2013年度グッドデザイン賞受賞
◆ 建物の揺れを最大で50%低減する住宅用制震システム「エムレックス」 ◆
~ 壁の強度を高めてプランニングに自由度を与える技術を評価 ~
三菱地所ホーム株式会社は、「ハイプロテクトウォール構造」、「エムレックス」の提案で、2013年度グッドデザイン賞(Gマーク)を受賞しましたのでお知らせします。
「ハイプロテクトウォール構造」は、高い耐震性と開放感のある大空間・大開口の両立を実現させるために開発した当社オリジナル構造技術です。国産の間伐材を有効利用した構造用合板による高耐力壁「ハイプロテクトウォール」をはじめとする高強度の構造部材をツーバイフォー工法の構造材として使用することにより、自由自在な設計プランニングと空間デザインを存分に楽しみながら、より安心・安全な住まいを実現することができます。
「エムレックス」は、ツーバイフォー工法用に開発した地震による建物の揺れを抑制する制震システムです。本システムを採用することにより、頻発する地震と余震も含めた繰り返しの振動からくる建物の構造躯体や内外装材の劣化を抑え、耐震性能の長寿命化と地震被災時の補修にかかる費用の軽減に寄与し、建物のライフサイクルコストを削減することができます。
三菱地所ホームは、今後も楽しい家づくりと安心・安全の技術で、快適に末永く住み継がれる真に価値ある住まいを提供してまいります。
1. ハイプロテクトウォール構造
耐震性の優れたツーバイフォー工法において、より空間創造の自由度を拡大しながら、地震に対する安全性を高める高強度の耐震壁「ハイプロテクトウォール」を開発しました。これは、一般的なツーバイフォー工法の耐力壁(壁倍率4倍)に比べ、150%から最高300%まで強度を高めた高耐力壁です。三菱地所ホームでは、壁倍率6倍の「ハイプロテクトウォール」を外周部の標準仕様とし、高い耐震性を確保しながら家全体の耐力壁を減らすることで、開放的な空間づくりを可能にしています。同時に、最高壁倍率12倍の高耐力壁、最大で6.3mのスパンを可能とする床根太「キーラムメガビーム」、5.4mの大開口を可能にする集成材門型フレーム「MBウォール」等の構造部材を組み合わせることで、従来のツーバイフォー工法ではかなわなかったゆとりのある大空間設計や大規模建築も実現します。
(グッドデザイン賞審査委員の評価コメント)
プランニングに自由度を与える戸建て住宅の工法として、耐力壁を最小限にするために壁強度を高めており、評価できる。耐力壁を外周部に集中的に配置できることになり、我が国で一般的な住宅地において、開放可能な面が一面に偏るなどの制約は頻繁に起こることであるが、そうした条件下でも明るく開放的な室内空間を獲得できるだろう。
2.エムレックス
ツーバイフォー工法の特徴である高い耐震性・耐久性を長期に維持してゆくために、建物の揺れを最大で50%低減するツーバイフォー工法住宅用の制震システム(株式会社カネシン製)です。構造的なバランスを考慮し、2方向に各2台以上設置することで、変形率300%の高減衰ゴムが地震のエネルギーを吸収し、建物の揺れを抑えます。これにより、繰り返しの余震に対しても構造性能を長期に維持することができ、建物の資産価値を保持し、補修工事にかかるライフサイクルコストを削減します。また、本システム導入時には、プランごとの必要台数や搭載の機能的効果を事前に予測するチェックシートによって、システム採用の費用対効果を「見える化」しました。
(グッドデザイン賞審査委員の評価コメント)
ツーバイフォー(2×4)工法のために開発された住宅用制振装置である。制振ユニットを、1階の2方向に各2台設置することによって、変形率300%の減衰ゴムが建物の揺れを抑えるというメカニズムである。1ユニットは90㎝ピッチで構造用合板と組み合わせて耐力壁としても有効になるように小型化されているため、小規模な住宅においても、プランの自由度を制約することが少ないシステムである。
上記2点と同時に、三菱地所株式会社との共同プロジェクトである「空と土 国産材高価値化プロジェクト」が2013年度のグッドデザイン賞を同時受賞しました。このプロジェクトは、三菱地所グループが2008年から実施している、都市と農山村の交流を通して、都市と農山村がともに利益となる事業を創造していこうというCSR活動の中で、これまで廃棄するしかなかった国産の間伐材や小径木を有効利用するために、強度の高いLVL・I型ジョイスト・1級構造用合板等、住宅用構造材に加工し、高い品質・明確なトレーサビリティという価値を付加し、その製造・流通システムを持続可能な形で構築したもので、森林経済の活性化と良質な木造住宅の提供に資するビジネスモデルです。
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