子どもに対する暴力への対応をとらなかった場合のコストは7兆ドル

~英国シンクタンクODI(海外開発研究所)による最新調査結果が国連総会に合わせて発表~

第69回国連総会でポスト2015年開発目標が議論されているさなかの9月25日(ニューヨーク時間)、子どもへの身体的・精神的な暴力、性的虐待による経済的な損失は7兆ドル(約756兆円)に上るとの最新の調査結果が発表されました。
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この調査は、国際的なネットワーク組織であるチャイルド・ファンド・アライアンスの委託を受けた英国のシンクタンクである海外開発研究所(Overseas Development Institute; ODI)が実施したもので、子どもへの身体的・精神的・性的暴力のもたらすコストは世界全体の国内総生産(GDP)の8%に匹敵するという結果が示されています。この額は、オーストラリア、カナダ、インド、メキシコの4ヵ国のGDPの合計を上回ります。

この世界規模の調査結果は、1年間に暴力被害を受けた子どもの人数に対する生産の損失を算出したものです。またこの調査では、危険な児童労働に従事させられた子どもの損失額は世界規模で年間970億ドル、武装勢力やグループに無理やり加担させられる子どもたちの損失額は年間1,440億ドルに上るとの結果が示されています。

この調査報告書は、ポスト2015年開発目標に子どもへの暴力撤廃を求める世界の子どもたちによる「子ども憲章」をとりまとめた報告書とともに発表されました。

チャイルド・ファンド・アライアンス事務局長代行のアンドリュー・ジョンソンは、この調査報告書の意義を次のように説明しています。

「子どもに対する暴力をなくすための取り組みをしなかった場合の経済的な損失は、取り組みに必要な費用をはるかに上回ることが、今回の調査で明確になりました。予防は経済的にも有効なのです。ポスト2015開発目標に子どもへの暴力撤廃を盛り込むことは、必須です。世界の子どもたちからも、国連加盟国に対し、ミレニアム開発目標でやり残した課題の達成とともに、子どもへの暴力撤廃に取り組むことが求められています。」

同日に発表されたもう一つの報告書で、チャイルド・ファンド・アライアンスは、アフリカ、アジア、大洋州、欧米の40ヵ国、2,300人の子どもたちからポスト2015年開発目標に向けて発した意見をとりまとめています。この報告書では、子どもたちはミレニアム開発目標で継続されるべき取り組みとして、極度の貧困と飢餓の撲滅(82%)、普遍的な初等教育の達成 (81%)、そしてHIV/エイズその他の疾病の蔓延防止 (74%)を挙げています。

この調査に参加した子どもたちの82%が、2015年に続く新たな開発目標の中に子どもへの暴力と搾取の対応策が含まれることを希望すると語っています。特に、いじめ、児童労働、早期婚、子どもの人身売買、体罰、女性器切除、武装集団への子どもの勧誘、学校での暴力について、これらが世界からなくなるような対策がとられることを求めています。

子どもたちが世界の政府に求めていることは、男の子も女の子も、全ての子どもが質の高い教育と保健サービスを受けられる世界です。また、環境についても、「木を伐採されるより植林してほしい」(67%)、「有害物質の使用を減らし、リサイクルを進めてほしい」(59%)、「二酸化炭素の排出を減らして空気をきれいにしてほしい」(31%)と求めています。

子どもたちは、ポスト2015年開発目標が合意されたあと、そのモニタリングに参加することをも求めています。また、開発目標のモニタリングは、地域住民の参加を得て進めることが大切であることを、子どもたちは理解していることも、調査結果から見えます。
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