国際NGO のONE、日本政府によるグローバルファンドへの拠出を歓迎

拠出未公表のG7諸国、フランス、ドイツ、イタリア、英国へも追随を訴求

米国ワシントンDC発（2016年5月20日）―世界の貧困対策を求める国際NGOであるONEは、この度日本政府が、エイズ、結核、マラリア対策（以下、三大感染症対策）をリードする国際組織である世界エイズ・結核・マラリア対策基金（以下、グローバルファンド）に対し8億米ドルの拠出を決定したことを歓迎するコメントを発表しました

G7伊勢志摩サミットに世界の首脳が集まる中、日本の安倍首相は、グローバルファンドに対し、今後3年間の資金を調達する第５次増資（2017－19）に向けて日本が8億米ドルを拠出することを決定しました。これは日本円にして11％以上（2013年比）の増額に相当します。800万人以上の命の救済と、3億例の新規感染症防止のため、グローバルファンドでは第5次増資として130億米ドルの調達を目指しています。

2002年以降、G7諸国と欧州連合は合計してグローバルファンドの72％に貢献してきました。

世界で貧困対策を求める国際NGOであるONEは、U2のリードボーカル・ボノらによって2004年に共同設立され、今では世界中に700万人以上のメンバーを有します。今回のグローバルファンドに対する拠出に対して、北米・アジア担当のエグゼキュティブディレクターであるトム・ハートは以下のようにコメントをしています。

「ONEに代わり、日本がグローバルファンドに対して新たなコミットメントを発表し、感染症撲滅においてリーダーシップを発揮することに歓迎の意を表します。グローバルファンド設立契機となったG8九州・沖縄サミット（2000年）以来、日本はグローバルファンドにとって重要な支援者であり、そしてこの度の安倍首相による強力なコミットメントにより、グローバルファンドは2020年末までに800万人の命を救済することができるようになったのです。

9月に開催される第５次増資準備会合に向けて、G７諸国の中で日本は、米国およびカナダに次いで拠出額を公表しました。欧州連合もまた本年3月に27％増に相当する拠出額を発表しています。そしてフランス、ドイツ、イタリア、英国についても増額のコミットメントの発表が待たれています。

最貧国に住む数百万人もの命の救済と、将来に向けたエイズ・結核・マラリア対策は、仏・オランド大統領、独・メルケル首相、伊・レンツィ首相、英・キャメロン首相の手に委ねられています。

サブサハラ・アフリカ地域では、毎週5000人もの若い女性がエイズに感染し、当該地域で感染する若者の約4分の3は女性です。これは決して偶然ではなく、貧困とは性差別の問題でもあります。もし女児や女性の為に多くの投資が行われ、グローバルファンドが今年、第5次増資で目標金額の調達を達成しさえすれば、三大感染症による苦難を終わらせることが可能なのです。

この15年以上、世界では致命病と闘って著しい進歩を遂げてきました。グローバルファンドの多大な支援によって、史上初めて科学者がこれらの感染症を制御するだけでなく、撲滅策を見出すことができるようになったのです。今後数年間は、三大感染症撲滅に向けて非常に重要な時期となります。今年9月にモントリオールで開催されるグローバルファンドの第5次増資準備会合に向けて強いコミットメントを示すことで、三大感染症の削減・撲滅という歴史的なチャンスを各国首脳が手にすることができると考えます。」

ONEについて
ONEは、主にアフリカにおける極度の貧困と予防可能な疾患撲滅のために行動する700万以上ものメンバーによる政策アドボカシー組織です。エイズその他予防可能な疾患と闘い、農業や栄養問題への投資を増やし、貧困対策プログラムの透明性を最大限に高めることができるように、政治的党派に関係なく、国民の意識を高め、政界リーダー達に働きかける活動を行っています。
https://www.one.org/international/

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