シリア難民の児童婚が紛争開始時から倍増

国際NGOセーブ・ザ・チルドレン ヨルダンにおける調査報告を発表

子ども支援専門の国際組織であるセーブ・ザ・チルドレンは、シリアでの紛争が始まってから、ヨルダンで避難生活を送るシリア人の少女に対する強制的な児童婚の件数が倍増したことを、報告書「若すぎる結婚(Too Young to Wed)」の中で明らかにしました。

13歳で10歳年上の夫と強制的な児童婚 をさせられた少女


現在、ヨルダンで難民登録しているシリア難民の全結婚件数の1/4に、18歳未満の少女がかかわっています*1。紛争前、シリアにおける児童婚の割合は全結婚件数の13%でしたが、最新の調査によって、ヨルダンに避難したシリア難民の児童婚が倍増していて、その約半数(48%)の少女は、10歳以上年上の男性と強制的に結婚させられていることがわかりました。

このように児童婚が倍増した原因について、セーブ・ザ・チルドレンは報告書の中でいくつかの理由をあげています。まず、避難生活で経済活動の機会が限られ、手持ちの資金を切り崩して生活しているシリア難民のコミュニティの中にある、極度の貧困問題があります。また、シリア難民の親たちは、性的暴行の危険から娘を守る必要性を切実に感じています。こうした重圧を抱える親の中には、結婚させることが娘を守り、同時に家計の負担を減らすこともできる最善の方法であると考えているのです。

ヨルダン ザータリ難民キャンプでウェディングドレスを見る14歳の少女 ©Rosie Thompson/Save the Children

「児童婚は、少女の人生を破壊するものです。18歳未満で結婚した少女は、成人女性の場合よりも家庭内暴力の被害を受けやすいだけでなく、「性的及びリプロダクティブ・ヘルス*2」サービスへのアクセスが限られている傾向にあって、未成熟な体の妊娠・出産には大きなリスクが伴います」セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 政策提言マネージャー 堀江由美子

学校を中退した少女は、学校に通っている少女よりも児童婚をする傾向が高く、また逆に学校に通いながら児童婚をした少女は、夫の世話や家事、あるいは出産や育児のために学校を中退してしまうという傾向があります。

しかし同時に、年齢が幼すぎることや、教育を続けさせてあげたいという気持ちから、娘の児童婚を断固として拒絶する母親など、必死の抵抗をする家族がいることも、報告書は明らかにしています。

「シリア国内の紛争を逃れて国外で避難生活を送る少女たちは、ただでさえ通常よりも辛い思いをしてきていて、社会からの孤立、ストレス、虐待などの経験から、メンタルヘルス上の大きな課題を抱えています。しかし、強制的な児童婚の影響は、少女の肉体にも精神にも悪い影響を及ぼし、時には死にもつながる問題なのです。15歳以下の少女が出産で死亡するケースは、成人女性の2倍に上るなど、成長段階の体にとっては、性的活動が命を脅かすこともあります。」堀江由美子

セーブ・ザ・チルドレンは、児童婚の根絶を目指して、パートナー団体と協力しながら、子ども、若者、親を対象とした啓発プログラムをヨルダンで展開しています。

ヨルダンのザ―タリ難民キャンプで開催した啓発プログラムの中で、 シリア難民の少女が描いた児童婚の風刺画  ©Save the Children

*1 ユニセフ発表データ
*2 リプロダクティブ・ヘルスとは、妊娠・出産のシステムおよびその機能とプロセスにかかわるすべての事象において、単に病気がない、あるいは病的状態になりということではなく、身体的、精神的、社会的に良好な状態(well-being)にあることをいう(WHO)

報告書「若すぎる結婚(Too Young to Wed)」(英語PDFファイル)
http://www.savechildren.or.jp/scjcms/dat/img/blog/1588/140558463534.pdf



■ セーブ・ザ・チルドレンについて
1919年設立。子ども支援の世界的リーダーとして、世界30カ国の独立したセーブ・ザ・チルドレンがパートナーシップを結ぶ国際組織。「子どもの権利」が実現されている世界を目指し、現在約120の国と地域で活動しています。
http://www.savechildren.or.jp/
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