アボット薬剤溶出ステントXIENCE V、安全性及び有効性においてTAXUSよりも優位性を実証
~医学専門誌The New England Journal of Medicine掲載 SPIRIT IV試験結果より~
***このプレスリリースは、2010年5月5日(米国現地時間)に米国にて配信したものを翻訳したものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。本資料(英文)についてはhttp://www.abbott.comをご覧ください***
アボット(本社:米国イリノイ州アボットパーク)は、米国の3,690名の患者を対象に2つの薬剤溶出ステントを比較した大規模無作為化試験の1つであるSPIRIT IV試験の結果が、2010年5月5日に発刊されたニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine)に掲載されたことを発表しました。この発表された結果において、アボットの市場をリードするXIENCE Vエベロリムス溶出冠動脈ステントシステム(販売名: XIENCE V 薬剤溶出ステント、以下「XIENCE V/ザイエンスV」と呼ぶ)はTAXUS® Express2(TM) パクリタキセル溶出冠動脈ステントシステム(販売名:TAXUS エクスプレス2 ステント、以下、「TAXUS」と呼ぶ)よりも、ステント留置後1年経過観察時点において心筋梗塞、血行再建術、心臓死等の主要心事故を引き起こしにくいことが示されました。また、SPIRIT IV試験では、XIENCE V留置群とTAXUS留置群との比較において、ステント血栓症発生率を有意に低減することが示されました。これらの結果は2009年9月に行われたTCT(Transcatheter Cardiovascular Therapeutics)でも発表されました。
SPIRIT IV試験では、XIENCE V群はTAXUS群と比較すると、1年経過観察時点において、主要評価項目であるTarget Lesion Failure (TLF)※1 を38%統計的に有意に低減することが示されました(XIENCE V 群 4.2%に対しTAXUS 群 6.8%、 p値= 0.001)。TLFは患者に対する有効性と安全性を評価する複合評価項目として定義されており、心臓死、標的血管起因の心筋梗塞、虚血に基づく標的病変血行再建 (ID-TLR) が含まれます。また、1年経過観察時点での血栓(ステント血栓症)発生率において、XIENCE V群は現在までに報告されているその他の薬剤溶出ステントと比較するとステント血栓症の発生を最も低減することが示されました。(Academic Research Consortium(ARC)定義の Definite/Probable に分類される1年経過観察時点でのステント血栓症発生率は0.29%)
より重症で複雑な動脈疾患を伴う患者を含む糖尿病患者1,100名を対象に行ったサブグループ解析において、1年経過観察時点のTLF発生率はXIENCE V群はTAXUS群と比較すると、数値的には低い傾向が見られました(XIENCE V 群6.4%に対しTAXUS群6.9% 、 p値=0.80)。また、TCT2009でも発表されましたが、糖尿病患者においてXIENCE V群はTAXUS群と比較すると、重要な安全性評価項目であるステント血栓症発生率を40%低減しました(ARC定義のDefinite/Probableステント血栓症発生率 はXIENCE V群0.80%に対しTAXUS群1.33%、p値=0.52)。
現在コロンビア大学メディカルセンター医学部教授であり、ニューヨーク州にある循環器病研究振興財団 (Cardiovascular Research Foundation)の前会長でもあり、SPIRIT IV試験の治験責任医師であるグレッグ・W・ストーン(Gregg W. Stone)教授は「世界で年間300万件に上るステント留置術が実施されている現状を考えますと、さまざまな薬剤溶出ステントの安全性や有効性を評価することは、社会的健康に対しとても意義があることなのです。SPIRIT IVでは約4,000名の患者が参加し、2つの薬剤溶出ステントを比較しましたが、これは現時点において最大規模の無作為化試験となりました。そして試験結果は、エベロリムス溶出ステントはパクリタキセル溶出ステントと比較すると、1年経過観察時点における心筋梗塞、ステント血栓症、血行再建術などの患者へのリスクの発現率を著しく低減することが証明されました。今回の結果や1,800名の患者を対象にオランダで実施されたCOMPARE試験の結果により、エベロリムス溶出ステントは患者に対する安全性と有効性において新しい基準を確立しました。」と述べました。
