難民支援協会が「世界難民の日」特設サイト開設

難民支援協会は、本日6月20日は「世界難民の日」を記念し、難民を知るための特設サイトを開設しました。
http://www.refugee.or.jp/hope/
また、「世界難民の日」に寄せて、難民支援協会(JAR)からのメッセージを発表いたします。

先日、私たちが支援する、あるシリア難民の言葉にはっとさせられました。

「つい最近まで、アラブの国々で起きている紛争・政情不安についてのニュースや、国を追われて途方にくれるエジプト人の映画を見ていました。まさか、そんな深刻な問題が自分の国で起き、自らに降りかかるとは夢にも思いませんでした」

「難民」といっても、人権侵害や紛争などで故郷を追われるまでは、私たちと同じように仕事や家があり、家族との日常があった人々だということをあらためて思い知らされる一言です。

昨日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)より、最新の難民の人数が発表されました。5,950万人。第二次世界大戦後で最多です。危険を承知で地中海に身をゆだねるアフリカ・中東出身の難民、周辺国に拒まれ、海上を何週間も漂流するロヒンギャ難民など、日常を失った人は昨年よりさらに830万人も増えました。国際社会による支援がかつてないほど求められています。

難民の母国を平和にするための取り組みは不可欠です。しかし、それだけで現在の人道危機には対応できません。難民が周辺国のキャンプに留まる年数は平均17年。現実には、経済力のある国々で受け入れていくことが求められています。5年目に突入したシリア紛争は未だ解決の見通しが立たず、これまで、ドイツ2万人、カナダ1万人、オーストラリア5,600人、スウェーデン2,700人といった数でシリア難民の受け入れを約束しています。

一方日本では、国内の難民に関する報道や受け入れの是非が議論される機会こそ増えましたが、実際の保護・受け入れは極めて消極的です。これまで60人以上のシリア人が日本で難民申請をしていますが、難民認定を得たのはわずか3人。先ほど紹介した方も難民認定されていません。シリア人だけでなく、昨年日本で難民申請をした人は5,000人にのぼりましたが、認定されたのはたったの11人でした。

難民申請中の支援は十分になく、多くの方がここ日本で、衣(医)・食・住もままならない厳しい現実に直面しています。私たちが確保しているシェルター(一時宿泊施設)の空きを待つ人は常に30人前後いらっしゃり、日本で路上生活を余儀なくされている難民は少なくありません。日本に来られてよかったね、とは胸を張って言えない状況です。

それでも難民の方はみな口をそろえていいます。日本は平和で安全だと。そんな社会だからこそ、難民の保護や受け入れに関して、もっとできることがあるのではないでしょうか。また、支援が必要ということだけでなく、逆境を乗り越え、逃れた先で功績を挙げる難民が数多くいることにも目を向けたいと思います。政治・ビジネス・スポーツ・音楽など、これまで各界に難民がもたらしたインパクトは計り知れません。

日本で活躍する難民といえば、ハリルホジッチ氏。ボスニア・ヘルツェゴビナ出身のサッカー指導者で今年3月に日本代表監督に就任しました。彼は銃撃戦に巻き込まれて重傷を負い、自宅を焼き払われた経験も持っています。すべてをなげうって逃れたフランスでキャリアを再構築し、現在にいたります。

日本のとある鋳造所に就職したカメルーン出身の難民は、貪欲にものづくり技術の習得に励んでいます。戦力となり、会社全体の変革をも後押ししているそうです。すでに日本でも活躍の事例は多くあり、受け入れ社会次第で、難民の可能性はいくらでもあると感じます。
 
難民支援協会では、難民への支援を呼びかけています。
日本に逃れてきた難民が適切に保護され、尊厳をもって生きられる社会を作るには、まだ長い道のりがあります。一人ひとりのご寄付が、難民の命と未来を救い、社会を変える一歩になります。
また、特設サイトを通じて、多くの人が、難民を知り、考えるきっかけとなることを願っています。
http://www.refugee.or.jp/hope/

この支援の呼びかけを御紙にてお取り上げいただきたく、ご検討をよろしくお願いいたします。

難民支援協会(JAR)
代表理事 石川えり
 
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