実は、ビジネスマンも危ない!? 「スマホ依存症」
トイレにもスマホを…、 着信ないのに振動を錯覚? モバイル所有率100%、スマホ率90%・マーケティング実務家160名のスマホ行動を専門家が分析 !
スマホを片時も手放せない“スマホ依存症”は、中高生の問題としてよく話題になりますが、実は社会人にも多いのではないか? “大の大人のビジネスマンのスマホ依存症”について、探ってみた結果です。
(※調査期間:2014年9月2日~9月30日/調査方法:セミナー会場およびウェブからの回答)
Q1.現在所有しているモバイル通信機器は?(複数回答)
現所有のモバイル機器を見ると、スマホが約9割を占める。次いでガラケーが4割、タブレットも3割いる。大和総研が各種調査データを総合し、最も実態に近いだろうとして発表しているスマホ普及率は4割である。MCEIの参加者の大多数を占める20〜50代でみると6割になる。
一方タブレットを見ると、大和総研のデータでは1割に過ぎないがMCEIでは3割を超えており、マーケティング実務家のIT武装はかなり高いレベルにあることがわかる。
Q2.所有するモバイル通信機器のうち、最もよく使うものは?
所有モバイル機器のうち、日常もっともよく使用する機器は圧倒的に「スマホ」で9割に達する。
Q3.「もっともよく使う機器」について、当てはまる行動は? (複数回答)
モバイル機器との付き合い方を見てみると、圧倒的に多いのは「わからないことはすぐスマホなどで調べる」で8割。
次いで「スマホなどを忘れた日はとても不安になる」6割となり、この2項目が5割を超えた。
次いで「電車の乗り換え時でもスマホなどを見ている」44%、「着信していないのにスマホが振動した錯覚に陥る」39%、「目が覚めて寝転がったままニュースやSNSをチェックする」27%、「トイレの中にもスマホなどを持っていく」25%、モバイル機器がまさしく「肌身離さぬ存在」になっている様子が窺える。
一方で、「電話をするよりメールの方が意思が伝わる」6%、「SNSに書き込むネタをつくるために行動することがある」5%、「友達と一緒でもずっとスマホを見ている」1.9%、「もし、SNSがなかったら人間関係がなくなると感じる」1.9%、など、「モバイル機器と人間関係」に関わる項目に関しての反応は低く、世の中で話題になっている若者の
「ネットとリアル」の混同、あるいは逆転といった状況は実務家には見られない。
しかし、該当者は少ないものの、「電車の乗り換え時でもスマホなどを見ている」、「会議中、宴会中でも気になり、スマホなどを見てしまう」、「自転車に乗りながらスマホなどを見ている」など、危険行為、迷惑行為に繋がる行為を行っている人も存在している。
◆問題行動の回答数による診断結果(MCEIによる独自分析)
Q3への回答項目数別に依存レベルを5段階で診断した。
レベル1. 0個---問題なし
レベル2. 1~5個---依存症予備軍
レベル3. 6~10個---軽傷
レベル4. 11~15個---重症
レベル5. 16個以上---依存症
モバイル機器の依存度を独自に判定すると、最も多かったのは「スマホ依存症予備軍」で67%。 次いで「軽症」22%、「問題なし」10%、「重症」は1%にすぎなかった。これだけ普及が進んでいるモバイル機器、モバイル機器があることを前提とした現代社会ではこの結果はある種仕方ない、当然の結果と言えるかもしれない。
今回は独自の視点で項目を選定し、単純にチェックの個数で判定するという簡易的なチェックとなった。また、今や実務家にとってモバイル機器はビジネスに深く関わるものとなっているため、「すぐ調べる」「忘れると困る」「つながらないと困る」 「電池が切れると困る」などの項目は実務家の仕事スタイルとして許容の範囲と言えるかもしれない。
「ネット依存」というと、家にひきこもっているような病的なイメージが先行するかもしれないが、医療機関、専門機関などが実施しているネット依存調査やその判定を見ると、理由はどうあれ、「電車の中や職場で絶えずモバイル機器を操作している人も予備軍」との見方が一般的であり、これが恒常化することで「常に誰かとつながっていたい」「メールをチェックしないと落ち着かない」という状態が強まり、依存症になるとされている。
