Interbrand “Best Global Brands 2010”「ブランド価値」によるグローバル・ブランドランキングTOP100を発表

Toyota 16%減でトップ10陥落
Google 36%増で4位となり、Microsoftに肉薄
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世界的なブランドコンサルティング会社であるインターブランドは、グローバルのブランド価値
評価ランキング“Best Global Brands 2010”を発表します。本ランキングはグローバルな事業
展開を行うブランドを対象に、そのブランドが持つ価値を金額に換算してランク付けするもの

で、今年で11回目の発表となります。1位はCoca-Colaで11年連続でその順位を維持しました。

<Best Global Brands 2010ハイライト>

■Toyotaがリコール問題の影響によりトップ10陥落、しかしブランド価値の毀損は限定的
Toyota(11位 前年比16%減)はリコール問題により16%ブランド価値を毀損し、昨年の8位から3
つ順位を下げ、トップ10外となる結果となりました。Toyotaブランドの根幹である信頼性、安全
性に関する問題であるだけに、影響も大きなものとなっています。しかし、信頼性は一時的に
大きく傷ついたものの、長年にわたるその実績の積み重ねの力は大きく、大幅な顧客離反には至
りませんでした。その結果、ブランド価値の毀損を予想よりも小規模に留めることとなり、引き
続き自動車ブランドの中でNo1のポジションを維持しました。
一方BPは、原油流出事故の影響で、大幅にブランド価値を毀損し、昨年度の83位からランク外と
なりました。BPは、環境破壊に加え、ブランドの約束である「Beyond Petroleum」を実現できな
いことを示した結果となり、競合であるShell(81位 前年比24%増)に業界No1の座を明け渡しま

した。

■テクノロジー関連ブランドが躍進、トップ10に5ブランドがランクイン
テクノロジー関連ブランドは、10位以内にIBM(2位 前年比7%増)、Microsoft(3位 前年比7%
増)、Google(4位 前年比36%増)、 Intel(7位 前年比4%増)、 HP(10位 前年比12%増)と5ブ
ランドがランクインしました。Googleは、中国政府による検閲の問題等があったものの、アンド
ロイドが様々な形でエレクトロニクス企業に採用されるなど、さらにその事業領域を拡大し、
36%ブランド価値を向上させ、Microsoftに続く4位となりました。HPは、新しいブランドコンセ
プト “Let’s Do Amazing”のもと、ソフトウェアとサービスのブランドへのブランド拡張を進
め、トップ10入りを果たしました。Apple(17位 前年比37%増)は、絶妙にコントロールされたメ
ッセージ体系と、新商品発売に際してきめ細やかな口コミのうねりを生み出すことで、iPhone4の
「通信トラブル」などの問題の影響を限定的なものとし、ブランド価値を大幅に向上させまし
た。BlackBerry(54位 前年比32%増)は、Appleの脅威にさらされつつも、ビジネスユースにおけ

る最も人気のあるスマートフォンのポジションを維持しブランド価値を増大させました。

<業界別ハイライト> 自動車業界
自動車業界では、前述のToyota(11位 前年比16%減)に次ぐ位置に、Mercedes Benz(12位 前年
比6%増)、BMW(15位 前年比3%増)が、革新的なデザインとラグジュアリーな機能を備えたプレ
ミアム自動車への集中によりブランド価値を維持・強化することに成功しています。Ford(50位 
前年比3%増)は、2009年のFiestaの上市に際しYouTube、Facebook、Twitter、Flickrらを有効に
活用し、顧客のフィードバックを得ることに成功し、ソーシャルメディア有効活用の優れた事例
になりました。またQ5などのプロダクトブランドの成功によりAudi(63位 前年比9%増)は、大幅

にブランド価値を増大させています。

<業界別ハイライト> ラグジュアリー業界
Louis Vuitton(16位 前年比4%増)、Gucci(44位 前年比2%増) 、Hermes(69位 前年比4%増) 、
Tiffany&Co (76位 前年比3%増)、Cartier(77位 前年比2%増)、Armani(95位 前年比4%増)と多
くのラグジュアリー・ブランドが、その歴史や伝統を広めるための投資を続けたことで、不況期
にもかかわらずブランド価値を向上させました。消費者が消費を抑える中、顧客のおもてなしや

