近に思い浮かぶことも同要素として重視するきっかけと考えている。

福岡県在住フリーランスは一番自分のペースでの生活や仕事に対する欲求が低い傾向ことから比較的現状に対する慌ただしさへの不満は少ないのかもしれない。また、福岡県在住フリーランスの移住希望先の1位は福岡県自体であることも考えると、豊かな自然や古い街並みは現状への互いを尊重して助け合える住民関係への欲求が低いことは、現状への不満が小さいことの裏返しのように感じられる。商店街や商業施設の充実への欲求があるの、地元の商店街文化が根強いことも影響していると考えられる。

【考察・所感】
速報版での考察でも記載したように、働く場所を束縛する要素はどんどん減り、組織に所属しながらも働き方の自由度は上がってきている。しかし、今回のフリーランスの調査結果からは、たとえ働き方が自由になったとしても都市部に近接することに対する心理的な依存はやはり高いと捉えられる。その心理面が働く中では、個人によった自分のペースでの生活や仕事の成立といったパーソナルな欲求だけでは、移住という選択は出来ないのではないか。複数の職を持つ可能性を含めて考え方を柔軟にする必要があると考えられる。さらに、その心理的な制約を乗り越える大きな変化をもたらす要素の一つが、子供の存在であるという結果も見ることが出来る。

地域創生への取り組みはまだまだ実践が始まったばかり。実際の働く・生活することへの物理的な自由度は高まりつつも、心理的な依存による場所の固定化が大きな障壁となっているように感じる。この調査の結果を受けて少しでも移住検討者の心理面に歩み寄る契機となり、ダイナミックな人の流動化に繋がればと考えている。

【本調査に対する問合せ先】
株式会社ふろしきや 代表宛
TEL:050-3575-1192
MAIL:info@furoshiki-ya.co.jp

※移住考慮先の都道府県別の要求要素の傾向や、現住都道府県毎のメリット・デメリットについても
データを集積しています。活用されたい方、データを用いての客観的な提言を希望される方は
是非ご気軽にご連絡下さい。

【株式会社ふろしきやとは】
株式会社ふろしきやは、自治体・住民・企業・商店・個人事業主が垣根を越えて地域の発展を目指す活動を、マネジメントの側面から支援する「まとめ役」として活動しています。 

会社名   :株式会社ふろしきや
所在地   :東京都江東区亀戸5-6-21 UIW9BLDG 2F
代表取締役 :田村 英彦
設立    :2016年1月6日
事業メニュー:自立型プロジェクト支援
       自治体プロジェクト支援
       商店街再興支援
       地元密着型企業・商店支援
事業内容  :まち、ひと、しごとを基軸にした未来像の設定
       データ、情報分析による現状の可視化
       地域ブランディング要件定義
       プロジェクト実行プロセス設計
       活動組織の構築と推進リード
URL     :http://www.furoshiki-ya.co.jp/

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会社概要

株式会社ふろしきや

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URL
http://www.furoshiki-ya.co.jp
業種
サービス業
本社所在地
長野県千曲市大字寂蒔177-1
電話番号
090-1957-1073
代表者名
田村 英彦
上場
未上場
資本金
300万円
設立
2016年01月