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独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構
会社概要

ロール・ツー・ロール印刷技術(注1)による大面積MEMS画像ディスプレイ(注2)の開発【産技助成Vol.77】

独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
東京大学生産技術研究所


薄いプラスチック・フィルム上に印刷技術でマイクロパターンを加工し
それを貼り合わせて色味を変えられるシートを開発。
画像ディスプレイとしての応用と新たな広告媒体としての展開に期待が高まる。
main image
【新規発表事項】 
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)の産業技術研究助成事業(予算規模:約50億円)の一環として、東京大学生産技術研究所の准教授、年吉 洋氏は、電子デバイスの作製等に応用が期待されているロール・ツー・ロール印刷技術による大面積MEMS画像ディスプレイの開発をしました。
本技術は、ロール・ツー・ロール印刷技術によって製造コストを抑え、1平方メートルあたり数百円程度と、低価格な透過光型フレキシブルディスプレイする技術です。色再現性と解像度、表示速度は従来の液晶ディスプレイに劣るものの、安価な広告媒体用ディスプレイとしての広範な活用が見込まれます。
静電気によって色味を制御するので、電気的に表示内容の書き換えが容易にできます。さらにこのディスプレイは曲げることもできるので、大きな柱の周りや電車、ビルの窓等に貼って、広告の更新時にも張り替え作業無しで電気的な書き換えが可能な新しい広告媒体となる可能性を秘めています。

(注1)ロール状に巻いた印刷用紙・フィルムに、シリンダに刻み込まれている模様をインクで印刷し、その紙を別のロールに巻き取る印刷技術。効率良く量産できるため、近年は電子デバイスの作製などへの応用が期待されている。
(注2)MEMS(メムス)はMicro Electro Mechanical Systemsの略で、電子回路(制御部)と微細な機械構造(駆動部)を1つのシリコン基板上に集積した部品。最近ではシリコン以外にもプラスチック系のMEMS技術が注目されており、本研究では大型の画像ディスプレィへの応用技術を開発した。


1.研究成果概要
このデバイスは図1の断面模式図(ディスプレイ側左)に示すように、厚さ0.2mm程度の薄いPENプラスチック基板の上に光学反射膜(厚さ12nmのアルミ)と光学干渉膜(厚さ210〜370nmのシリコン酸化膜)を形成したものであり、エアギャップ・スペーサ(厚さ0.6μm)内の空気層を挟んで光学反射膜付きの上部フィルム(厚さ16μm)と貼り合わせることにより、透過型のカラーフィルターとして機能します。
光の反射にも利用する金属反射膜を静電駆動用の電極として電圧を印加すると、上部の薄いフィルムがエアギャップ内の空気を押しつぶしながら下部電極方向にたわみます。このとき、光の波長を選ぶための上下の金属反射膜の間隔(ファブリ・ペロ干渉長)が変化するため、透過光の色味が変化します。本方式では、駆動電圧を印加しないときの透過光は灰色に、駆動時には干渉膜の色(赤、緑、青)が見えるように、シリコン酸化膜による光学干渉膜の厚みを設計しました。
 なお、本研究は産業技術研究助成事業インターナショナル分野の採択研究として、東京大学生産技術研究所とフィンランドVTTとの国際共同研究による成果です。


2.競合技術への強み
(1)簡単な構造をしているので製造が容易
液晶ディスプレイが10層程度のパタ―ニングした膜で構成されるのに対し、本研究の構造は最小6層で構成が可能で、比較的簡単な方法で製造できます。
(2)大きな面積が期待でき、かつ安価で供給
半導体プロセスを用いた製法では直視のディスプレイ面積は数インチに限られるのに対し、本研究の手法は印刷機のウェブ幅(紙送り機構の幅)まで拡大できます。すなわち、ポスターを印刷する感覚で、電子書き換え型の大型画像ディスプレイが製造可能になります。
3)広い応用範囲
構造が単純であり、低価格で製造できるので、従来には見られない方面への応用が期待できます。例えば大型の電子広告(サイネージ)はもとより、可変色ステンドガラスや可変色照明、3次元画像ディスプレイの着色機構等への応用を想定しています。

3.今後の展望
静電気で駆動するMEMSファブリ・ペロ干渉計の原理を応用し、印刷技術によってピクセル単位で集積化することに成功しました。今後は発色の場所をコントロールするために、アドレシング用のエレクトロニクス回路を同じく印刷技術で製作していきたいと思います。
 また、2枚のシートで空気層を形成し、その厚さを変えることができるという世界初の本技術は、いろいろな用途が考えられるのではないかと思います。例えば、光の波長を静電気によって変えることができるという特長を生かして、紫外線をシャットアウトする電子シェード等、さまざまな派生商品を開発できるのではと期待しています。


4.参考
成果プレスダイジェスト:東京大学准教授  年吉 洋氏

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種類
その他
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URL
http://www.nedo.go.jp/
業種
製造業
本社所在地
神奈川県川崎市幸区大宮町1310番 ミューザ川崎セントラルタワー16~21階
電話番号
044-520-5100
代表者名
村田 成二
上場
未上場
資本金
-
設立
-
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