ビフィズス菌BifiXが大腸の抗肥満ホルモンGLP-1分泌を促進し抗メタボリックシンドローム効果を発揮することを発見

《日本農芸化学会2015年度大会における研究発表のご報告》

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《日本農芸化学会2015年度大会における研究発表のご報告》

Bifidobacterium animalis ssp. lactis GCL2505株
(ビフィズス菌BifiX)が
大腸の抗肥満ホルモンGLP-1分泌を促進し
抗メタボリックシンドローム効果を発揮することを発見

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江崎グリコ株式会社(本社:大阪市西淀川区歌島4丁目6番5号、代表取締役社長:江崎勝久)は、東海大学医学部古賀泰裕教授との共同研究により、腸管増殖能を有するビフィズス菌Bifidobacterium animalis ssp. lactis GCL2505株 (愛称:ビフィズス菌BifiX)の摂取が、腸内の短鎖脂肪酸*量および消化管ホルモンであるGLP-1*分泌能を上昇させ、抗メタボリックシンドローム効果を発揮することをマウスを用いた試験で確認しました。
これらの結果を、日本農芸化学会2015年度大会(3月27~29日、岡山大学)にて、下記の通り発表いたします。

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<学会開催概要>
会名: 日本農芸化学会2015年度大会
会期: 平成27年3月27日(金)~29日(日) ※発表日は3月27日
          (一般講演・展示会・シンポジウム・ランチョンセミナー・ジュニア農芸化学会等)
会場: 岡山大学 津島キャンパス(〒700-8530 岡山市北区津島中)
演題名1: 腸管増殖能を有するBifidobacterium animalis ssp. lactis GCL2505株の抗メタボリックシンドロー
              ム効果の検証
発表者: ○青木亮1、上門弘平1、滝井寛1、三上友美子1、菅沼名津季1、馬渡隆志2、古賀泰裕3
              ※○は演者
              1. 江崎グリコ株式会社 健康科学研究所 2. グリコ乳業株式会社 商品開発研究所 3. 東海大学 医学部演題名2: 腸管増殖能を有するBifidobacterium animalis ssp. lactis GCL2505株は、消化管の短鎖脂肪酸*量
              およびGLP-1*分泌能を上昇させ、抗メタボリックシンドローム効果を発揮する
発表者: ○上門弘平1、青木亮1、滝井寛1、三上友美子1、菅沼名津季1、馬渡隆志2、古賀泰裕3
              ※○は演者
              1. 江崎グリコ株式会社 健康科学研究所 2. グリコ乳業株式会社 商品開発研究所 3. 東海大学 医学部
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【研究発表概要】

◆研究の目的
メタボリックシンドローム*の増加は、世界的に大きな問題となっています。近年、腸内菌叢と肥満やメタボリックシンドロームとの関係が注目されており、腸内細菌が大腸で作る短鎖脂肪酸*が大腸からの消化管ホルモンのひとつであるGLP-1*分泌を刺激することや(Diabetes, 61: 364-371, 2012)、体内のエネルギー代謝を調節することなどが明らかとなっています(Nat Commun, 4: 1829, 2013)。本研究では、腸管増殖能を有するBifidobacterium animalis ssp. lactis GCL2505株 (愛称:ビフィズス菌BifiX)の抗メタボリックシンドローム効果と作用メカニズムを検証しました。

◆研究方法
高脂肪食を摂取させ肥満を誘導したマウスを、GCL2505株を摂取させるグループ(2505群)、腸管増殖性を持たないBifidobacterium longum JCM1217T株を摂取させるグループ(ロンガム群)、生理食塩水を摂取させるグループ(対照群)の3つに分け(表)、各ビフィズス菌または生理食塩水を7週間経口投与した後、内臓脂肪・大腸のGLP-1・腸内のビフィズス菌の数・腸内の短鎖脂肪酸の量を測定しました。

動物実験のグループ分け
グループ名  : 投与した菌
対照群        : なし
2505群      : Bifidobacterium animalis ssp. lactis GCL2505株
ロンガム群  : Bifidobacterium longum JCM1217T株

◆研究結果
1. GCL2505株の抗メタボリックシンドローム効果
対照群と比べて2505群では内臓脂肪の増加が有意に軽減され、耐糖能においても有意な改善が見られました。一方、ロンガム群では対照群と比べて有意な差が見られませんでした。

2. GCL2505株が消化管ホルモンGLP-1分泌に与える影響
対照群と比べて2505群では大腸および血中のGLP-1濃度の有意な上昇が認められました。一方、ロンガム群では変化が認められませんでした。

3. GCL2505株が腸内環境へ与える影響
腸内のビフィズス菌の数は、2505群のほうがロンガム群よりも有意に高値を示しました。また、対照群と比較して、2505群では腸内の短鎖脂肪酸の量が有意に上昇していました。一方、ロンガム群では短鎖脂肪酸の変化は見られませんでした。
酢酸はビフィズス菌が増殖するときに作られる主要な短鎖脂肪酸であることから、GCL2505株が腸管で増殖することにより、腸内のビフィズス菌および短鎖脂肪酸が増加したと考えられました。

◆結論
肥満モデルマウスに対してBifidobacterium animalis ssp. lactis GCL2505株を投与することにより、以下のことが明らかとなりました
 ・腸内のビフィズス菌および短鎖脂肪酸を増加させる
 ・大腸のGLP-1ホルモン分泌を促進する
 ・抗肥満・抗メタボリックシンドローム効果を発揮する
一方、腸管増殖性を有さないビフィズス菌であるBifidobacterium longum JCM1217T株では短鎖脂肪酸、GLP-1の増加は認められず、抗メタボリックシンドローム効果は確認できませんでした。

以上のことから、Bifidobacterium animalis ssp. lactis GCL2505株 (ビフィズス菌BifiX)は腸内で増殖することにより、抗肥満・抗メタボリックシンドロームを発揮することが示唆されました。

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*メタボリックシンドローム
  内臓脂肪症候群とも呼ばれる。内臓脂肪型肥満を共通の要因として高血糖、脂質異常、高血圧が引き起こされ
  る状態。

*短鎖脂肪酸
  脂肪酸の一部で、炭素数6以下のものを指す。具体的には酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、酪酸、イソ吉
  草酸、吉草酸を指す。大腸内の短鎖脂肪酸は、腸内細菌が食物繊維を分解することにより産生される。短鎖脂
  肪酸の大腸内での生理作用は、腸管バリア機能増強、抗炎症、大腸がん抑制、ぜん動運動刺激、粘液分泌促進
  など多岐にわたる。

*GLP-1 (Glucagon-like peptide-1)
  大腸など消化管から分泌されるホルモンで、食欲抑制・血糖値低下・内臓脂肪の肥大化抑制など、メタボリッ
  クシンドロームに対して抑制的に働く。糖尿病治療薬にも応用されている。大腸のGLP-1は、腸内細菌が作る
  短鎖脂肪酸の刺激により分泌が促進されることが明らかとなっている。

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