第二の人生に関する調査

「旅行」がしたかったのに、増えたのは自宅で過ごす時間 理想と現実のギャップ、埋めるカギは「事前準備」

株式会社ゆこゆこ

 シニア向け宿泊予約サービスを提供する株式会社ゆこゆこ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:萩原浩二)
は、当社運営の宿泊予約サイト「ゆこゆこネット」の50代以上のメールマガジン会員2,338人を対象に、「第二の人
生」に関する調査を実施しました。

<調査結果ダイジェスト>
1.第二の人生の始まる時期について
・60代の7割強が「第二の人生始まっている」と回答。
・男性は「自身の定年退職」、女性は「夫の定年退職」「子供の独立」が人生のターニングポイントに。
2.第二の人生で必要なお金
・ひと月あたり「20万円~30万円未満」、貯金額「2,000万円~3,000万円」が最多。
3.第二の人生の理想と現実について
・第二の人生では「配偶者」と一緒の時間が想定以上に増加。
・「旅行」の時間を増やしたかったのに、現実は「家の手入れ」「テレビを見る」等の自宅での時間増。
4.第二の人生における準備と満足度の相関
・「新しい趣味」「配偶者との話し合い」「お金を貯める」…4割弱が何らかの事前準備をしている。
・特に男性において、準備をした人ほど第二の人生の満足度が高い傾向。
■有識者の考察
「第二の人生」は男性中心の概念:予想と実際とのギャップを埋める部分に商機あり
(東北大学 特任教授・村田アソシエイツ代表 /村田裕之氏)

<調査概要>
調査期間:2015年3月10日~3月15日
調査対象:50代以上のゆこゆこネットメールマガジン会員
調査方法:メールマガジン会員向けインターネット調査
有効回答数:2,338 件
-男性:1, 854名(50代:503名、60代:963名、70代以上:388名)
-女性:484名(50代:296名、60代:160名、70代以上:28名)

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調査結果
1.第二の人生が始まる時期
60代の7割強が「第二の人生は始まっている」と回答。男性は「自身の定年退職」、
女性は「夫の定年退職」「子供の独立」がターニングポイントに。

 

【第二の人生が始まっているかどうか】について聞いたところ、「始まっている」と回答したのは、50代28.7%、 60代78.6%、70代以上92.5%と、年代差が見られました。

 

【第二の人生が始まる時期】について聞いたところ、全体で最も多かったのは「仕事を定年退職したとき」の76.3%でした。男女差が見られたのは、「仕事を定年退職したとき」(男性82.8%、女性51.4%)、「配偶者が定年退職したとき」(男性5.2%、女性33.5%)、「子供が結婚したとき」(男性11.3%、女性24.8%)、「子供が社会人になったとき」(男性11.2%、女性24.0%)でした。男性にとっては「自身の定年退職」、女性にとっては「夫の定年退職」「子供の独立」がそれぞれ人生のターニングポイントになっていることがうかがえます。



2.第二の人生で必要なお金
ひと月あたり「20万円~30万円未満」、貯金額「2,000万円~3,000万円未満」が
最多。

 

【第二の人生で一ヶ月間に必要にお金】について聞いたところ、全体で最も多かったのは「20万円~30万円未満」37.9%でした。
 

【第二の人生で必要だと思われる理想の貯金額】について聞いたところ、全体で最も多かったのは「2,000万円~3,000万円未満」22.1%でした。



3.第二の人生の理想と現実
第二の人生では「配偶者」と一緒の時間が想定以上に増加。「旅行」の時間を増やしたいのに、現実は「家の手入れ」「テレビを見る」等の自宅時間増える。


※ここでは「1.第二の人生が始まる時期」で第二の人生が「始まっていない」「どちらともいえない」と回答した人を「第二の人生が始まっていない人」としています
※ここでは、第二の人生がまだ始まっていない人を【理想】、第二の人生が始まっている人を【現実】と表しています
 

まだ第二の人生が始まっていない人(=【理想】)に【第二の人生で過ごす時間を増やしたい相手】について聞いたところ、全体で最も多かったのは「配偶者」の68.3%でした。実際、第二の人生が始まった人(=【現実】)の79.2%が「配偶者との時間が増えた」としており、想定以上に増えていることがわかります。女性は、第二の人生が始まっていない人(=【理想】)の53.9%が「友人、知人」との時間を増やしたいと答えるも、実際増えたのは32.5%にとどまっており、第二の人生の過ごし方の【理想】と【現実】のギャップが見受けられます。

