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雪印ビーンスターク株式会社
会社概要

雪印ビーンスターク第3回全国母乳調査 現代日本人母乳の主要栄養素濃度と母親の摂取栄養素量についての調査結果を報告しました

《第52回欧州小児消化器肝臓栄養学会年次総会》で発表

雪印ビーンスターク

 雪印ビーンスターク株式会社(本社:東京都新宿区 代表取締役社長:稲葉 聡)は、雪印メグミルク株式会社と共同で2015年より第3回全国母乳調査を実施しています。
 これらの調査の一環として、現代日本人母乳の主要栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物など)と母親の摂取栄養素量の関係について調査しました。今回の調査結果でも、母乳の主要栄養素濃度は分娩後日数経過などに応じて変化することが改めて確認されました。また、母親のn-3系脂肪酸摂取量が母乳中のたんぱく質濃度に関係する可能性が示唆されました。
 今後も、当社は母乳成分と母子の生活習慣に関する研究を続けていきます。

 本研究について、6月5日よりスコットランド・グラスゴーで開催された、欧州小児消化器肝臓栄養学会において学術発表しましたので報告いたします。

◆本研究成果のポイント
・現代日本人母乳中の主要栄養素濃度と母親の摂取栄養素量の関係を大規模に調査した
ž・母乳の主要栄養素濃度は、分娩後日数の経過などに応じて変化することが改めて確認された
ž・母親が摂取する栄養素の一部には、母乳中の主要栄養素濃度に関連する可能性が示唆された

◆発表概要
演題名     日本人母親の食事因子と母乳中主要栄養素に関する横断研究
     (英語原題:Mature milk macronutrients and maternal dietary factors in
        Japanese mothers: A cross-sectional study)

発表日時    2019年6月7日(現地時間14:45)

学会名       第52回欧州小児消化器肝臓栄養学会年次総会(European Society for Paediatric
                Gastroenterology, Hepatology and Nutrition; ESPGHAN 2019)

会場         スコティッシュイベントキャンパス
              (Scottish Event Campus; 英国スコットランド・グラスゴー)

発表者      上野 宏、小林 俊二郎、高橋 朋樹、野尻 恵資、山村 淳一、小林 敏也
              (雪印ビーンスターク株式会社 商品開発部)

【研究概要】
○背景および目的
 母乳には、母親の食事からの摂取量が母乳中の濃度に影響を与える栄養素があり、n-3系脂肪酸のひとつであるドコサヘキサエン酸(DHA)は、その一例となる成分です。一般的に、主要栄養素であるたんぱく質、脂質、炭水化物の母乳中濃度は分娩後日数や在胎週数などに影響を受けることが知られていますが、母親の摂取栄養素量との関係については未だ明確な結論は得られていません。そこで、本研究では授乳中の摂取栄養素量が母乳の主要栄養素濃度に及ぼす影響について検討しました。

○方法
 2015年2月~16年8月において日本全国に在住する健康な母子を対象に、母乳、母親の食事習慣、母子の分娩ならびに出生に関する情報を収集しました。母乳は分娩後約1~2か月の成乳を対象とし、乳児に授乳した後の中期乳または後期乳として、少なくとも3日間以上連続して採取、混合した試料を用いました。母乳の主要栄養素(粗たんぱく質および純たんぱく質、脂質、炭水化物)、全固形および熱量は、赤外分光法を用いた母乳分析計(Miris Human milk analyzer)により測定しました。食事調査は簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ: Brief-type self-administered diet history questionnaire)を用いて栄養摂取量を算出しました。各調査結果の統計解析を行い、母親の摂取栄養素量と母乳の主要栄養素濃度の関係を調べました。

○結果および考察
 当該調査期間に母乳の提供を受けた270名を対象に調査を実施しました。母親の年齢は平均31.0歳、乳児の日齢(分娩後日数)は中央値で58日でした。分娩後日数は母乳の粗たんぱく質(中央値1.2 g/100mL)ならびに純たんぱく質(中央値0.9 g/100mL)濃度との間で弱い相関を示しました(相関係数r=-0.290, 有意確率p<0.01(粗たんぱく質濃度; 図1)、r=-0.278, p<0.01(純たんぱく質濃度))。また、母乳採取時における乳児の体重(中央値4710 g)は、母乳の炭水化物以外の各主要栄養素濃度との間でわずかに相関を示しました(相関係数±0.15~0.20, p<0.05)。一方、母親の摂取栄養素量と母乳の主要栄養素濃度の間において、いくつかの統計学的に有意な相関が認められました。具体的には、母親のn-3系脂肪酸摂取量(中央値2.4 g/日)と母乳中のたんぱく質濃度(r=0.128, p<0.05(粗たんぱく質濃度)、r=0.142, p<0.05(純たんぱく質濃度))との間、ならびに、母親の灰分摂取量(中央値16 g/日)およびナイアシン摂取量(中央値14 mg/日)と母乳中の純たんぱく質濃度との間(r=0.126, p<0.05(灰分)、r=0.126, p<0.05(ナイアシン))で、いずれもわずかに相関を示しました。また、分娩後日数による影響を考慮した回帰分析の結果、粗たんぱく質濃度とn-3系脂肪酸摂取量の間において関連が認められ、粗たんぱく質濃度はn-3系脂肪酸摂取量の増加に伴い増加する可能性が示唆されました(非標準化係数※1 β=0.049, p<0.001, 決定係数※2 R2=0.088、図2)。

○結論
 母乳の主要栄養素濃度は、分娩後日数の経過などに応じて変化することが改めて確認されました。一方、母親のn-3系脂肪酸などの栄養素摂取量と母乳のたんぱく質濃度は関連する可能性があり、今後も更なる検討が必要であると考えております。

※1 非標準化係数(偏回帰係数):回帰分析において得られる係数のことで、ある独立変数(説明変数)が1増えたときにこの係数を乗じた値が従属変数(目的変数)の予測値となります。今回の結果では、n-3系脂肪酸摂取量が1g/日増えると、母乳中の粗たんぱく質濃度は0.049 g/100mL増えるという関連性があることを意味してします。

※2 決定係数:得られた回帰式がどのくらい当てはまるかを説明する値のことで、寄与率ともいいます。今回の結果では、n-3系脂肪酸摂取量や分娩後日数だけで母乳の粗たんぱく質濃度を十分に説明できているとはいえず、より的確に説明できる関連性は他にもありえることを意味します。

【雪印ビーンスターク 全国母乳調査につきまして】
母親の生活習慣と母乳成分が乳児に与える影響に関する研究のために実施しております。
①  目  的:母乳成分とともに母子の背景情報を収集しその相互関係を把握する
②  対  象:母乳哺育している母親約 1,200 名
③  方  法:母親から母乳を提供いただくとともに、食事や生活習慣のアンケート、乳児の発育や疾病状況の 
                    アンケートを実施
④  実施期間:2015年~2023年(追跡調査を行うため長期実施となります)
※第1回(1960年実施)と第2回(1989年実施)の母乳調査につきましては当社ホームページをご覧ください。
https://www.beanstalksnow.co.jp/labo/milk/

【企業情報】
雪印メグミルクグループ 雪印ビーンスターク株式会社 (Bean Stalk Snow Co.,Ltd.)
設 立  :2002年8月7日
代表者  :代表取締役社長 稲葉 聡
URL     :https://www.beanstalksnow.co.jp

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出産・育児
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URL
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業種
製造業
本社所在地
新宿区 四谷本塩町 5-1
電話番号
03-3226-2133
代表者名
渡辺 滋
上場
未上場
資本金
5億円
設立
2002年08月
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