JLL、アベノミクスによる日本不動産市場への影響 検証レポート発刊日本不動産市場の変化と見通しをグローバルな視点で分析日本のイールドギャップ2007年に比べ依然高水準 市場活況は今後も継続

総合不動産サービス大手のJLL(本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 河西利信)は、アベノミクス※1の成果についての評価と、各政策が不動産市場に及ぼした影響と今後の見通しを検証したレポート「アベノミクス後の日本不動産市場の検証-いまだ勝機あり」を発表しました。

2012年末にスタートしたアベノミクスによる大胆な金融政策は、日本経済に円安、低金利をもたらし、その結果、不動産市場は活発化、不動産投資額は大幅に増加した。オフィス賃料も2012年以降上昇を続けており、2015年通年では世界的にトップクラスの賃料上昇が予測される魅力的な市場となった。

成長戦略における構造改革・規制緩和がまだ大きく進展していないことから、アベノミクスの長期的な持続可能性は不透明だが、継続が予測される金融緩和は、不動産市場の成長を引き続き下支えすることが見込まれる。イールドギャップは依然として高水準であり、日本の不動産市場は世界的に見て健全な状態を保っている。経済や環境変化に左右されない専門分野の投資家による長期的な投資、人口構成変化に応じた投資機会の広がりなど、あらゆるセクターにおいて投資機会は存在し、今後も不動産市場の活況は継続することが見込まれる。

アベノミクスによる日本市場への影響 2012-2015
  • 不動産取引額は、2012年以降活発化し、2013年初頭の金融緩和策以来急速に増加。商業用不動産投資額は2014年に4兆7,000億円と、2012年と比較して倍以上に増加した。(図表1)Ÿ  
  • 海外投資家による日本不動産への投資は、良好な借入れ条件、他のグローバル市場に比べて魅力的なスプレッド、それを支える為替ヘッジ環境などを背景に目覚ましい回復をみせ、2014年の海外投資家による投資額は2011年比で14倍にも達した。日本の投資額全体における海外投資家割合は、過去5年間で5%-10%台であったが、2015年1月-9月間では22%にも及んでいる。2015年1月-9月の海外投資家による投資額は日本円ベースですでに2012年、2013年の通年額を上回っており、非常に堅調である。(図表2)      
  • Ÿしかしながら、国内投資家(REIT、私募REIT、国内不動産会社やデベロッパー、私募ファンドなど)が市場を独占しており、海外投資家にとって参入し難い市場でもある。
  • 不動産価格は国内の全ての不動産セクターにおいて堅調に上昇。東京のオフィス価格は、2012年末から2015年第3四半期までの期間に、Aグレードで41%、Bグレードで59%上昇した。(図表3)
  • Ÿ一方、賃貸市場は、前回の市場ボトムである2012年以降改善し続けている。東京Aグレードオフィス賃料は、14%上昇(2012年末比)しており、Bグレードオフィスの賃料も同様の成長を見せた。

日本不動産市場の現状と今後の展望 2015-
  • 東京Aグレードオフィス利回りは、活発な取引により、平均利回りは3.8%から3.1%へと大幅に縮小しており、以前のピーク時であった2007年第3四半期の3.2%を下回る記録的数値となっている(図表4)。ただし、10年国債とのスプレッドは270bpsあり、2007年のピーク時の150bpsを上回わる水準をキープしている。マーケットは引き続き健全な状態を保ち、資産取得や将来の資産価値向上に向けてさらにレバレッジを効かせる余地を残している。
  • 2015年第3四半期において価格上昇は若干鈍化した。これは短期的な投資家の警戒や潜在的に穏やかな経済成長率に起因するとも考えられる。しかし、金利の大幅上昇やリーマンショックのような外部要因なくして、短期的に不動産価格が下落するようなことはないであろう。
  • 売買市場において、短期的なキャップレート縮小を求める投資家にとって、日本の全てのセクターにおいて投資機会があると考えられる。前回のピークと比較して、スプレッドは未だ魅力的な範囲にある。
  • 企業収益増大による設備投資額の拡大は、今後の企業成長の可能性を示唆している。したがって、Aグレードオフィスの賃料は、今後2-3年にわたっては引き続き緩やかな賃料成長が続くことが予測される。
  • 長期的には、政府による十分かつ適切なペースで構造改革の実施が重要であり、アベノミクス効果に期待を寄せる投資家に投資機会があると考えられる。また、経済や価格上昇にとらわれず、資産管理によって資産価値向上の可能性を見出す専門分野の投資家にとっても長期的な機会があると考えられる。
  • セクター別には、日本の人口構成の変化を背景に高齢者用施設、地方のショッピングセンター、インターネット通販の拡大に支えられるロジスティックス、2020年の東京オリンピックおよび観光立国日本を見据えたホテルセクター等は、今後とも優れた投資利益をもたらすと考える。

 

 


 

【補足】
※1:3本の矢と称される3つの広範な戦略(金融緩和、財政政策、構造改革)に基づく一連の経済政策

JLLについて

JLL(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産オーナー、テナント、投資家に対し、包括的な不動産サービスをグローバルに提供する総合不動産サービス会社です。世界80ヵ国、従業員約58,000名、230超拠点で展開し、年間の手数料収入は約47億米ドル、総売上高は54億米ドルに上ります。2014年度は、プロパティマネジメント及び企業向けファシリティマネジメントにおいて、約3億1,620㎡(約9,486 万坪)の不動産ポートフォリオを管理し、1,180億米ドルの取引を完了しました。JLLグループで不動産投資・運用を担当するラサール インベスト マネジメントは、総額572億米ドルの資産を運用しています。JLLは、ジョーンズ ラング ラサール インクの企業呼称及び登録商標です。

JLLのアジア太平洋地域での活動は50年以上にわたり、現在16ヵ国、83事業所で30,100名超のスタッフを擁しています。2015年ユーロマネー・リアル・エステート・アワードにおいて、最優秀リアル・エステート・アバイザーに選出されました。また、2014年インターナショナル・プロパティ・アワード・アジア・パシフィックでは7ヵ国・地域で「最優秀不動産コンサルタント賞」を受賞しました。詳細な情報はホームページをご覧下さい。www.joneslanglasalle.co.jp

 
 
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