男性の化粧品購入の実態と美容に関する意識調査

40~60代男性の5割強が『美容に関心あり』
美容で気になっていることは多いが、『対処法がわからない』


株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:宮首 賢治)は、40~60代男性のスキンケア化粧品の購入実態と美容に関する意識について、当社の全国個人消費者パネル調査「SCI-personal」の購買データおよびインターネットによる「SCI-personalアドオンリサーチ」の調査結果をもとに分析した。


分析者:マーケット・アナリスト Shazadigul・Shawut(シャザディグリ・シャウティ)
(FMCG事業本部カスタマーサービスユニットカスタマーサービス4部)


■はじめに
近年、男女の性差意識が薄れ商品の“ボーダレス化”が進行するなか、男性消費者の美容意識が向上し、女性向けに開発された商品を男性が使用する傾向もみられる。そこで、このような社会変化のなかで男性の化粧品購入や美容意識について、特に40~60代の男性に注目してその実態を調査・分析した。さらに、一定金額以上のスキンケア化粧品を購入している層を「市場牽引者」としてフォーカスし、その特性の一端を探った。


●調査結果のポイント
・スキンケア化粧品の年間購入金額が2000円未満と2000円~5000円未満の男性が最もよく購入しているスキンケア商品は「洗顔料」、次いで「メンズスキンケア商品」。5000円以上の男性を対比してみると「化粧水」「美容液」「栄養クリーム」「乳液」の金額構成比の割合が高く、費用の差にみる美容意識の違いが最も顕著に表れている
・40~60代男性の5割強が美容に関心をもっている
・自分の外見で気になっていることのTOP3は「髪の毛が少ない」(35.1%)、「白髪が多い」(34.8%)「口臭」(29.2%)
・気になっていることのうち『対処方法がわからない』ため対処していないことは、「毛穴が目立つ」(86.2%)、「くまが目立つ」(93.9%)、「ニキビ・吹き出物が出やすい」(75.3%)、「シミ・ソバカスがある」(87.5%)、「たるみが目立つ」(88.2%)、「むくみ」(87.8%)、「背中のニキビ・吹き出物」(89.8%)、「髪にハリ・こしがない」(78.6%)
・スキンケアに期待する効果は、「清潔感を与える」(44.5%)が最も多く、「健康的にみえる」(32.3%)、「身だしなみが整う」(31.3%)、「若々しくみえる」(30.8%)が上位を占める。一方、年間購入金額5000円以上の男性は、上記に加えて「老化を遅らせる」(32.7%)、「現状を維持できる」(28.6%)の割合が高い
・商品を選ぶ際に最も重視するのは「効果が高いこと」(51.3%)、「自分の肌に合っていること」(49.5%)、「価格が安いこと」(49.2%)。「男性用であること」を重視する人は14.1%と低い



【調査結果】

◇市場動向(SCI-personalデータ)

1.男性の化粧品購入傾向

1)誰が買っているのか?
年代別のスキンケア化粧品購入状況を確認すると、20代の購入率が最も高く、年代が上がるに従って低くなる傾向が見られる。購入者当りの年間購入金額も20代が最も高いが、40代以上をみると年代が上がるにつれて高くなっている。

2)購入傾向はどうなっているのか?
40~60代のスキンケア購入金額分布を見ると、スキンケア化粧品を購入している人の中で年間5000円以上購入している人は全体の7.6%で、この層が購入金額の43.7%を占めている。

3)どのようなスキンケア化粧品を買っているのか?
購入カテゴリーをみてみると、スキンケア化粧品の年間購入金額が2000円未満と2000円~5000円未満の男性が最もよく購入しているのは洗顔料であり、次いでメンズスキンケア商品、化粧水となっており、「メンズ(男性用)」として販売されている商品の中から各スキンケアカテゴリーを選択・購買・使用している様子がうかがえる。
一方、年間購入金額が5000円以上の男性は化粧水(21.0%)、美容液(15.0%)、メンズスキンケア商品(11.3%)、栄養クリーム(9.6%)、乳液(8.0%)と女性顔負けのラインナップでケアをしていることがわかった。また、メンズスキンケア商品よりも女性向けの化粧水、美容液の割合が高いことから、男性用、女性用にこだわらず、各スキンケアカテゴリーの中から各商品を見極めたうえで購入していると思われる。   

