東北大学大学院との共同で、ティシュペーパーの摩擦係数低減が肌触り感の向上に極めて有効であることを実証

~日本設計工学会2015年度秋季研究発表講演会(2015年10月10日)にて発表~

大王製紙株式会社(社長:佐光正義)は、東北大学大学院工学研究科の堀切川教授らと共同で、摩擦特性を考慮したティシュペーパーの評価の研究を行っていますが、その研究結果の一部を、2015年10月10日の日本設計工学会2015年度秋季研究発表講演会にて発表しました。
今までのティシュペーパーの肌触りの評価は、柔らかさ・滑らかさ・好み・強度などの個々の評価の総和による官能評価値に依存していましたが、ティシュペーパーを使用した時の官能評価値とティシュペーパーの性質との関係について分析した結果、ティシュペーパーの肌触り感に関する官能評価値が摩擦係数の平均値のみで説明可能であることを示すとともに、ティシュペーパーの摩擦係数低減が肌触り感の向上に極めて有効であることが実証されました。(発表内容は下記をご参照ください。)
この研究成果を基に東北大学との共同研究がさらに進められた結果、肌ざわりの評価を指標化した「肌への摩擦指数(トライボ指数)」が見出され、柔軟仕上げのきめ細かで「なめらか」な肌ざわりの『エリエールティシュー』(10月21日より全国で販売予定)が生まれました。
詳しい情報はエリエールホームページ(http://www.elleair.jp)をご覧ください。

 

日本設計工学会2015年度秋季研究発表講演会(2015年10月10日)での発表内容について

日本設計工学会2015年度秋季研究発表講演会における発表内容は下記のとおりです。

1.背景
わが国の人口減少に伴ない、ティシュペーパー市場は年々縮小していくことが見込まれる中で、肌触りの良い高価格なティシュペーパーを利用する消費者が増加しています。ティシュペーパーの肌触りの評価は、柔らかさ、滑らかさ、好み、強度などの個々の評価の総和による官能評価試験に頼ることが多いのが現状です。しかしながら、官能評価試験は普遍的な数値化が難しく、過去のデータや製品間の比較が定量的にできないことや、製品開発への応用が難しいといった問題点があります。
ティシュペーパーは直接肌に触れる商品であることから、トライボロジーの観点からティシュペーパーと肌との摩擦現象を分析、解明することで、新しい肌触りの評価方法の確立ができると期待されています。
そこで、大王製紙株式会社と東北大学大学院工学研究科の堀切川教授との共同で、ティシュペーパーの摩擦特性を明らかにするとともに、ティシュペーパーを使用した時の第一印象を官能評価値とし、この官能評価値と高い相関を示す手触り感評価パラメータを提案することを目的とした研究を行いました。この研究結果を、2015年10月10日の日本設計工学会2015年度秋季研究発表講演会にて発表しました。

2.研究の概要
2.1ティシュペーパーサンプル
本研究では、水分量や機械的性質の異なる10種類の市販ティシュペーパーをサンプルとして用いた。
表1に、各サンプルの機械的性質を示す。

                 表1 ティシュペーパーサンプルの機械的性質

 

2.2官能試験

官能試験における評価者数は24名の成人である。10種類のティシュペーパーサンプルを無作為の順番で、鼻に当てる、手でこする等、各評価者が最も好む方法で触ってもらい、サンプルAを基準として、最高点を7点とし、1~7点で評価を行った。

2.3摩擦試験
図1に示される直動型すべり摩擦試験装置を用いて、摩擦試験を行った。指先を模擬したシリコンラバー製の指紋付人工皮膚試験片を、ロードセルの下部に固定し、ティシュペーパーサンプルの一端をステージ上で固定する。ティシュペーパーサンプルの他端を引張り、しわを伸ばしつつ、人工皮膚とティシュサンプルを接触させる。さらに、アーム先端上部に錘を載せることで所定の垂直荷重を加え、ステージを一方向に移動させ、すべり摩擦試験を行った。実験は大気中無潤滑下で行われ、同条件での試行回数は15回とした。

                 図1 摩擦試験装置の概略図

 

3.研究結果及び孝察

             表2 各パラメータ間の単回帰分析における相関係数

同表より、摩擦係数の平均値、水分量、乾燥強度(横方向)は、互いに高い相関(|R|>0.7)を示していることが分かる。これは、水分量の増加、乾燥強度(横方向)の減少に伴い、摩擦係数の平均値が減少するためである。この結果から、多重共線性を考慮して、水分量と乾燥強度(横方向)を、官能評価値を説明する独立変数から除外する。そして、従属変数を官能評価値、独立変数を摩擦係数の平均値、紙厚、乾燥強度(縦方向)、湿潤強度(横方向)、ソフトネス、MMDとして、ステップワイズ法による重回帰分析を行った。その結果、以下の式が得られた。

図2からも分かるように、摩擦係数の増加とともに官能評価値が低下することが分かる。

 

以上の結果は、ティシュペーパーの肌触り感に関する官能評価値が、摩擦係数の平均値のみで説明可能であることを示すとともに、ティシュペーパーの摩擦係数低減が、肌触り感の向上に極めて有効であることを示している。

 

【東北大学大学院 工学研究科 堀切川 一男教授のコメント】
 

 









東北大学大学院 工学研究科 教授             
(仙台市地域連携フェロー、                       
福島県地域産業復興支援アドバイザー)         
堀切川 一男(ほっきりがわ かずお)          

経歴
1956年、青森県八戸市生まれ。1984年東北大学大学院工学研
究科機械工学専攻博士課程後期3年の課程修了。工学博士。
東北大学工学部助手、講師、助教授、山形大学工学部助教授を
経て、2001年6月より東北大学大学院工学研究科教授、
現在に至る。
専門はトライボロジー(摩擦・摩耗・潤滑に関する総合科学技術)。
これまで行った主な研究は、
摩耗形態図による摩耗理論の体系化に関する研究、
長野五輪日本チーム用低摩擦ボブスレーランナーの開発、
米ぬかを原料とする硬質多孔性炭素材料「RBセラミックス」の
開発と応用など。
産学官連携による開発、製品化は80件以上。
文部科学大臣賞(科学技術振興功績者表彰)、内閣府科学技術政策担当大臣賞(産学官連携功労者表彰)、
イノベーションコーディネーター大賞・文部科学大臣賞、経済産業省ものづくり日本大賞(優秀賞)、などを受賞。
モットーは、地域に根ざし世界を目指す研究、夢の実現を目指した研究。
ニックネームは、ドクターホッキー。


 今回の研究発表では、一般の方々がティシュペーパーを使用して感じる肌触りの官能評価値がティシュペーパーの摩擦係数の平均値のみで説明でき、ティシュペーパーの摩擦係数低減が肌触りの向上につながることを実証しました。

さらに研究を進めた結果、肌触りの評価を指標化した「肌への摩擦指数(トライボ指数)」が見出され、この「肌への摩擦指数(トライボ指数)」に基づいて開発されたのが新しい『エリエールティシュー』です。

最先端の摩擦の科学がなめらかな「夢のティシュー」を生み出し、使う度に、心地良いやさしい肌触りを感じることができます。

このティシューが、新時代を切拓く突破口となり、「ネクストスタンダード」となることを確信しています。
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