 

まだ第二の人生が始まっていない人(=【理想】)に【第二の人生で増やしたい時間】について聞いたところ、全体で最も多かったのは「国内旅行」の79.2%でした。実際、増えたとしているのは第二の人生が始まった人(=【現実】)の67.4%で、希望していたほど国内旅行をしていないことがわかります。「海外旅行」にも同様の【理想】と【現実】のギャップが見られます。一方、「家の手入れ」「テレビを見る」などの自宅での時間や「何もしない時間」は、想定以上に増えています。



4.第二の人生における準備と満足度の相関
「新しい趣味」「配偶者との話し合い」「お金を貯める」…4割弱が何らかの事前準備。特に男性において、準備をした人ほど第二の人生の満足度が高い傾向。

 
 

第二の人生が始まっている人に【第二の人生を始めるにあたっての準備】について聞いたところ、「準備した」と回答したのは全体の35.3%でした。男女別にみると、男性36.9%、女性27.0%と、男性の方がより準備をしていることがわかりました。
 

第二の人生を始めるにあたって準備した人に【準備したこと】について聞いたところ、全体で最も多かったのは「新しい趣味を始めた」の36.4%でした。「趣味」について具体的に聞いたところ、多かったのは「家庭菜園」「パソコン」「ゴルフ」「写真」などでした。
男性に多くみられたのは「地域の活動に参加するようになった」「車を購入した」でした。また、女性に多くみられたのは「配偶者と話し合った」「家を新築した/購入した」「引っ越しをした」でした。
また、「その他」としては、「保険の見直し」「生活設計」「家の片付け」「遺言書の作成」「語学の勉強」などがあがりました。
 

第二の人生を始める準備をした人・しなかった人の両方に【第二の人生に対する満足度】を聞いたところ、準備をした人ほど第二の人生への満足度が高いことがわかりました。特に男性にその傾向が見られました。


<事前準備が満足度を決める?「第二の人生」エピソード集>
「「第二の人生を始める準備をした」×「第二の人生に満足している」
温泉付きのマンションに引っ越したため、朝から温泉に入りビールを飲む機会が増えた。(男性60代)
いつまでも健康でいられるように、毎日一万歩程度のウォーキングを行うようにしている。50歳の時大きな病気をしたため、健康第一を痛感。(男性60代)
退職するときに、家・リフォーム・車ローンが残っていないようにした。仕事のストレスがなく、好きな時にドライブや旅行ができるのがよい。(男性60代)
主要国制覇の海外旅行計画をまとめた。計画どおり制覇できている。(女性60代)
30年以上働き、年金・退職金などで家を直したり第二の人生の資金作りができたりしたのは、夫婦で働いたこととある程度健康でいられたお陰だと思う。バブルがはじけて計画が狂ったが、元気に過ごせて旅行も行けることに感謝しつつ、毎日を楽しんでいる。(女性60代)
今まで、キャンピングトレーラー、キャンプに行く土地、マウンテンバイク等少しずつ揃えて準備してきたお蔭で今は時間もあり楽しんでいる。仕事を辞めてから、高額な買い物はなるべく控えている。(女性60代)
「第二の人生を始める準備をしなかった(どちらともいえない)」×「第二の人生に満足していない」
定年直後一年間何もしないでゆっくりしたいと思ったが、せいぜい3ヶ月が限度だった。ハローワーク通いをし、現在仕事に従事している。(男性60代)
暇な時間が多いが、やりたいことをできるお金や環境がない。今、元気な老人は多い。日本はこの力をもっと活用すべきだ。ただし長時間はきつく、病院通いの種にならない範囲でアルバイトや責任の軽い仕事があれば、自分の得意な事を選べて生きがいになるし、少しでもお金になれば生活保護費を何とかならないかと考えなくても済むかもしれない。なにか良いことはないかと模索している。(男性60代)
時間が自由になると思っていたが、自由ゆえに、例えば絵画等の時間を取らず、もっと楽なTVを見る等の目的のないただの時間つぶしになっている。 もっと自覚して自分を強制しないとできないものだと思った。(男性70代以上)
自由になると思っていたら親の介護がやってきて、当初思っていたのと違ってきた。(女性50代)
有意義な日々を過ごしたい。ただその為の準備が不足している気がする。特に必要と思うのはいっしょに過ごしてくれる友人。主人との生活は満足しているが、主人がいなくなった後を思うと不安。 (女性60代)
現役で忙しくしていた時は友達と結構遊びに行けたのに、配偶者がリタイアして家にいるようになってから付き合ってくれなくなった。(女性70代以上)

