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「インバウンド市場はこれからどうなる?」マーケティング実務家の実感 

中国経済の先行きを危ぶむ声が聞こえる一方、いよいよ来週の8日に春節が迫った。そんな中、マーケティングの実務家によるインバウンド「実感」アンケート調査をご案内。

MCEI東京支部

マーケティングの実務家による国際組織=MCEI*(Marketing Communications Executives International)の東京支部(NPO:特定非営利活動法人、東京都千代田区麹町3-10-6)は、MCEI東京・大阪支部の会員を対象に、「インバウンド『実感』アンケート」を実施。154名の回答を得て、その集計結果をまとめました。
 急増する訪日外国人観光客。2015年の訪日客数(推計値)は、対前年比で47%増の1973万人となり過去最高を更新。旅行消費額も前年比71.5%増の3兆4771億円に達しています。これからの日本経済を牽引するとの期待もあるインバウンド市場は、果たしてこれからどうなるのか? 日頃の業務・ビジネスの中での取り組みはどの程度進んでいるのか、マーケターたちの実感をご紹介します。
併せて、昨年MCEIで二度に渡りご講演頂き、インバウンド需要の発展に尽力されているジャパンショッピングツーリズム協会の新津専務理事からのコメントもご紹介します。
(※調査期間:2015年9月24日~11月30日/調査方法:セミナー会場およびウェブからの回答)
世界に国際支部を持つマーケティング実務家のNPO組織であるMCEI東京、大阪はインバウンド市場に関する実感アンケート調査を行い、154名から回答が寄せられた。


【要約】マーケティング実務家の実感 「インバウンド市場はこれからどうなる?」

 ◆「訪日外国人客に声をかけられた・声をかけた経験がある」人は77%だが、外国語で対応できたのは19%。現役マーケターも、79%は「身振り手振りで対応」しているのが実態。

◆「訪日外国人客に利便性を提供するために対応が急務と思われること」は、「無料公衆無線LAN」55%、「コミュニケーション」48%、「目的地までの経路情報の入手」40%、「公共交通の利用方法・利用料金」34%が上位を占め、情報へのアクセスをサポートするインフラ構築が急務と認識されている。

◆99%のマーケターが、「インバウンド市場の拡大は日本経済にとって重要なテーマ」と考えている。しかし、「自らの所属する業界にとって重要」との回答はやや下がって87%となり、業種別でも若干の濃淡が見られる。

◆すでに社内でインバウンド対応を行っているとの回答が37%(内訳:組織がある=11%、プロジェクトで活動している=26%) であった。一方、これからインバウンド対応の組織設置を予定・検討中であるとの回答が24%(内訳=検討中」21%、設置予定=3%)であった。訪日外国人観光客急増のスピードに、企業側のインバウンド対応が必ずしも追いついていない状況がうかがわれる。

◆「インバウンド市場の拡大はいつまで続くか?」は度々話題になるところだが、マーケターの実感では「東京オリンピック以降も続く」が45%、「東京オリンピックまでは続く」が42%、とほぼ拮抗。

◆一方で、「中国・アジアからの観光客を中心とした大量購入(通商”爆買い”)はいつまで続くか?」の設問に対しては、「ここ2~3年がピーク」が45%とトップであった。インバウンド市場自体は今後も継続していくが、爆買の嵐は永続せず、為替レートや中国経済の浮沈に左右され、また観光の目的がショッピングから文化・自然・風土などへシフトするツーリズムの成熟化により、インバウンド市場の質は変化していくと見ていることがうかがえる。

◆また以下の設問(フリーアンサー方式)に対する回答を、カテゴリー分類し、収録した。
「訪日外国人客にとって魅力的と思われるコンテンツやイベント」
「長く訪日外国人客の増加を維持していくために大切なこと」
「インバウンド市場拡大の恩恵が、都市部だけでなく地方まで波及していくために大切なこと」

 

 

