SpringerとChemical Abstracts Serviceが化学研究の加速をめざして提携

実験項情報追加でより的確な決定がより迅速に

化学情報協会は、米 Chemical Abstracts Service（CAS）が発表したプレスリリースを受けて、国内向けに次のとおり、お知らせいたします。米 CAS の発表情報は下記をご覧ください。
http://www.cas.org/news/media-releases/springer-and-cas-collaborate

（オハイオ州コロンバス発、2013年3月28日）－化学情報の世界的権威である Chemical Abstracts Service（CAS）が Springer 社と提携、Springer の雑誌に掲載された新しい化学反応に関わる数千の実験項を CAS データベースに収録。1985 年以降現在まで Springer の化学雑誌 165 誌に掲載された、実験項を含む論文の認知度が高まります。

Springer の雑誌論文から収録された実験項は研究者が検索結果を評価する上で重要な情報です。CAS データベースの検索ツールである SciFinder を利用すれば、これらの情報から研究において重要な論文を迅速に見つけ出すことができます。

CAS は SciFinder を通じて、6200 万件以上の一段階および多段階反応・合成反応に加え、それらに関連する実験項へのアクセスを提供しています。CAS の情報の収録源は、著名出版社の発行雑誌および主要特許発行機関の特許です。全世界の化学刊行物が研究にとって重要であることを CAS は早くから認識しており、2013 年も引き続き重要なコンテンツを追加する予定です。

Springer の権利・許諾・ライセンス部の Berendina van Straalen 部長は「Springer の実験項が SciFinder を通じてアクセスできるのは喜ばしいことです。これで研究者は実験室で有用な Springer の論文を簡単に見つけることができるようになります」と語っています。

CAS のマーケティング部門の最高責任者の Christine McCue はこれに加え「CAS は最も権威ある化学情報を網羅的に提供することを使命としています。定評ある Springer の雑誌由来の実験項の追加は、他の著名出版社や特許発行機関から既に得られている多数の実験項を補完し、この情報によって、SciFinder を利用する研究者は望ましい合成法を見つけることが容易になります。これは原報を探すのと同様に、研究サイクルに欠かせないものです」と述べています。

 

▼CAS について
米国化学会（American Chemical Society）の情報部門である Chemical Abstracts Service（CAS）は、化学情報の権威として世界に知られています。CAS は、化学物質に関する世界の公開情報すべてを収集し組織化することを目的としている世界で唯一の機関です。CAS に所属する科学者が構築と品質管理を行っている CAS データベースは、最も網羅的で信頼性のあるものとして世界中の機関に認められています。CAS はこれらデータベースを最新の検索・解析技術と組み合わせた SciFinder や STN の各製品・サービスなどを通じて、科学的な発見をサポートする最新かつ網羅的なデジタル情報環境を提供しています。
▽詳しくは http://www.cas.org をご覧ください。

▼Springer Science+Business Media について　
Springer Science+Business Media（http://www.springer.com）は世界トップレベルの科学出版社として、先進的な情報製品・サービスを通じて質の高いコンテンツを大学や企業の研究者に提供しています。Springer はヨーロッパ（特にドイツとオランダ）において、主に医学・自動車・輸送・保健医療分野の刊行物でも定評を得ています。同社は毎年約 2500 の雑誌と 7000 以上の新刊書を発行しており、科学・技術・医学分野での世界最大の電子ブックコレクションと最も広範囲のオープンアクセスジャーナルを提供しています。Springer の従業員は全世界で 7000 人を超え、2011 年の売上は約 8 億 7500 ユーロに上ります。

▼SciFinderについて
SciFinder は、化学者を中心とする科学者向けの優れた研究ツールであり、科学者が生産性を上げ、新しい発見を加速するために必要不可欠なコンテンツと機能を提供しています。
▽詳しくは http://www.jaici.or.jp/sci/SCIFINDER/index.html をご覧ください。

【化学情報協会（略称：JAICI）について】
化学情報協会（所在地：東京都文京区） は、化学技術情報の流通を図るため 1971 年に設立されました。米国をはじめ世界各国の情報機関などと協力関係を築き、日本の研究者をサポートする情報センターとして、大学・企業などの情報取得・分析から研究・開発までを支援しています。
▽詳しくは http://www.jaici.or.jp をご覧ください。