アボット バスキュラーメディカル アフェアー部門のディビジョナル バイスプレジデントであり、最高医学責任者であり、医師のチャールズ・A・サイモントン(Charles A. Simonton)は、「2010年5月5日にThe New England Journal of Medicineに掲載されたSPIRIT IVのデータにより、XIENCE V薬剤溶出ステントは今後益々世界中の医師に使用されることでしょう。」と述べました。
※1 TLF:標的血管起因の心筋梗塞(Q波および非Q波)、ID-TLR(虚血に基づく標的病変血行再建)、および心臓死の複合評価項目
SPIRIT IVの結果について
XIENCE V群はTAXUS群と比較すると主要評価項目であるTLFを有意に低減することが認められましたが、1年経過観察時点におけるTLR(標的病変血行再建)も46%有意に低減することが示されました(XIENCE V群2.5%に対しTAXUS群4.6%、 p値=0.001)。TLRはSPIRIT IV試験の重要副次的評価項目です。
1年経過時点の治験実施計画書定義によるステント血栓症発生率は、XIENCE V群はTAXUS群よりも80%低減しました(XIENCE V群 0.17 %に対しTAXUS群0.85%、 p値=0.004)。また、1年経過観察時点のARC定義の Definite/Probable に分類されるステント血栓症発生率は、XIENCE V群はTAXUS群と比較して74%低減することが証明されました。(XIENCE V群 0.29% に対しTAXUS群 1.10% 、 p値=0.004)。ARC定義のステント血栓症は、さまざまな薬剤溶出ステントに対する臨床試験においてステント血栓症の定義を統一するために規定されました。
XIENCE V について
XIENCE Vは、冠動脈の狭窄や閉塞を拡げ、エベロリムスを徐々に溶出させてステント留置後の再狭窄を予防する、冠動脈の症候性虚血性心疾患治療用の医療機器です。
XIENCE Vは、現在も市場で最も多く使用されるベアメタルステントであるアボットMULTI-LINK VISION®冠動脈ステントシステム(販売名:MULTI-LINK ビジョン コロナリーステントシステム、以下、「MULTI-LINK VISION®」と呼ぶ)をベースに開発されました。MULTI-LINK VISION®のステントプラットフォームは、優れたデリバリー性能により、ステント操作や病変部の治療が容易に行えるよう設計されています。
アボットは、ボストン・サイエンティフィックに、同一製品をプライベートブランド名称(販売名:PROMUS® 薬剤溶出ステント、以下、「PROMUS」と呼ぶ)として供給しています。
PROMUSは、アボットで設計と製造を行った製品であり、両社間で締結した販売契約の一環としてボストン・サイエンティフィックに供給されています。
エベロリムスはNovartis Pharma AG が開発したmTOR 阻害剤で、増殖シグナルを阻害する作用があります。同剤の薬剤溶出ステントへの使用に関して、アボットは、ノバルティスよりライセンスを受けています。エベロリムスはその細胞増殖抑制作用により、冠動脈ステント内の新生内膜増殖を抑制することが明らかにされています。
XIENCE Vは病変長28mm以下の新規冠動脈病変による冠動脈の症候性虚血性心疾患治療用に開発されました。安全性・有効性などのXIENCE Vの詳細については、http://www.xiencev.jpをご覧下さい。
アボット バスキュラーについて
アボット バスキュラーは、血管系疾患治療分野のリーダーとして世界規模で事業を展開しています。血管穿刺部止血デバイス、頚動脈治療、末梢血管治療、冠動脈治療のための多岐にわたる医療機器を提供しております。詳細については、http://www.abbottvascular.jp(日本) http://www.abbottvascular.com(グローバル)をご覧下さい。
アボットについて
米国イリノイ州シカゴに本拠を置くアボットは、広範囲のヘルスケアに基盤を置く世界的規模の会社であり、グループ総従業員数83,000人を擁し、世界130カ国で営業活動を行っています。その事業内容は医療用医薬品、栄養剤、医療機器、診断薬、診断機器の分野における研究・開発、製造、マーケティングそして販売と多岐にわたっています。日本国内では、従業員 約2,200人が医療用医薬品、栄養剤、医療機器、診断薬、診断機器、ビジョンケア製品の製造開発、ならびに販売とマーケティングに従事しており、東京、福井、千葉に拠点を置いています。アボット ジャパンのプレスリリースは、http://www.abbott.co.jp、アボット本社のプレスリリースは、http://www.abbott.comをご参照ください。
