横浜ダンスコレクション2016・オープニングプログラム『無・音・花』とは?

横浜で1月23日(土)から2月14日(日)まで開催されるダンスの祭典、横浜ダンスコレクション2016。
今年で21回目を迎えます。
そのオープニングを飾るのが、横浜ゆかりの現代美術家と振付家のコラボレーション作品『無・音・花』。
初めての顔合わせとなったふたりがどんな作品を育くみつつあるのか、その制作記をお届けします。

「無音花畑 NYK」BankART Studio NYK展示風景

 

聞こえないはずの音が聞こえる『無音花』

横浜を中心に活動するアーティスト、丸山純子さんと、韓国出身で横浜ダンスコレクションのコンペティションで受賞経験のある振付家チョン・ヨンドゥさんがひとつのダンス作品を作り上げる『無・音・花』。

丸山さんは花畑をレジ袋で作る美術作品『無音花』シリーズを約20年間に渡り作り続けています。
「レジ袋をたたんで片づける作業が、小さい頃に粘土を丸めてバラを作ったことを思い出させたのがきっかけです。たくさん花を作ってその中にたたずんでみたかった。囲まれていると、物言わぬ花のはずなのに、不思議と音が聞こえると感じることがあります」

奇しくも、本イベントのプロデューサーも、丸山さんの作品を見たときに同じことを感じ、ダンスとのコラボを思いつきます。
「その音とは見た人の心象風景から奏でられるものだと思うのです。この作品とコラボするなら、呼吸や鼓動といった内からの生命のリズムを大切にするチョン・ヨンドゥさんがぴったりだと感じました」
プロデューサーに引き合わされたふたりは、横浜とソウルで、お互いの創作に刺激を受け、スカイプで会話を重ね、アイデアを出し合って、約10か月間に渡り作品を作り上げてきました。



こだわったタイトル。「・」の意味

チョン・ヨンドゥさんは『無音花』を初めて見たときに「自分と通ずるものがある」と感じたそうです。
「この作品とのコラボを提案されたことによって“横浜が僕のことをよく理解してくれている”と実感しました。また会場の横浜赤レンガ倉庫1号館は日本で初めて公演した場所なので純粋に嬉しかったです」

ダンサーたちと丸山さんが最初にやったことは、実際に花を作ってみることでした。
「この作品は作ることが重要なのです。安価なレジ袋の軽くて半透明で、それでいて強くて、こちらを突き放すような素材を感じて共有できたらと思いました。この経験がどうダンスに活かされるのか興味がありました」と丸山さん。
ダンスは舞台で消えゆくもので、映像作品や美術作品のように残るものではありません。
「残る作品に僕はいつも軽いジェラシーを感じています。だから残るものを自分の手で作った経験は得難いものでした。花は生きている感じがしました。作りながら僕は丸山さんをどれだけ深く理解できるだろうかと考えていました」
そしてチョンさんは『無音花』のタイトルに「・」を入れて『無・音・花』にすることを提案します。
「固有名詞としてのひとつだけの意味ではなく、無、音、花という漢字それぞれの意味も汲み取りたいと思ったのです」

いっぽう丸山さんは、自分の作品にチョンさんの人生や考え方が重なってくることをとても新鮮に眺めています。
ダンスという肉体表現に触れたこと、チョンさんが提案した「・」の中に自分の作品にはない時間や動きの要素を感じたこと、また自身の日常生活の事件から、手で描いて記録する『痕跡』という作品を作っています。
この時期の丸山さんを表現するものとして『痕跡』は公演のときにホワイエ(ロビー)にて展示されます。
 

《痕跡》

 


21年目の新たな出発

20年という節目を経て、横浜ダンスコレクションは今年から独自の作品を制作するプロジェクトを始めました。
横浜にゆかりの深いふたりのアーティストのコラボ作品は、その新たな幕開けにふさわしいものと言えるでしょう。
舞台には、どことなく陰&陽の形を模した花畑が作られ、約1500本もの花が飾られる予定です。

最後にふたりはお互いにどのような化学反応を期待しているのでしょうか?
丸山さんは「見たことがないもの、想像を超えたものが出来上がると嬉しいです」と語っています。
チョンさんは「丸山さんの作品が、美術館やギャラリーなど普段の展示の場と違って見えるといいなと期待しています。美術作品、ダンス作品を見るというより、公園で花や太陽の光に触れるように、感じてもらえたらと思います」

「拮抗する違う感性が作り上げる作品もあるけれど、互いに理解し、寄り添いあって作る作品もある。この作品は後者です。ふたりは”共振”すると思ったのです」というプロデューサーの言葉通り、ふたりのアーティストは心地よく響き合いながら『無・音・花』をステージの上に咲かせようとしています。
 

《無・音・花》会場で稽古中

 

 

無・音・花

【日時】1月23日(土)   18:00
             1月24日(日)   14:00 / 18:00
【会場】横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホール
【美術・演出】丸山 純子
【振付・演出・出演]】チョン・ヨンドゥ
【出演】戸沢 直子、中原 百合香、西岡 樹里、濱田 陽平     
【料金】3,000円、学生2,000円(当日券+500円)

詳しくはこちら→http://www.yokohama-dance-collection-r.jp/jp/opening.html

 

 

 

横浜ダンスコレクション2016 概要

【開催期間】2016年1月23日(土)~2月14日(日) 計23日間
【会場】横浜赤レンガ倉庫1号館(メイン会場)・屋外広場、象の鼻テラス 他
【主催】公益財団法人横浜市芸術文化振興財団
【共催】在日フランス大使館 / アンスティチュ・フランセ日本 他

公式WEB→http://www.yokohama-dance-collection-r.jp/
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