『美術手帖』9月号は戦後70年企画と、嵐・大野智の個展「FREESTYLEⅡ」の特集
『美術手帖』9月号の特集は「絵描きと戦争」。戦後70年を迎える今年、当時の作家たちが描き、戦後アメリカに渡り美術史の中で長く空白となっていた戦争画を中心に、アーティストとともに表現と戦争のかかわりを考える。
戦時中に描かれた「戦争画」を扱う特集は、『美術手帖』では1977年の「戦争と美術 戦争画の史的土壌」以来。戦後アメリカに渡り、1970年に日本に戻ってきた戦争画153点を中心に、“戦争を描いた美術”に向き合う。
巻頭では、マンガ家・今日マチ子×美術批評家・椹木野衣、アーティスト・Mr×防衛省防衛研究所・相澤淳の2つの対話を掲載。それぞれが、いま戦争を描くことのリアリティーについて語る。また、戦争画をテーマにした新作を制作中の小沢剛とともに東京国立近代美術館で開催中の「誰がためにたたかう?」展(〜9月13日)を見に行く企画では、「戦争画」とはどのような絵なのかを考える。戦争画評論のはじまりで、その後の研究の起点となった論考「フジタよ あなたは……」(『美術手帖』1972年3月号掲載)を書いた、菊畑茂久馬のインタビューも収録する。
さらに向井潤吉、宮本三郎、藤田嗣治の3名の戦争画家に焦点を当てた記事では、戦争という圧倒的な主題に彼らはどう向き合ったのか、戦争体験は彼らに何を与えたのか、戦前、戦中、戦後の作品と言葉から、表現の連なりを見ていく。1956年の『週刊サンケイ』に掲載された向井や宮本をはじめとする画家たちの座談会、「僕らは従軍画家だった」の再録記事の、リアルな声とあわせて読みたい。
【特集内容】
・対談:今日マチ子×椹木野衣「弱さの象徴ではなく立ち向かう少女へ」
・対談:Mr.×相澤淳「私たちにとって戦争のリアリティーとは?」
・小沢剛さんと東京国立近代美術館へ。「戦争画」とはどんな絵か?
・「戦争画」の基礎知識
・インタビュー:菊畑茂久馬「目覚めよフジタ」
・3人の絵描きの絵と言葉:向井潤吉、宮本三郎、藤田嗣治
・再録座談会:向井潤吉×宮本三郎×中村研一×栗原信「僕等は従軍画家だった」
ほか
【第2特集内容】
大野智の第2弾となる展覧会「FREESTYLEⅡ」を16ページで特集。2008年の初個展から7年。現在、東京・表参道で開催中の「FREESTYLEⅡ」展(〜8月23日。2016年3月より大阪に巡回)にあわせ、作品ビジュアルとインタビューを掲載。前回の個展からの変化、作品制作過程などを語る。また、2009年にテレビ番組で対談して以来交流があり、大野の制作に影響を与えたアーティスト・奈良美智のインタビューも収録。初めて描いた油絵、犬を描いた2メートルを超える連作など、出品作について聞いている。
————————————————————————
美術手帖9月号 8月17日発売
定価 1600円+税
発行元 美術出版社
美術手帖公式サイト http://www.bijutsu.co.jp/bt/
Amazonサイト http://amzn.to/1TevVuM
すべての画像