【参考】
「第二の人生」は男性中心の概念:予想と実際とのギャップを埋める部分に商機あり
東北大学特任教授・村田アソシエイツ代表 / 村田 裕之氏


まず興味深いのは、第二の人生の捉え方や消費行動に男女の違いが見られることだ。「どのようなときに『第二の人生』が始まると思いますか」という設問に対して「仕事を定年退職したとき」と答えた割合は男性82.8%に対して女性51.4%で、圧倒的に男性の割合が大きい。また、「配偶者が定年退職したとき」と答えた割合は男性5.2%に対して女性33.5%となっている。これより「第二の人生」という概念は、主たる家計を支える男性中心のものであることがよくわかる。一方、「子供が結婚したとき」と答えた割合は男性11.3%、女性24.8%、「子供が社会人になったとき」と答えた割合は男性11.2%、女性24.0%で、いずれも女性が男性の2倍以上の割合となっている。
これらより、男性や仕事に就いている女性にとっての第二の人生は「仕事からの手離れ」で始まるのに対して、主婦にとっての第二の人生は「子供からの手離れ」で始まることがわかる。したがって、第二の人生をきっかけとする商品・サービスをマーケティングする場合、仕事中心生活を送っている人に対しては、その人の誕生日前後が重要なターゲット期間となる。一方、主婦に対しては、その人の子供のライフステージの変化(就職、結婚など)のタイミングが重要なターゲットとなる。何らかの方法でこれらの情報を入手することが肝要だ。
次に興味深いのは、第二の人生が「まだ始まっていない人」と「すでに始まっている人」とで生活意識に大きなギャップが見られることだ。
たとえば、「第二の人生」で増やしたい(あるいは増えた)時間を両者に尋ねた場合、「国内旅行」ではそれぞれ79.2%、67.4%、「海外旅行」ではそれぞれ32.7%、18.6%となっている。退職前には「退職したら思い切り旅行に行こう」と考えていても、実際にはそうならない人がかなりの割合存在することがわかる。
一方、「家の手入れ」ではそれぞれ14.1%、23.9%、「何もしない」ではそれぞれ12.2%、20.1%、「テレビを見る」ではそれぞれ4.3%、33.4%となっている。退職前の予想に反し、退職後に家にいる時間が増える割合が多いことがわかる。特に「テレビを見る」時間が増えているのは、家にいる場合の最も手軽な時間つぶしになるためだ。しかし、長時間のテレビ視聴は、大脳の前頭前野を不活性化する時間が長くなり、認知症のリスクが上がるため、本来望ましくない。
また、「第二の人生で過ごす時間を増やしたい相手」を尋ねた場合、「友人・知人」の割合が、第二の人生が「まだ始まっていない人」と「すでに始まっている人」とでは、それぞれ53.9%、32.5%と特に女性で大きな差が見られる。この理由として、退職後には、退職前に予想しなかった病気や身体の衰えで、外出機会が減っているものと考えられる。長年続けていた仕事をやめると生活のリズムがなくなり、気持ちの張りが薄れ、健康を損ないやすくなるためだ。
これらを考慮すると、第二の人生商品・サービス開発においては、従来の旅行商品などに加えて、在宅でも長時間テレビを視聴する以外の、有意義な時間の過ごし方が可能な「コト消費型」商品・サービスの開発余地が大きいと考えられる。
また、退職前に想定していたことを退職後に確実に実行するために、体力の維持向上が必要となる。そのための有酸素運動や筋力トレーニングを退職前から習慣づけることが重要であり、そうした運動プログラムの利用を促進するインセンティブ制度の導入・告知が有効となろう。
 

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