地方創生は、自分本位・地域本位に考えて、力を入れることが重要!
~全労済協会「とやまの未来創生」講演会、片山慶應大学教授、森富山市長、女優・タレントの柴田理恵さんが活発な議論を展開~
<開催されたシンポジウムの概要> タイトル 『とやまの未来創生 ~富山の地方創生と未来への展望~』 日 時 2016年4月23日(土) 13:00~16:30 会 場 ボルファートとやま 参加人数 380名 開催内容 <基調講演> 演 題:「真の『地方創生』とは~地方自治と地域の再生を考える~」 講 師:片山 善博 氏 (慶應義塾大学法学部教授、元鳥取県知事、元総務大臣) <特別鼎談> 演 題:「わがまち富山!!~活気あるまちづくり~」 登壇者:森 雅志 氏(富山市長) 柴田 理恵 氏 (女優・タレント) 片山 善博 氏 主 催 等 主 催:(財)全労済協会 共 催:全労済富山県本部 後 援:富山市、日本労働組合総連合会富山県連合会、富山県労働者福祉事業協会、 北陸労働金庫富山県本部、北日本新聞社、富山新聞社、読売新聞北陸支社、 北日本放送、富山テレビ放送、チューリップテレビ |
<『とやまの未来創生』基調講演と特別鼎談 抜粋>
■基調講演
基調講演で、慶應大学の片山教授は、“国の地方創生の政策には「地方が再生し、若い人が東京へ出て行かないようにしなければ」「地域を担っていくようにしなければならない」という着眼点があります。この視点に基づきさまざまな取り組みが自治体で行われていますが、必ずしもうまくいっていません。”という印象を語られ、“国が敷いたレールを走ると、必ず上手くいくとは思わないほうがいい。もっと自分本位に考え、いい部分だけを取り込む。自分のところで何が大切かを考えて力を入れることが重要。地域が真剣に自分たちの弱点を考えることです。”などと語られました。また、“地方創生とは、地方経済の活性化や、若い世代が地元で仕事を見つけ、家庭を持ち、子育てをして地域社会をつくっていくということ。地域で雇用をつくるとすれば、地域経済全体を分析し、お金が出て行かないようにすることが大事ではないでしょうか。”と提言されました。
■特別鼎談
基調講演を受け、その後の特別鼎談では、富山市長の森雅志氏、女優・タレントの柴田理恵氏にも加わっていただき、「富山の地方創生と未来への展望」をテーマに白熱した議論が交わされました。
森市長は、“富山は産業基盤がしっかりしています。北信越の県庁所在地5市の中で工業出荷額が1位。有効求人倍率は高く、安定して仕事があります。人口減少率は全国平均よりも低く、8年連続転入超過です。また、「富山市が待機児童ゼロであること」「子育て支援策として10月からお迎え型病児保育を始めること」「市役所の出先は79カ所あり、ほとんどの市民の2キロ圏内に地区センターがあること」に加え、「シングルマザーの雇用奨励金制度と「がんばるママに『ありがとうと花束』事業」を設けていること”など、富山市の現状や施策について語られました。さらに、“富山は、高等教育機関のキャパが小さく、若い人はいったん東京などへ出ますが、富山に戻ってくるようにしなくてはならない。それには私たちが街を光らせること。若い人から「富山はいいよね」と思ってもらえるように、魅力的なポジションを作ることが大事。”と今後の抱負についても語られました。
柴田氏は、富山の魅力は大自然、水、魚、米、酒。また、一つのことに真面目に取り組む人が多いという富山の印象についてまず語られ、“ロケや芝居の巡業で駅を降りると、コンビニやファストフード、全国チェーンの居酒屋の看板が並んでいる街は何度行っても印象がありません。その土地らしい、匂いのある街がいいと思います。富山の街が東京のミニ版ではない、オンリーワンの街になってほしいですね。”また、“都会から観光に来た人は田舎の何気ない風景に魅了されます。昔ながらのそのままの風景がいいと思う人も多い。土地の人から受けた親切も思い出になる。”など、ご自身の経験から、地方創生、富山の活性化に向けた提言をされました。
最後に、片山氏は、地方創生の成功は、“国を説得し、打ち破れるかどうかです。国の制度を中心に考えるのではなくて、地域の問題を地域本位に考えて現状を変えていこうということ”と改めて述べられました。また“鳥取県知事時代にあったらいいと思ったのが、地元の民謡や伝統芸能を楽しみながら食事ができる店。民謡酒場が成り立つのは地域の伝統文化を大切にしているという証です。”“地のものを地元でつくられた食器で楽しく食べる。美しい風景を見る。日常生活でそんな時間を家族みんなで楽しみ、地元の良さを再認識することが、地方創生の大きな力になるのではないでしょうか。”と語り、鼎談をしめくくりました。
※本講演会の内容は、近日中に全労済協会ホームページにも掲載予定です。
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