「訪日外国人客に声をかけられた・声をかけたこと」経験については、「何度もある」「数回ある」
「1~2回ある」を合わせると77%となり、訪日外国人との接触は当たり前のことになりつつあることが
わかる。しかし、その際の対応については、「かたことで対応」「身振り手振りで対応」という人が79%
とほとんどを占め、企業の最前線で活躍するマーケティングの実務家もコミュニケーションの面では
まだまだ課題がありそうである。

 

「訪日外国人客が不満・不便を感じること(上位3つまでを回答)」という問いには、「無料公衆無線LAN」55%、「コミュニケーション」48%、「目的地までの経路情報の入手」40%、「公共交通の利用方法。利用料金」34%といった項目が上位を占めた。必要な情報へのスムーズなアクセスを保証するために、ハード(無線LAN等のインフラ環境)とソフト(言語・サイン・コミュニケーション等)の両面にわたるインフラ構築が急務と認識されている。なお、これらの回答は、下の観光庁による「外国人旅行者の日本の受入環境に対する不便・不満」とほぼ一致する結果となっている。
参考先リンク: http://www.mlit.go.jp/common/000205584.pdf

 

「インバウンド市場の拡大は日本経済にとって重要なテーマか?」の設問には、99%が「そう思う」「ややそう思う」と回答しており、総論としては重要テーマと捉えられている。一方で「あなたの業界にとっては・・・」となると、「そう思う」「ややそう思う」は87%に減少し、業種別でもやや濃淡が見られる状況であった。

 「インバウンド対応の組織やプロジェクト」について聞いてみると、「組織がある」は、わずか11%と少なく、「プロジェクトで活動」の26%を含めても、すでに対応できているところはまだ37%程度であり、企業としての対応は遅れ気味のようである。

一方、これからインバウンド対応の組織設置を予定・検討中であるとの回答が24%。内訳は「検討中」21%、「設置予定」3%であった。訪日外国人観光客急増のスピードに、企業側のインバウンド対応が必ずしも追いついていない状況がうかがわれる。

回答者の業種別にみると、インバウンドへの取り組みが最も進んでいるのは「製造業」で、「組織がある」10%、 「プロジェクトで活動」35%だった。広告代理業の「組織がある」9%、「プロジェクトで活動」31%がこれに続き、流通業や情報通信業を上回った。

 

「インバウンド市場の拡大はいつまで続くか?」は度々話題になるところだが、マーケターの実感では「東京オリンピック以降も続く」が45%、「東京オリンピックまでは続く」が42%、とほぼ拮抗する結果となった。

 

一方で、「中国・アジアからの観光客を中心とした大量購入(通商”爆買い”)はいつまで続くか?」の設問に対しては、「ここ2~3年がピーク」と考えるマーケターが45%とトップであった。インバウンド市場自体は今後も継続していくが、爆買いの嵐は永続せず、為替レートや中国経済の浮沈に左右される。また観光の目的がショッピングから文化・自然・風土などへシフトするツーリズムの成熟化により、インバウンド市場の質は変化していくと見ていることがうかがえる。

以下、3つの設問(フリーアンサー方式)に寄せられた回答を、キーワード分類によりランキングした。
◆「訪日外国人客はどんなコンテンツやイベントに魅力を感じると思いますか?」
   ①日本の食文化(和食、寿司、天ぷら ・・・ )  58票
   ②伝統的な文化(伝統工芸、能、茶道、歴史 ・・・)  40票
   ③Made In Japanに代表される高品質な製品/ショッピング  39票
   ④エンタメ・コンテンツなどのサブカルチャー(ゲーム、アニメ、漫画 ・・・)  30票
   ⑤日本のおもてなしサービス精神(きめ細やかさ、親切さ、丁寧さ ・・・)  28票
   ⑥観光地(歴史的建造物、寺社仏閣、温泉 ・・・)  22票
   ⑦日本的なライフスタイル(日本人の日常生活、現代文化、日本人気質・・・) 21票
   ⑧日本独自の自然・四季(雪、花見、自然の景観 ・・・) 13票
   ⑨交通機関などのインフラ(新幹線、電車、公共トイレ ・・・) 7票
   ⑩日本の治安の良さ、安全  6票
   ⑩清潔で衛生的な環境や街  6票

