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特定非営利活動法人ウォーターエイドジャパン
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繰り返す干ばつと洪水-極端な気候の変化が数百万人の生活を破壊していることが水・衛生専門の国際NGOウォーターエイドの調査で明らかに

特定非営利活動法人ウォーターエイドジャパン

ウォーターエイドが発表した新たな調査は、今世紀に入ってから、貧困下で暮らす世界中の何百万もの人々が、極端な異常気象を経験していることを明らかにしています。最先端の衛星写真は、人々がいかに洪水と干ばつの二重苦にさらされているかを表しており、実際に干ばつと洪水の極端な2つの現象に見舞わていれる人々のストーリーはその悲惨さを物語っています。ウォーターエイドは、第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議 (以下COP28)で気候変動への適応策を講じなければ壊滅的な結果を招くと警鐘を鳴らしています。

ウォーターエイドと英国のカーディフ大学、ブリストル大学が発表した気候データの分析は、説得力のある衛星写真と共に、極端な気候の変化によって以前は頻繁に干ばつに見舞われていた地域が、現在では頻繁に洪水に見舞われていること、また、反対にこれまでは洪水の起こりやすかった地域で、現在ではより頻繁に干ばつが発生するといったように、この地域に暮らすコミュニティに壊滅的な影響を及ぼしていることを明らかにしています。


この調査では、ウォーターエイドが活動している パキスタン、エチオピア、ウガンダ、ブルキナファソ、ガーナ、モザンビークの6か国に加え、気候変動の影響は一部の地域だけではなく、世界的な現象であることを示すためにヨーロッパの比較対象としてイタリアを含めた7か国における過去41年間の洪水と干ばつの頻度と規模を検証しました。

↑パキスタン・シンド州を流れるインダス川の2018年の干ばつ時(左)と2022年の洪水時(右)の衛星写真


その結果、過去20年間で、パキスタン、ブルキナファソ、ガーナ北部は、従来、高温で乾燥な気候だったものが、一転してますます湿潤になり、洪水に見舞われやすくなっていることが明らかになりました。対照的に、エチオピア南部のシェベリ地方は、1980年から2000年の間に何度も洪水が発生していましたが、近年は長期にわたる深刻な干ばつが発生する気候に変化しました。この地域一帯は、アフリカの角と呼ばれ、2022年に過去40年で最悪とも言われる干ばつに見舞われていましたが、今年4月に大洪水が発生したことで、その干ばつはようやく終息を迎えました。


同様の現象は北イタリアでも見られており、エチオピアとイタリア両国で発生した深刻な干ばつの回数は2000年以降2倍以上に増えた一方で、2023年5月と7月にイタリア ロンバルディア州で洪水が発生したように、干ばつと洪水といった極端なパターンの変化が、世界各地で確認されていることを表しています。

 

ウォーターエイドは、COP28で気候変動への適応策を講じなければ、このような気候の変化によって、水不足や食料不足を引き起こし、人々が貧困、強制移住、病気、最悪の場合には地域間の紛争のリスクに直面することになると警告を発しています。


ウォーターエイドUKの最高責任者であるティム・ウェインライトは、次のように述べています。

 「気候危機は水の危機です。今回の調査で明らかになったように、気候はますます予測不可能になり、壊滅的な結果をもたらしています。干ばつに見舞われた農地から洪水に見舞われた集落まで、さらにパキスタン、ブルキナファソ、ガーナ、エチオピアのコミュニティなど、世界中が極端な気候の変化によって影響を受けています。グローバルな水ストレスの代償を払うのは地球に暮らす私たち全員ですが、今、現在進行形でその代償を払っているのは、気候危機による洪水や干ばつが今まさに起きている地域で生きる人々です。COP28まであと1週間となりましたが、気候変動への適応を先送りするようなサミットにしてはなりません。グローバルリーダーたちは緊急性を認識し、気候変動に強いレジリエントな水システムへの投資を優先しなければなりません」


 <パキスタン>

2022年、国土の3分の1が水没する壊滅的な洪水が発生したパキスタン。南部のシンド州バディン県にあるバチャル・ビール村は、大きな被害に見舞われた村のひとつです。村人の1人、ソニ・ビールさん(83歳)は、温かい気候と湿潤な気候が適切な頻度で訪れ、地元の農業が栄え、村人たちが健やかな日々を享受していた子供時代を回想し、変わってしまった現在の状況を前に次のように話します。