店舗内外でのユニークな体験を提供することで、そのブランドをゆるぎないものとしています。

<業界別ハイライト> 金融業界
金融業界では、‘老舗’でもあるCiti(40位 前年比13%減)、UBS(86位 前年比13%減)が大幅に
ブランド価値を下落させるなか、Santander(68位)、Barclays(74位)、Credit Suisse(80位)が初
めてランキング入りしました。先の見えない時代において、ブランドの約束を守り続ける姿勢と
世界同時不況の波を回避したことに加え、積極的なグローバル展開が今回のランキング入りにつ

ながりました。

<アジアブランドのハイライト>
アジアのブランドは、日本勢の苦戦と韓国勢の躍進で明暗が分かれる結果となりました。前述の
通りToyotaがトップ10の座を降りる一方、Samsung(19位 前年比11%増)、Hyundai(65位 前年比
9%増)は、グローバルでの存在感を高め、それぞれブランド価値を高めました。
世界第2位の経済大国となった中国から、TOP100にランクインするブランドは今回もありませんで
した。LenovoやHaierなどの中国ブランドには今後大きな期待が持てますが、単なる低価格製品を
超える世界的ブランドとしてのポジションを確立するため、依然として奮闘を続けている状況と

なっています。

■顧客の購買行動の変化への対応に迫られる電機関連ブランド
デジタルとデザインの最前線を走っているSamsung(19位 前年比11%増)がブランド価値を大きく
高めました。不況期にあって、ポートフォリオによるリスクヘッジがなされています。本年は、
携帯電話市場において力強い売上成長を示し、米国ではHDTVにおいてNo1となりました。主力の事
務機の需要が回復したCanon(33位 前年比10%増)は、カメラでもその地位をゆるぎないものと
し、顧客のロイヤリティを確保しブランド価値を高めました。Sony(34位 前年比5%減)は、引
き続きSamsungとの厳しい戦いに晒され、円高と「金融危機」以降の消費者行動の変化の影響を受
け、ブランド価値を減少させる結果となっています。Nintendo(38位 前年比2%減)は、昨年は、
不況により家族が家にこもりゲームを楽しむ機会が増えたことでブランド価値を向上させました
が、今年はMSやPlay Stationの新技術導入、iPhoneをはじめとするスマートフォンなど、競合環
境が厳しくなってきており、ブランド価値を下げました。Panasonic(73位 前年比3%増)は、環
境を軸に様々な新しい事業戦略を明らかにし、社内外での取り組みを進めています。さらに、

Sanyoブランドとの早期統合を決めるなど、意思決定のスピードを加速させています。

■明暗を分けた自動車ブランド
自動車ブランドでは、Toyotaに続くHonda(20位 前年比4%増)が、新興国市場を中心とする2輪
車の販売が引き続き好調であることを背景にブランド価値を上げましたが、Hyundai(65位 前年
比9%増)、Ford(50位 前年比3%増)、Kiaなどとの競争が厳しさを増しています。Hyundaiは、米
国市場において好調を持続しており、燃費が良くコストパフォーマンスの高い高級車が評価され
ています。強い商品群に加え、ワールドカップやスーパーボウルでのスポンサーシップなどのマ
ーケティング戦略も奏功し、2008年の水準を上回るブランド価値となっています。昨年96位だっ

たLexusはブランド価値を減少させ、ランク外となりました。

<Best Global Brands 2009 のブランド価値評価について>
■CRITERIA FOR CONSIDERATION 評価対象基準
本ランキングはグローバルな事業展開を行うブランドを対象に、そのブランドが持つ価値を金額
に換算してランク付けするもので、その上位100ブランドを公表しています。
その評価対象として、以下の基準を満たす企業・商品を抽出し、評価をしました。
• 各種財務情報が公表されていること
• グローバルに展開していること(2009年度実績)
• 起源国以外での海外売上高比率が30%を超えていること
• 少なくとも3つの主要な大陸に進出しており、新興国もカバーしている
• B to Bブランドであっても、グローバルで一般に認知されていること