その意味でいくと、今回の項目で「握ったまま寝てしまう」、「スマホを忘れてしまった日はとても不安になる」
「トイレにもスマホなどを持っていく」、「TPOに関わらず無意識にタッチパネルに触っている」に◯がついた人はそれがたった1つの◯でもかなりの注意が必要だといえよう。
また、今回の調査対象者はほとんどが「予備軍、軽症」であったが、上記の観点からいくと、仕事上の必要性があるとはいえ、 「意識して操作する/意識して操作しない」などモバイル機器との意志的な付き合い方を心がけ、依存症への進行を回避する、注意が必要と言えるかもしれない。
◆集計結果に関する専門家の分析コメント
前記の独自診断とは別に、「専門家の視点からの分析」として、臨床心理士の伊藤厚子氏*から、コメントをいただいた。
*伊藤厚子氏 筑波大学心理学専攻卒 臨床心理士
東京理科大学学生相談室専門相談員・カウンセリングルーム「メンタルサポートアレーズ」代表 官公庁・民間企業等のセミナー講師を多く手がける。
「ネット依存」に関してはアメリカ精神医学会が定める診断基準の最新版に医学的知見が蓄積された段階で
追加されるべき診断名として盛り込まれている。
◆「依存症」とは、健康や日常生活、コミュニケーションに支障をきたすにもかかわらずやめられない状態である。
◆1番多かったNo.1「分からないことはすぐスマホで調べる」は調査対象者の使用目的として「調べものに使う」が上位に来ることを示している。簡単にすぐに答えを得ることに慣れてしまった今の時代、当然の結果。
◆危険度の高い項目
以下の項目に1つでも◯がついた人は「予備軍」
・食事中にスマホ(携帯、タブレットPC、PHS等)を見ていることが多い」
・友達と一緒にいてもずっとスマホ(携帯、タブレットPC、PHS等)を見ている」
・会議や宴会中などでもSNSが気になり、スマホ(携帯、タブレットPC、PHS等)を見てしまう」
・もしSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)がなかったら、人間関係がなくなると感じる」
・SNSに書き込むネタを作るために行動することがある」
・自転車に乗りながらスマホ(携帯電話、タブレット、PHS等)を見ている」
・TPOに関わらず、無意識にタッチパネルを触っている」
◆最も危険度の高い項目
上記7つの予備軍設問と併せて以下の項目にもチェックのついた人はさらに依存症に向かって歩を進めていると判定される。
・電車の乗り換えの時もスマホ(携帯、タブレットPC、PHS等)を見ている
・トイレの中にもスマホ(携帯、タブレットPC、PHS等)を持っていく
・スマホ(携帯、タブレットPC、PHS等)を握ったまま眠ってしまうことがある
・財布を忘れていても、スマホ(携帯、タブレットPC、PHS等)だけを持っていることがある
◆既に心身症状が現れている高い項目
・着信していないのに、スマホ(携帯、タブレットPC、PHS等)が振動した錯覚に陥る
これは俗にいう“ファントム・バイブレーション・シンドローム”と呼ばれる錯覚現象であり、緊張状態にある時や心が不安定な時に起こりやすいので注意が必要である。
◆チェックを入れた理由で判断が分かれる項目
以下の項目は、「どういう理由でチェックをつけたのか」によって予備軍か否かがわかれる。
・スマホ(携帯、タブレットPC、PHS等)を忘れてしまった日はとても不安になる」
◯単純に「困るから」であればNo.1の結果と関連して予想されることであり、大きな問題ではない。
×「SNS等のコミュニケーションやゲームができないことからくる不安」であれば「ネット依存」傾向にあるといえる。
SNSはすぐに反応が返ってきたり、「いいね」の数が増えたり、リツイートされることで承認欲求が満たされるため没頭しやすい。また暇な時間には動画やブログを眺めている人も同様で、自分が発信しなくても眺めているだけで参加している気分になれるので、ネットの向こうの人とのつながりよりも眼前の人との直接コミュニケーションを疎かにしないように心掛けなければならない。
メンタルサポート アレーズ 伊藤厚子(臨床心理士)
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