~もうすぐ「人権週間」「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」が始まります〜

「高齢者や障害者への人権侵害」 「HIVやハンセン病に対する偏見・差別」 「北朝鮮による日本人拉致問題」

内閣府政府広報室

今月12月は、「人権週間(4日~10日)(※1)」や「北朝鮮人権侵害問題啓発週間(10日~16日)(※2)」を中心に、人権について考えるシンポジウムや座談会、イベントなどのさまざまな活動が全国各地で行われます。そこで今回は、人権問題について考えるきっかけになるよう「高齢者や障害者への人権侵害」「HIVやハンセン病に対する偏見・差別」、そして「北朝鮮による日本人拉致問題」をお伝えします。
※1)1948年12月10日の第3回国際連合総会で、「世界人権宣言」が採択されたことを記念に設定。
※2)最終日(12月16日)は、2005年の国連総会で第1回目の北朝鮮人権状況決議が採択された日。

 

高齢者や障害者への人権侵害が深刻な問題に

高齢者や障害者への人権侵害って?

人権とは、「全ての人々が生命と自由を確保し、それぞれの幸福を追求する権利」あるいは「人間が人間らしく生きる権利で、生まれながらに持つ権利」であり、誰にとっても身近で大切なもの、日常の思いやりの心によって守られるものです。しかし、高齢化社会の進行によって急増する高齢者や、国内に700万人以上とされる障害者への人権侵害(暴行や虐待・差別など)は深刻な問題となっています。
内閣府が実施した「人権擁護に関する世論調査」によると、高齢者に関する人権問題については「悪質商法の被害が多い」「働く能力を発揮する機会が少ない」「邪魔者扱いされ、つまはじきにされる」などが挙げられており、様々な場面で生じていることがうかがえます。また、「障害者に対する世論調査」でも9割近くの方が「(障害がある人に対して)障害を理由とする差別や偏見があると思う」と答えています。

 

内閣府「人権擁護に関する世論調査」(平成24年8月)より抜粋内閣府「人権擁護に関する世論調査」(平成24年8月)より抜粋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

内閣府「人権擁護に関する世論調査」(平成24年8月)より抜粋内閣府「人権擁護に関する世論調査」(平成24年8月)より抜粋

そして、特に深刻な暴行・虐待などの被害に遭いやすいのが介護や支援が必要な方たちです。虐待には身体的なものだけでなく、心理的・経済的・性的虐待や、食事を与えないなどのネグレクト(世話の放棄)も含まれます。これらは、高齢者や障害者の介護を行う家庭内や、老人ホーム・介護施設などの社会福祉施設内でも発生しています。特に家庭内での虐待は、介護疲れの肉親が精神的に追い詰められて行うというケースが多く、被害者が認知症患者や寝たきりなどの場合は会話自体もままならないため、虐待が表面化しにくいという特徴があります。こうした問題を防ぐためには、介護を行う人を孤立させないようにしたり、周囲が早めに気づき相談窓口につないだりすることが重要です。

<人権問題に関する相談や解決のための救済措置についてはこちら>
URL: http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201309/2.html

 

誤った知識を持っている方が多く、偏見や差別がいまだに解消されていない

HIVやハンセン病に対する偏見・差別をなくそう

HIVやハンセン病は、人から人にうつる感染症です。しかし、日常生活における接触で感染することはほとんどありません。ハンセン病は感染したとしても、発病することは極めてまれですし、万一、発病しても早期発見と適切な治療で確実に治療することができます。また、HIVは感染しても、すぐにエイズを発症するわけではありません。最近では治療薬の開発が進み、感染を早期発見し、早期治療することでエイズの発症を抑えることができるようになっています。
しかしHIVやハンセン病について、今なお、誤った知識を持っている方が多く、HIV感染者やハンセン病の患者・元患者の方々に対する偏見や差別が、いまだに解消されていない状況にあります。こうした偏見や差別をなくすためには、一人一人が、HIVやハンセン病について正しい知識を持つこと、また、患者・元患者、その家族などが置かれた立場を理解することが必要です。