• ブランドが顧客の購買行動に影響を与えていること

■Methodology 評価方法
インターブランドのブランド価値評価手法は、財務力、ブランドが購買意思決定に与える影響
力、そしてブランドによる将来収益の確かさ、という観点からブランドを評価します。証券アナ
リストが事業の価値を分析評価するのと同じように、「将来どれくらい収益を上げると予想され
るか?」という視点に基づいて、ブランドを分析し評価します。評価は、具体的に以下の3つの分

析によって構成されています。

「財務分析」 - 企業が生み出す利益の将来予測を行う
まず、ブランドが冠された事業の現在および将来の収益を予想します。そして、その売上から営
業費用、税金、そして投下資本に応じた資本コストを差し引き、将来の経済的利益を算出しま
す。本分析は、公開されている企業情報を、将来予測は、2010年5月末時点でのアナリストによる

予測値を基にしています。

「ブランドの役割分析」 - 利益のうち、ブランドの貢献分を抽出する
財務分析で算出された将来の経済的利益のうち、ブランドによってもたらされた利益を抽出する
ために、ブランドがどの程度顧客の購買意思決定に影響を与えているかを分析します。
本評価においては、ブランドが消費者の購買動向に果たす役割について、インターブランドが過
去20年にわたり実施した5,000を超えるブランド価値評価実績のデータベースを活用し、業界別に
ベンチマーク分析を行います。そして業界ベンチマークを基にして、独自の調査・分析により個

別ブランドの“ブランドの貢献分”のスコアを算出します。

「ブランド力分析」 – ブランドによる利益の将来の確実性を評価する
ブランド力の分析は、市場でのロイヤリティ、消費者の継続購入や囲い込みといったクライアン
トのニーズを喚起する力(将来の収益を維持する力)を測り、ブランドによる利益を割り引いて
現在価値に換算するものです。この評価は、ブランドのリスクを判断する体系的な手法であり、
ブランドの活力を見る10の項目から評価され、100をパーフェクトブランドとする0から100までの
スコアで表されます。これらの項目における評価は同業種の他のブランドと比較して行われ、上
位ブランドについては他業種の世界レベルのブランドと比較して行われます。次にこのブランド
力スコアは、インターブランド独自の計算手法により、割引率に変換され、その「割引率」で将

来のブランド利益を割り引くことで、ブランド価値が算定されます。

※「ブランドの役割分析」、「ブランド力分析」は、公表されているさまざまな報告書等を使用
して行っており、弊社グローバル各オフィスの専門コンサルタントの多面的な評価を踏まえ算定

されています。

<インターブランドについて>

インターブランドは、1974 年に設立された世界的なブランドコンサルティング会社です。世界
26 カ国・約40のオフィスを通じ、世界的に展開している企業をはじめ、さまざまな組織・団体に
対し、ブランディングに関する多様なサービスを提供しています。
‘Creating and Managing brand Value’のミッションのもと、戦略的な視点とクリエイティブの
視点の両面から「ブランドを創り、その価値を高め、維持し、評価する」という一連のサービス
を提供し、クライアントのもっとも価値ある資産であるブランドの価値向上をサポートしていま
す。その事業内容は、ブランド価値向上に向けた戦略の立案、ネーミングやデザイン開発などの
クリエーション、さらにはブランド価値の社内外への浸透・定着の支援に至るブランドエンゲー

ジメントまで多岐にわたっています。

近年、日本企業の多くは、これまで競争優位の源泉となってきた品質、技術力、価格競争力など
による差別化が困難になるという非常に大きな課題に直面しています。そのため、新たな競争優
位の源泉として、「ブランド」に注目し、その価値を高めることを目的にブランドマネジメント
に積極的に取組まれています。
インターブランドは1984年より世界に先駆けて、企業の視点(財務)と顧客の視点(マーケティ
ング)の両面からブランドの価値を金額に換算する手法を開発し、これまでに5,000以上のブラン
ドを評価してまいりました。さらに、「ブランド価値」の重要性を認識して頂くことを目的とし
て、1999年より毎年、全世界のブランドを対象とした“Best Global Brands”を発表していま

す。

インターブランドについての詳しい情報についてはhttp://interbrand.com/jpをご覧ください。

以上

株式会社インターブランドジャパン

担当:中村正道・畠山寛光
tel:03-3230-1075

fax:03-3230-8772

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