【緊急調査】64.6%で切削工具の納期遅延、タングステン高騰で全国の製造現場に影響拡大
タングステン高騰の影響を可視化するため切削工具ユーザー65名の調査結果を公開
2026年より、タングステン高騰を背景に切削工具の納期遅延・受注制限・価格上昇が相次ぎ、全国の製造現場で影響が広がっています。
しかし、業界全体でどれほど深刻なのかを示す定量データが不足しており、対策が後手に回っているのが現状です。
そこで「切削工具の情報サイト タクミセンパイ」は、切削工具ユーザー65名を対象に実態調査を実施し、製造現場の状況を可視化しました。
調査結果サマリ

調査の結果、下記の状況が見えてきました。
・64.6%で切削工具の納期遅延が発生
・29.2%で受注制限・見積辞退が発生
・53.9%が価格転嫁を相談していない
・32.3%が「今後加工できない製品が発生する可能性が高い」と回答
・改善策は「使用工具メーカーの変更」「再研磨の活用」「加工条件の見直し」が上位
・影響は全国で発生し、中小企業で特に深刻
これらの結果は、以下の調査概要および詳細データに基づいています。
「切削工具の調達状況と製造現場への影響」調査概要

「切削工具の調達状況と製造現場への影響」の調査として、切削工具ユーザー65名に下記5つの質問に回答いただきました。
1.切削工具の納期遅延 状況
2.切削工具の受注制限・見積辞退 状況
3.切削工具の価格上昇分について製品価格への転嫁状況
4.切削工具の納期遅延・受注制限・価格上昇を原因とした加工への影響
5.切削工具の納期遅延・受注制限・価格上昇に対する改善
「切削工具の調達状況と製造現場への影響」の調査概要は下記です。
アンケート回収方法:タクミセンパイのWEBアンケートフォーム
アンケート回収期間:2026年4月27日~5月18日
アンケート回答数:65名(回答者は全て切削工具ユーザー)
1.64.6%で切削工具の納期遅延が発生

「切削工具の納期遅延について、体感で構いませんので2026年以降の状況を教えてください。」といった質問で、下記4択から回答いただきました。
-
ごく一部の工具で納期遅延が発生している(1〜9%)
-
一部の工具で納期遅延が発生している(10〜49%)
-
多くの工具で納期遅延が発生している(50%以上)
-
納期遅延は発生していない
調査の結果、64.6%*の切削工具ユーザーで切削工具の「納期遅延が発生」していることがわかりました。(*40.0%+21.5%+3.1%の合計)
2.29.2%で切削工具の受注制限・見積辞退が発生

「切削工具の受注制限・見積辞退について、2026年以降の状況を教えてください。」といった質問で、下記4択から回答いただきました。
-
受注制限と見積辞退の両方が発生した
-
受注制限のみ発生した
-
見積辞退のみ発生した
-
どちらも発生していない
調査の結果、29.2%*の切削工具ユーザーで切削工具の「受注制限もしくは見積辞退が発生」していることが明らかになりました。(*3.1%+20.0%+6.1%の合計)
3.53.9%が切削工具の価格上昇分について価格転嫁を相談していない

「切削工具の価格上昇分について、2026年以降の製品価格への転嫁状況を教えてください。」といった質問で、下記4択から回答いただきました。
-
ほぼ全額転嫁できた/できそう
-
一部のみ転嫁できた/できそう
-
転嫁を相談したが受け入れられなかった
-
転嫁を相談していない
調査の結果、53.9%の切削工具ユーザーは切削工具の価格上昇分について「価格転嫁の相談をしていない」ことがわかりました。
36.9%*の切削工具ユーザーは「価格転嫁済み(一部含む)」であることが確認されました。(*9.2%+27.7%の合計)
4.32.3%が「今後加工できない製品が発生する可能性が高い」と回答

「切削工具の納期遅延・受注制限・価格上昇により、2026年以降で加工できない製品が発生しましたか。」といった質問で、下記3択から回答いただきました。
-
すでに発生している
-
今後発生する可能性が高い
-
発生していない
調査の結果、32.3%の切削工具ユーザーで「今後加工できない製品が発生する可能性が高い」ことが明らかになりました。
5.改善策は「使用工具メーカーの変更」「再研磨の活用」「加工条件の見直し」が上位

「切削工具の納期遅延・受注制限・価格上昇を受け、実施した/検討している改善内容を教えてください。」といった質問で、下記5択から複数回答いただきました。
-
使用工具メーカーの変更
-
工具材種の変更(例:超硬→ハイス)
-
ソリッドタイプからヘッド交換式への変更
-
再研磨の活用
-
加工条件の見直し(切削速度・送り・クーラントなど)
調査の結果、切削工具の納期遅延・受注制限・価格上昇に対する改善策ランキングTOP3は下記となりました。
1位:使用工具メーカーの変更(56.9%)
2位:再研磨の活用(52.3%)
3位:加工条件の見直し(41.5%)
「切削工具の調達状況と製造現場への影響」回答者65名の属性
切削工具の納期遅延・受注制限・価格上昇が特定の業界や地域で発生していないことを確認するため、アンケート回答者(切削工具ユーザー)の属性を確認しています。
アンケート回答者65名の属性がわかる情報として下記5つをまとめています。
・事業所 所在地
・会社規模(社員数)
・部品の1ヶ月あたりの生産数量
・加工に携わっている部品
・普段利用している工作機械
回答者の偏りはなく、幅広い属性の切削工具ユーザーに回答いただいていることが確認できました。
事業所 所在地
全国の切削工具ユーザーがアンケートにご回答いただいています。

会社規模(社員数)
中小企業から大手企業まで幅広い切削工具ユーザーがアンケートにご回答いただいています。

部品の1ヶ月あたりの生産数量
試作から量産まで幅広い切削工具ユーザーがアンケートにご回答いただいています。

加工に携わっている部品
幅広い部品を加工する切削工具ユーザーがアンケートにご回答いただいています。

普段利用している工作機械
幅広い工作機械を使用する切削工具ユーザーがアンケートにご回答いただいています。

今後の見通し
タングステン材料の高騰について、短期的な解決手段が見つかっていません。
今後もタングステン材料の価格上昇または高止まりが続く可能性があり、切削工具の調達難が長期化する恐れがあります。
その結果、加工できない製品が発生するリスクが高まっています。
そのため、製造現場においては、使用工具メーカーの変更、再研磨の活用、加工条件の見直しなどが緊急性の高い取り組みとして進んでいくと考えられます。
また、事業継続のために、切削工具の価格上昇分について価格転嫁する動きも増えていくと予想します。
今回の調査結果は、製造業全体で早急な対策が求められていることを示しています。
タングステン材料と切削工具の関係性
切削工具の中でも、原材料の約90%がタングステンによって構成されている超硬工具が特に影響を受けています。
しかも、超硬工具は切削工具全体の70%以上を占めており、現在製造現場で最も利用されていることから影響の範囲が非常に広いです。
超硬工具の材料であるタングステンの課題について詳しくはこちらで公開しています。
レアメタルであるタングステンの現状、タングステンと超硬工具の関係性についてまとめています。
タクミセンパイについて

「タクミセンパイ」は切削工具と切削加工業界に特化した専門サイトです。
切削工具に関連するユーザー評価ランキング、切削加工業界に関するオリジナル記事を提供しています。
切削工具の情報サイト タクミセンパイ
運営:服部成治
WEBサイト:https://takumi-senpai.com/
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
- 種類
- 調査レポート
- ビジネスカテゴリ
- 鉄鋼・金属・ガラス・土石・ゴム環境・エコ・リサイクル
- ダウンロード