具体的にどのような視点で商品を選択しているかは、後半の意識調査で検証するが、今後の男性スキンケア化粧品市場においては、若年層に継続的な購入を促しつつ、40~60代では美容意識と商品コンセプトを合致させ、購買意欲を高めることが非常に重要であろう。

※「メンズスキンケア商品」とは、男性専用の主に顔に使用する化粧水、乳液、クリームを示す。
※「化粧水」「美容液」「栄養クリーム」「乳液」「パック」は、一般的に女性向けの商品を示す。



◇意識調査(インターネット調査:SCI-personalアドオンリサーチ)

2.40~60代男性の美容意識

1)美容に関心をもっている?
「美容への関心」を聴取したところ、全体で14.1%が「関心がある」と答えており、「どちらかといえば、関心がある」と答えた人も39.6%いる。40~60代男性の5割強が美容に関心をもっていることがわかる。

2)自分の外見ではどのような点が気になっている?
自分の外見で気になっていることのTOP3をみると、「髪の毛が少ない」(35.1%)、「白髪が多い」(34.8%)「口臭」(29.2%)と頭髪に関わる項目が上位を占めた。さらに、「スタイル・体型」(25.7%)、「たるみが目立つ」(20.5%)、「歯の黄ばみ」(20.4%)、「しみ・ソバカスがある」(20.2%)と続く。

次に、気になっていることに対して『対処している』ことは、「肌がかさつく・乾燥する」(50.8%)、「体臭(ワキガも含む)」(49.6%)、「敏感肌(かゆみ、乾燥など)」(49.1%)、「髪型・ヘアスタイル」(48.2%)、「口臭」(48.2%)と、肌の乾燥や臭いに関してはなんらかの対処をしている割合が大きいことがわかる。
一方、気になっていても『対処していない』ことの「くまが目立つ」(93.9%)、「背中のニキビ・吹き出物」(89.8%)、「たるみが目立つ」(88.2%)、「むくみ」(87.8%)、「シミ・ソバカスがある」(87.5%)、「毛穴が目立つ」(86.2%)、「髪にハリ・こしがない」(78.6%)、「ニキビ・吹き出物が出やすい」(75.3%)では、対処していない理由として、「対処方法が分からない」人が3割前後いるという興味深い結果となった。
この結果は、スキンケア市場において男女の美容が同等の位置づけではないことや、男性を対象とする美容カウンセリングや商品・情報提供が少ないことを物語っているのではないだろうか。


3.40~60代男性のスキンケア意識

1)顔のお手入れにどのくらい時間を使っている?
『顔のお手入れ時間』は、「5分以内」が86.7%、「15分以内」が11.9%だった。一方、年間購入金額が5000円以上の男性では「5分以内」が76.3%と最も多いが、「15分以内」が20.3%、「30分以上」が3.4%おり、お顔のお手入れ時間が比較的長いことがわかる。

2)スキンケアに何を求めている?
スキンケアに期待する効果は、「清潔感を与える」(44.5%)が最も多く、「健康的にみえる」(32.3%)、「身だしなみが整う」(31.3%)、「若々しくみえる」(30.8%)が上位となり、マナー・礼儀としてスキンケアを行っていることがうかがえる。また、「特にない」は22.9%存在し、期待することは特にないが習慣としてスキンケアを行っていることが想像できる。
年間購入金額が5000円以上の男性では、「老化を遅らせる」(32.7%)、「現状を維持できる」(28.6%)の割合も高く、スキンケアによるアンチエイジング効果を期待していることがみてとれる。

3)スキンケア商品を購入する決め手は?
スキンケア購入者に『商品を選ぶ際の重視ポイント』を聞いたところ、最も重視するのは、「効果が高いこと」(51.3%)、「自分の肌に合っていること」(49.5%)、「価格が安いこと」(49.2%)であった。「男性用であること」を重視する人は14.0%と低い。
年間購入金額が5000円以上の男性は、「自分の肌に合っていること」(67.7%)、「効果が高いこと」(52.9%)を重視する割合が高いのが目立つ。また、「信頼しているブランドあるいはメーカーであること」(27.9%)、「使い続けている商品であること」(23.9%)を重視する割合が高いのも特徴的である。一方、「価格が安い」(36.4%)はトータルと比べて低い。