「私たちの村は洪水で流されましたが、洪水は私たちに重要な教訓を与えてくれました。今、60cmの高さの土台で家を高くしています」

 洪水は飲料水の水源も汚染してしまいます。モマル・アブドゥル・カイユムさん(44歳)は次のように語ります。

「水の一滴一滴がギー(高価な澄ましバター)のように大切にされ、貴重で高価な資源として扱われています」


<ウガンダ>

ウガンダでは、エルゴン山の陰に位置する東部のムバレ県も、過去3年の間に発生した未曾有の洪水が示すように、より湿潤な気候に移行する顕著な傾向を示しています。元小学校教師のオケチョ・オポンドさん(70歳)にとって、気象パターンの変化は大きな課題となっています。

 「私たちは完全に困惑しています。以前は雨が降っていた月も、今は乾燥しています。雨が降れば、短時間で大雨になり、洪水となります。雨期が長すぎるため、インフラが破壊され、農作物が不作になることもあります。また、乾期が非常に長くなり、農作物の不作や飢餓につながることもあります」

 

3児の母であるローズさん(28歳)は、洪水が地域の水供給に与える影響について次のように説明しています。

「私たちの村には井戸が2つあります。雨期になると、片方の井戸は上流から流れてきた水で泥に覆われ、水質が悪化します。井戸の水を飲んで、人々が病気になることもよくあるため、井戸の水を半年間飲まないようにと保健当局から勧告されたこともあります」

予測不可能な気象の影響を軽減するために、コミュニティは、土壌浸食防止の目的で生垣を作ったり、洪水の可能性があるエリアから離れたところにトイレを作ったりと対策を講じています。近くのエルゴン山の斜面に竹林を築き、地滑りを防ごうとしていると話す人もいます。


<モザンビーク>

今回の調査によると、モザンビークの首都マプト周辺の高度に都市化された地域における気候の変化は、長期的な干ばつが洪水によって中断される特徴的な傾向が見られます。

「洪水は私の教育に大きな影響を与えました。今まで勉強した知識が水と一緒に流れてしまったようです。2月の雨はトラウマになりました。空が曇ると、いつも怖くなります。洪水が起こったあの日は、私の記憶から消えることはないでしょう」


共同研究者であるカーディフ大学地球環境科学部のマイケル・シンガー教授は、このような気候現象はこれらの国だけに限ったことではないと言います。

「最も顕著なのは、多くの場所で気候が大きく変化していることです。具体的に述べれば、私たちの調査地の多くが、干ばつから洪水へ、あるいはその逆の気候への変化を経験しています。

この研究の対象は、ごく一部の国とその中の特定の地域に限られていますが、両極端な気候への変化、あるいはより一般的には、洪水や干ばつによる災害の頻度や規模の変化は、地球上のほとんどの地域で取り組まなければならないことだと考えています」

 

ブリストル大学カボット環境研究所の乾燥地水文学教授であるカテリーナ・ミカエリデス教授は、次のように付け加えます。

「気候変動は、世界的に気温が上昇している一方で、すべての場所で同じように気候パターンが変化していくものではないことが分かってきています。

それどころか、どの地域でも、こうした脅威の実態は予測不可能なかたちで変化する可能性が高いのです。世界中の人々の命と生活を守る気候変動適応策を推進するためには、これらの要因を考慮しなければなりません」

 

このような極端な気候パターンの変化にさらされているコミュニティは、多くの場合、気候変動に対処する術を持ち合わせていません。一方、こうした脆弱なコミュニティにおいて、気候変動の影響下でも、清潔な水を使い続けることができるよう、低中取得国の水分野への資金拠出を拡大・最適化することは、人々の命を救うだけでなく、経済的な繁栄を後押しすることにもつながります。ウォーターエイドは、今年のCOP28で国際社会のリーダーたちに対し、清潔な水、適切なトイレ、正しい衛生習慣の普及を気候適応プログラムの重要な要素として優先させるとともに、低中所得国における水の確保に向けて資金拠出を急速に拡大するよう呼びかけています。

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https://www.wateraid.org/jp/media/WaterAid-research-reveals-climate-whiplash
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古米弘明
上場
未上場
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設立
2013年02月
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