アボット(本社:米国イリノイ州アボットパーク)は、米国の3,690名の患者を対象に2つの薬剤溶出ステントを比較した大規模無作為化試験の1つであるSPIRIT IV試験の結果が、2010年5月5日に発刊されたニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine)に掲載されたことを発表しました。この発表された結果において、アボットの市場をリードするXIENCE Vエベロリムス溶出冠動脈ステントシステム(販売名: XIENCE V 薬剤溶出ステント、以下「XIENCE V/ザイエンスV」と呼ぶ)はTAXUS® Express2(TM) パクリタキセル溶出冠動脈ステントシステム(販売名:TAXUS エクスプレス2 ステント、以下、「TAXUS」と呼ぶ)よりも、ステント留置後1年経過観察時点において心筋梗塞、血行再建術、心臓死等の主要心事故を引き起こしにくいことが示されました。また、SPIRIT IV試験では、XIENCE V留置群とTAXUS留置群との比較において、ステント血栓症発生率を有意に低減することが示されました。これらの結果は2009年9月に行われたTCT(Transcatheter Cardiovascular Therapeutics)でも発表されました。
SPIRIT IV試験では、XIENCE V群はTAXUS群と比較すると、1年経過観察時点において、主要評価項目であるTarget Lesion Failure (TLF)※1 を38%統計的に有意に低減することが示されました(XIENCE V 群 4.2%に対しTAXUS 群 6.8%、 p値= 0.001)。TLFは患者に対する有効性と安全性を評価する複合評価項目として定義されており、心臓死、標的血管起因の心筋梗塞、虚血に基づく標的病変血行再建 (ID-TLR) が含まれます。また、1年経過観察時点での血栓(ステント血栓症)発生率において、XIENCE V群は現在までに報告されているその他の薬剤溶出ステントと比較するとステント血栓症の発生を最も低減することが示されました。(Academic Research Consortium(ARC)定義の Definite/Probable に分類される1年経過観察時点でのステント血栓症発生率は0.29%)
より重症で複雑な動脈疾患を伴う患者を含む糖尿病患者1,100名を対象に行ったサブグループ解析において、1年経過観察時点のTLF発生率はXIENCE V群はTAXUS群と比較すると、数値的には低い傾向が見られました(XIENCE V 群6.4%に対しTAXUS群6.9% 、 p値=0.80)。また、TCT2009でも発表されましたが、糖尿病患者においてXIENCE V群はTAXUS群と比較すると、重要な安全性評価項目であるステント血栓症発生率を40%低減しました(ARC定義のDefinite/Probableステント血栓症発生率 はXIENCE V群0.80%に対しTAXUS群1.33%、p値=0.52)。
現在コロンビア大学メディカルセンター医学部教授であり、ニューヨーク州にある循環器病研究振興財団 (Cardiovascular Research Foundation)の前会長でもあり、SPIRIT IV試験の治験責任医師であるグレッグ・W・ストーン(Gregg W. Stone)教授は「世界で年間300万件に上るステント留置術が実施されている現状を考えますと、さまざまな薬剤溶出ステントの安全性や有効性を評価することは、社会的健康に対しとても意義があることなのです。SPIRIT IVでは約4,000名の患者が参加し、2つの薬剤溶出ステントを比較しましたが、これは現時点において最大規模の無作為化試験となりました。そして試験結果は、エベロリムス溶出ステントはパクリタキセル溶出ステントと比較すると、1年経過観察時点における心筋梗塞、ステント血栓症、血行再建術などの患者へのリスクの発現率を著しく低減することが証明されました。今回の結果や1,800名の患者を対象にオランダで実施されたCOMPARE試験の結果により、エベロリムス溶出ステントは患者に対する安全性と有効性において新しい基準を確立しました。」と述べました。
アボット バスキュラーメディカル アフェアー部門のディビジョナル バイスプレジデントであり、最高医学責任者であり、医師のチャールズ・A・サイモントン(Charles A. Simonton)は、「2010年5月5日にThe New England Journal of Medicineに掲載されたSPIRIT IVのデータにより、XIENCE V薬剤溶出ステントは今後益々世界中の医師に使用されることでしょう。」と述べました。