■総括
男性のスキンケア化粧品の購買傾向では、年間購入金額が2000円未満の少額層が75.0%と市場拡大の余地は十分にあるものと推察される。
なお、このレポートの調査対象者は一般的には中高年と呼ばれている40代~60代であるが、生涯発達論的観点から人生を4区分した時のサード・エイジ(達成・充実・完成)の期間にあたる『サード・エイジャー』の概念を導入することを提案したい。
サード・エイジャーは便宜的には40代あるいは50代以降を指す、いわば中高年の代名詞として使われることも多いが、労働状況が大きく変化して実年齢とライフスタイルや価値観、関心事との関連性が希薄になった現代において、中高年の存在が多種多様であることを意味する概念でもある。
サード・エイジャーの男性を新たなターゲットと考えた場合、今回の調査結果によって「アンチエイジング」など特定の効果訴求化粧品についての啓蒙が重要であることが示されたといえる。また、美容の悩みに応じた適切な商品を提供すると同時に、男性を対象とする美容カウンセリングや商品情報を提供し、「自分に合った」商品に出会うきっかけを作り、消費を促し、そして、お気に入りとして使い続けてもらえるような施策が今後のマーケティングのキーになるのではないだろうか。
さらに、当たり前の傾向であるともいえるが、「低価格」を強調するもの(品質差があまりないと思われている商品)と、高価格だが高効果という「品質機能」を強調する商品の差異化も検討すべきと考える。
上記で述べてきたように、『サード・エイジャー』の多様な考え方やライフスタイルに着目することは、マーケティング戦略にとって意義のある考え方であろう。今後、こういった視点から調査分析を行い、彼らのニーズに沿った商品開発や情報提供に役立つ提案に繋げていきたい。


【調査概要】SCI-personalアドオンリサーチ
調査方法 :インターネット調査
調査対象者 :全国のSCI-personalモニター 40~69歳の男性
サンプル数 :回収サンプル数 2,081s、 集計サンプル数 22,515s
※国勢調査の人口構成比に合せ、エリア×年代でウェイトバック集計し分析
調査期間 :2012年5月11日(金)~5月14日(月)
調査実施機関:株式会社インテージ


<SCI-personalおよびSCI-personalアドオンリサーチ>
SCI-personal (全国個人消費者パネル調査)は、食品(生鮮・惣菜・弁当などを除く)・飲料・日用雑貨品・医薬品の消費者購買パネル調査です。消費者購買パネルモニターが購入した商品のバーコードを携帯端末でスキャンし、インターネット調査画面から、その商品を購入したルートや個数・金額などを入力することで、日本全国の男女50,000人の消費者購買行動が分析できます。
SCI-personalアドオンリサーチは、SCI-personalのモニターに対してインターネットリサーチを実施し、ショッピングログ(買い物記録)と組み合せた分析を行うサービスです。消費者購買パネルモニターのショッピングログと背景にある意識や価値観がつながることで、ニーズ別の市場ボリュームや変化の要因などを正確に掴むことが可能です。


【株式会社インテージ】 http://www.intage.co.jp/
株式会社インテージ(市場名:東証1部・4326、本社:東京都千代田区、設立年月日:1960年3月2日、代表取締役社長:宮首 賢治)は、インテージグループ各社とともに、リサーチノウハウ、データ解析力、システム化技術と、これらに基づく情報評価力をコア・コンピタンスとして、経営およびマーケティング上の意思決定に役立つ情報(Intelligence)を提供。国内マーケティングリサーチ最大手として、お客様のビジネスの成功に貢献してまいります。

【この件に関するお問合せ先】
■株式会社インテージ 経営管理部 広報IRグループ
担当:小関(おぜき)/上村(うえむら)
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弊社サイト「お問合せフォーム」
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