◆「長く訪日外国人客の増加を維持していくために大切と思われることは?」  
   ①英語などのコミュニケーション能力の強化  21票
   ②日本らしさ・日本の魅力の強化・発信  20票
   ③ハードの環境整備(通信環境、交通環境、宿泊環境 など) 15票
   ④経済環境  8票
   ⑤リピーターの創出  5票

◆「インバウンド市場拡大の恩恵が、都市部だけでなく地方まで波及していくために大切と思われることは?」
   ①インフラ環境の整備
   ②地方ならではのコンテンツ・魅力作りと情報発信
   ③人の流れを作る(地方から地方へ)
        その他、都市間での連携や国策での地域産業育成など


◆集計結果に関する専門家の分析コメント

前期の独自診断とは別に、「専門家の専門家からの分析」として、ジャパンショッピングツーリズム協会(JSTO)専務理事/事務局長の新津研一氏*から、コメントをいただいた。

◆2012年に1兆円規模であったインバウンド市場は、2015年には3.5兆円規模に成長した。その中でもショッピング市場・飲食市場は、0.6兆円から、2.1兆円へと4倍増、1.5兆円の新しい市場を日本のマーケットにもたらした。

わずか3年で1兆円の新規需要を提供する市場はマーケターに、とって、
・今後、さらに成長を続けるのか?不安定さを感じないのか?
・成長市場にどう対応したらよいか?
が大きな関心事項となった。

99%のマーケターが日本経済にとってインバウンド市場が重要なテーマだと捉えていることは、その市場規模や成長度から見て当然の結果ともいえる。しかし反面、わずか1年前、日経MJヒット商品番付において横綱となった「インバウンド消費」が、ほぼすべての有識者の予想外だったことを考えると、ほぼ全員が1年という驚くべき短期間のうちに市場変化に追いついたというマーケターのアンテナ感度の高さを実証しているともいえる。

3/4を超えるマーケターが、実際に自分で訪日外国人とのコミュニケーションを実施していたことが判明したが、これは訪日観光客へのアプローチとして重要なヒントとなり得る。初めて直面する市場やお客さまに対して、日本人は気持ちが臆する面が少なくない。どんなものが好きで、どんな行動をしいているのか、有識者やマスコミ報道など手がかりに勉強しようとするが、バイアスがかかったそういった情報は誤った先入観となり、正しいマーケット把握を阻害する可能性もある。まずは、当マーケターと同様に、フィールドワークによって実体験を積み、現場を見ることが必要となる。

市場を把握する上で有効なのは、政府等の作成する定量的なアンケート調査や統計資料となるが、マーケターが捉えた訪日外国人の不便・不満解消のための対応の項目は、こういった統計資料と齟齬の少ないものであった。公衆無線、言語コミュニケーション、交通案内などは訪日外国人が感じる不満と一致している。つまり、フィールドワークの実績が、訪日外国人の視点を意識することにつながり、「日本人目線でのみ観察していた日本市場を、外国人目線で見る」という第2の目を獲得したとも言い換えられる。
この第2の目は、閉塞感の多い日本市場の中に新たなビジネスの種を見つけ出す貴重な武器になるだろう。

*新津研一氏: (一社)ジャパンショッピングツーリズム協会(JSTO)専務理事/事務局長
(株)USPジャパン代表取締役社長
伊勢丹入社後、販売、スタッフ業務を経て営業本部戦略担当に就任。店舗運営、営業戦略、新規事業開発まで幅広く担当。退職後、USPジャパンを創業。ショッピングツーリズムの提起、免税制度改正提言などを行い、2013年JSTOを設立。日本観光振興協会観光立国推進協議会委員、日本百貨店協会外国人観光客誘致委員会アドバイザー、東京都東京ブランド推進会議委員


◆調査対象◆154人(男性112人、女性38人、不明4人  20代~60代以上)
◆調査期間◆2015年9月24日~11月30日


 

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上場
未上場
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1968年12月
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