・ハンセン病について、よくある誤解・思い込みと、正しい知識

(よくある誤解・思い込み)

  • 感染力が強い
  • 遺伝病である
  • 不治の病である

(正しい知識)

  • 日常生活で感染する可能性はほとんどありません
  • 感染力が弱く、うつりにくい
  • 感染しても発病することはまれです
  • 遺伝病ではありません
  • 早期に発見し、適切な治療をすれば、完治します

 

・HIV/エイズについて、よくある誤解・思い込みと、正しい知識

(よくある誤解・思い込み)

  • 握手や会話で感染する
  • お風呂やプールに一緒に入ると感染する
  • せきやくしゃみで感染する
  • 便座や食器、タオルなど日用品の共用で感染する
  • 血を吸った蚊やダニなどに刺されることで感染する

(正しい知識)

  • HIVの感染経路は性的接触、血液感染、母子感染の3つに限られ、日常生活の接触では感染しません
  • 治療薬の開発により、HIVに感染しても、早期発見と早期治療によって、エイズの発症を抑えることができるようになっています
  • 近年は、性的接触での感染が増えています。特定のパートナーであっても、感染のリスクがないとは限りません。HIVはだれにとっても身近な問題です

 

<HIVやハンセン病ついて、よくある誤解・思い込みと、正しい知識について詳しく知りたい方はこちら>
URL: http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201108/3.html

 

北朝鮮による人権侵害問題への関心と認識を深めよう

拉致問題がなぜ起きたか知っていますか?

1970年代から80年代にかけて(昭和50年代が中心)、多くの日本人が不自然な形でいなくなりました。日本の警察による捜査や、亡命した元北朝鮮工作員の証言により、これらの事件の多くは北朝鮮による拉致(※)の疑いが濃厚であることが判明しました。ようやく平成14年(2002年)9月に、北朝鮮の指導者・金正日(キム・ジョンイル)国防委員長(当時)は、日本人拉致を認め謝罪しましたが、その理由として、
(1)北朝鮮のスパイに日本語を教えるため
(2)北朝鮮のスパイが日本人に成りすますため
と説明しました。その背景として、第二次大戦後に分断された朝鮮半島を自らの主導で統一するため、数多くのスパイ機関が設立したから、と言われています。
現在、日本政府が認定している拉致被害者は17名であり、そのうちの5名は帰国を果たしましたが、残りの12名は未だに北朝鮮に残されたままです。また、このほかにも拉致された可能性が疑われる方は863名もおり、政府では「認定」の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の帰国を求めていますが、いまだに実現していません。
そして、平成14年(2002年)の拉致被害者5名の帰国から10年が経過し、日本では拉致問題に対する熱気が冷めているのでは、という論評が北朝鮮側では出ているといいます。そこで、日本の政府や国民は「すべての拉致被害者を必ず取り戻す」という強い決意に決して揺るぎがないことを、北朝鮮に対して表し続けていかなければなりません。世論調査の結果によると、拉致問題への関心度は高い割合で推移しているものの、年齢別でみると将来を担う若い世代の関心が比較的低い傾向にあります。これまで以上に拉致問題に対する国内の世論や関心を高めていくことが必要不可欠なのです。
※拉致(らち)=本人が望まないのに連れ去ること。

 

北朝鮮への関心事項として「日本人拉致問題」をあげた割合の推移(複数回答)

出典:内閣府「外交に関する世論調査」出典:内閣府「外交に関する世論調査」

「日本人拉致問題」を関心事項にあげた年齢別割合(平成25年実施分)

出典:内閣府「外交に関する世論調査」出典:内閣府「外交に関する世論調査」

<拉致問題の解決に向けた政府の取組や、私たちができることを詳しく知りたい方はこちら>
URL: http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201311/3.html

 

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