※1 TLF:標的血管起因の心筋梗塞(Q波および非Q波)、ID-TLR(虚血に基づく標的病変血行再建)、および心臓死の複合評価項目
SPIRIT IVの結果について
XIENCE V群はTAXUS群と比較すると主要評価項目であるTLFを有意に低減することが認められましたが、1年経過観察時点におけるTLR(標的病変血行再建)も46%有意に低減することが示されました(XIENCE V群2.5%に対しTAXUS群4.6%、 p値=0.001)。TLRはSPIRIT IV試験の重要副次的評価項目です。
1年経過時点の治験実施計画書定義によるステント血栓症発生率は、XIENCE V群はTAXUS群よりも80%低減しました(XIENCE V群 0.17 %に対しTAXUS群0.85%、 p値=0.004)。また、1年経過観察時点のARC定義の Definite/Probable に分類されるステント血栓症発生率は、XIENCE V群はTAXUS群と比較して74%低減することが証明されました。(XIENCE V群 0.29% に対しTAXUS群 1.10% 、 p値=0.004)。ARC定義のステント血栓症は、さまざまな薬剤溶出ステントに対する臨床試験においてステント血栓症の定義を統一するために規定されました。
XIENCE V について
XIENCE Vは、冠動脈の狭窄や閉塞を拡げ、エベロリムスを徐々に溶出させてステント留置後の再狭窄を予防する、冠動脈の症候性虚血性心疾患治療用の医療機器です。
XIENCE Vは、現在も市場で最も多く使用されるベアメタルステントであるアボットMULTI-LINK VISION®冠動脈ステントシステム(販売名:MULTI-LINK ビジョン コロナリーステントシステム、以下、「MULTI-LINK VISION®」と呼ぶ)をベースに開発されました。MULTI-LINK VISION®のステントプラットフォームは、優れたデリバリー性能により、ステント操作や病変部の治療が容易に行えるよう設計されています。
アボットは、ボストン・サイエンティフィックに、同一製品をプライベートブランド名称(販売名:PROMUS® 薬剤溶出ステント、以下、「PROMUS」と呼ぶ)として供給しています。
PROMUSは、アボットで設計と製造を行った製品であり、両社間で締結した販売契約の一環としてボストン・サイエンティフィックに供給されています。
エベロリムスはNovartis Pharma AG が開発したmTOR 阻害剤で、増殖シグナルを阻害する作用があります。同剤の薬剤溶出ステントへの使用に関して、アボットは、ノバルティスよりライセンスを受けています。エベロリムスはその細胞増殖抑制作用により、冠動脈ステント内の新生内膜増殖を抑制することが明らかにされています。
XIENCE Vは病変長28mm以下の新規冠動脈病変による冠動脈の症候性虚血性心疾患治療用に開発されました。安全性・有効性などのXIENCE Vの詳細については、http://www.xiencev.jpをご覧下さい。
アボット バスキュラーについて
アボット バスキュラーは、血管系疾患治療分野のリーダーとして世界規模で事業を展開しています。血管穿刺部止血デバイス、頚動脈治療、末梢血管治療、冠動脈治療のための多岐にわたる医療機器を提供しております。詳細については、http://www.abbottvascular.jp(日本) http://www.abbottvascular.com(グローバル)をご覧下さい。
アボットについて
米国イリノイ州シカゴに本拠を置くアボットは、広範囲のヘルスケアに基盤を置く世界的規模の会社であり、グループ総従業員数83,000人を擁し、世界130カ国で営業活動を行っています。その事業内容は医療用医薬品、栄養剤、医療機器、診断薬、診断機器の分野における研究・開発、製造、マーケティングそして販売と多岐にわたっています。日本国内では、従業員 約2,200人が医療用医薬品、栄養剤、医療機器、診断薬、診断機器、ビジョンケア製品の製造開発、ならびに販売とマーケティングに従事しており、東京、福井、千葉に拠点を置いています。アボット ジャパンのプレスリリースは、http://www.abbott.co.jp、アボット本社のプレスリリースは、http://www.abbott.comをご参照ください。
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