ダッソー・システムズ、初の心臓シミュレータの商用化を発表

3Dモデリングにより実際の心臓の形状や挙動を忠実に再現、心疾患治療の研究や医療機器のテストを後押し

3Dエクスペリエンス企業であり、3D 設計ソフトウェア、3Dデジタル・モックアップ、そしてプロダクト・ライフサイクル・マネジメント(PLM)ソリューションにおける世界的リーダーであるダッソー・システムズ (Euronext Paris: #13065, DSY.PA) は20日、ベルリンで開催された同社SIMULIAブランドのユーザー会 (SIMULIA Community Conference) において、同社が推進してきた「リビング・ハート・プロジェクト」の最初の成果となる、人間の心臓とその挙動を忠実に再現する3Dシミュレーション・モデルを、2015年5月29日より商用化することを発表しました。

 

この3Dシミュレーション・モデルの作成には、ダッソー・システムズの3Dエクスペリエンス・プラットフォーム上のリアリスティック・シミュレーション・アプリケーションが使われました。本モデルは実物の心臓そのままの形状と挙動を再現し、心臓の4つの部屋 (右心房、右心室、左心房、左心室) を備え、科学的に検証され一般に提供されるもので、この種のものとしては初めての3Dシミュレータとなります。このモデルを使用することで、医療機器メーカー、医療研究者、医療専門家は、バーチャル・テストを行ったり、これまでの物理的な試験では不可能だった方法で心臓の反応を可視化したりすることができます。

今回商用化される「リビング・ハート・プロジェクト」の3D心臓モデルは、健康な人間の標準的な心臓を再現したものです。使いやすいソフトウェア・エディタを用いて形状や細胞特性に変更を加えることで、使用者は先天的欠損症や心疾患について学習することができます。さらに、シミュレータの中に医療機器を挿入し、 (医療機器が) 心臓機能に与える影響を学習したり、その有効性を検証したり、動作条件によって左右される信頼度を予測したりすることができます。たとえば、冠状動脈ステントの挿入にあたり、最適な効果を得るために適したステントのタイプ、サイズ、挿入場所はどこか、といったことを、本シミュレータを使って事前に検証できます。

医学博士、American College of Cardiologyフェローでブラウン大学アルパート・メディカル・スクール (米国) の臨床学助教授を務めるRobert Schwengel氏は、次のように述べています。「シミュレーション技術の進歩については知っていましたが、『リビング・ハート・プロジェクト』に関わるまでは、自分が心臓専門医として、あるいは医学の教育者として日々取り組んでいるような種類の課題に応えられるものとは思っていませんでした。このプロジェクトがもたらす3D体験に時間を費やすうちに、このような製品は、患者さんや医学生、現場の医療専門家の教育の一助として非常に強力なものであるとともに、(こうした製品が) 診断技術の進展や、内科治療の個別化につながることを確信しました」

2014年に発表された「リビング・ハート・プロジェクト」は、クラウド・ソーシングを活用して45のメンバー (企業・団体) をつなぎ、各メンバーのIP (知的資産) を保護しながら、3Dモデルの構築を行っています。プロジェクトのメンバーには、米国食品医薬局 (FDA) 、米国Medical Device Innovation Consortium (MDIC) 、技術提供者、心臓専門医、セントジュード・メディカルなどの医療機器メーカー、メイヨー・クリニックなどの病院が含まれています。クラウド・ソーシングというユニークなアプローチの採用により、プロジェクトメンバーは、(個々の要請に応じて) 心臓シミュレーション・モデルの試験を個別に実施したり、論文審査のある学術専門誌への投稿論文に本モデルを含めたり、といったことができました。これらの実績が、ダッソー・システムズによる本プロジェクトの商用化を、予定よりも早く実現することに寄与しました。これは、プロジェクトのアプローチの効果を立証し、シミュレーション技術が心疾患の重要課題に応えうるということを再確認できました。

ダッソー・システムズでSIMULIAブランドのCEOを務めるスコット・バーキーは、次のように語っています。「物理学ベースの、シミュレーションに対応した初めての心臓モデルを、このたび商用化できることは、心臓血管科学の進歩につながるデジタル医療機器に向かう大きな道しるべとなり、ひいては患者さんのQOL (生活の質) に直接影響を与えるものと思います。『リビング・ハート・プロジェクト』は、私どものテクノロジーが、人体のシミュレーションを通じて治療法を変えうることを示すものです。私たちは、今後も生物医学コミュニティやパートナー企業とのコラボレーションを継続し、心疾患をもつ患者さんのエクスペリエンスを向上させるようなテクノロジーやアプリケーションの提供に努めていきます」

今回発表された『リビング・ハート・プロジェクト』による3D心臓モデルには、解剖学の見地から細部まで明確に定義された心臓および近位脈管構造 (大動脈弓、肺動脈、上大動脈など)が含まれています。心臓シミュレーション・モデルの動的な反応は、電気信号・構造・流体 (血流) のリアリスティックな物理特性によって制御されています。

心臓シミュレータの一般向け提供に加え、「リビング・ハート・プロジェクト」のメンバーは、共同で、このシミュレータ向けの心血管系のアプリケーションの中でも最優先すべきものや、その実現に必要な技術課題の特定を済ませており、本シミュレータの次期バージョンの機能を規定するのに役立つものと期待されます。

プロジェクトの詳細については、ダッソー・システムズのホームページ( http://www.3ds.com/heart )をご参照ください。

訳注:本資料は仏Dassault Systèmes による英文プレスリリースをダッソー・システムズ株式会社が日本語訳(抄訳)したものです。原文と本抄訳の差異に関しては、原文が優先致します。予めご了承下さい。

(以上)

ダッソー・システムズについて
ダッソー・システムズは、3Dエクスペリエンス企業として、企業や個人にバーチャル・ユニバースを提供することで、持続可能なイノベーションを提唱します。世界をリードする同社のソリューション群は製品設計、生産、保守に変革をもたらしています。ダッソー・システムズのコラボレーティブ・ソリューションはソーシャル・イノベーションを促進し、現実世界をよりよいものとするため、バーチャル世界の可能性を押し広げます。ダッソー・システムズ・グループは140カ国以上、あらゆる規模、業種の約19万社のお客様に価値を提供しています。より詳細な情報は、www.3ds.com (英語)、www.3ds.com/ja (日本語)をご参照ください。

3DEXPERIENCE、CATIA、SOLIDWORKS、ENOVIA、DELMIA、SIMULIA、GEOVIA、EXALEAD、 3D VIA、BIOVIA、NETVIBES、3DSWYMおよび3DEXCITEはアメリカ合衆国、またはその他の国における、ダッソー・システムズまたはその子会社の登録商標または商標です。
 
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