「相談サポート通信 相談者実態調査」マイナンバー制度にメリットが感じられない?!利用経験は1割にとどまり、不必要だと考える人が5割を超える。利用用途の浸透が必要。

日本法規情報株式会社

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の運用情報やユーザーへのアンケートを元に、「マイナンバー制度に関する実態調査」について発表しました。
(日本法規情報株式会社では定期的に法律関連の話題に対して意識調査を行い発表しております)

 2015年10月からマイナンバー制度の通知が開始され、2016年1月から行政業務が順次マイナンバー制度に対応していくことになりました。

 マイナンバーは国民ひとりひとりに番号が与えられ、その番号で税や年金の手続き、雇用保険などの手続きなどを簡略化するものになります。このマイナンバー制度は、新しく開始された制度で、各種マスコミも大々的に取り上げ、メリットからデメリットまで様々な説明がされました。しかしながら実際に運用されているかといえばまだ不明瞭な点も多々あると思います。

 そこで今回はマイナンバー制度に関する実態調査を行いました。

 まずマイナンバー制度を知っているかどうかについて聞いてみました。


■マイナンバー制度を知っている人は全体の99%にのぼる

質問:マイナンバー制度を知っていますか?

 


 調査の結果、「マイナンバーを知っている」と回答した人は74%にのぼり、マイナンバー制度がどのような制度なのか把握している人は多くいるようです。また「名前だけ知っている」と回答した人は25%にもなり、“マイナンバー制度”という名称は広く浸透しています。

 そこで、マイナンバー制度を利用した経験があるかを聞いてみました。


■マイナンバー制度を利用したことのない人が9割にのぼる

質問:マイナンバー制度を利用したことはありますか?


 調査の結果、「マイナンバーを利用したことがある」と回答した人が11%、「マイナンバー制度を利用したことがない」と回答した人が89%となりました。平成27 年10月からマイナンバー制度が開始されて半年が経過するにも関わらず、約1割の人しか利用したことがないという結果になりました。平成28年1月からは社会保障・税・災害対策分野のなかで行政手続きに用いられることとなるので、より浸透していくことが予想されます。例として、税務署への申告書や届出書類、各種保険の給付時などに必要となります。

 次に、実際にマイナンバー制度は必要だと思うかどうか聞いてみました。
 

■2人に1人は「マイナンバー制度は要らない」と回答

質問:マイナンバーは必要だと思いますか?

 


 調査の結果、「必要だ」と回答した人が7%、「あれば便利だと思う」と回答した人が37%、「マイナンバー制度は不必要だ」と回答した人が56%という結果になりました。

 マイナンバーは12桁の番号を国民ひとりひとりに振り分けて、国が個人に関する情報を一括で管理できるシステムです。いままで国民にとって負担だった行政手続きが簡単になり、国民の利便性を向上させる狙いがあります。また作業をする行政機関の業務の負担も削減されるために人的ミスも防ぐことが可能です。国民にとってメリットが多いと思われる制度ですが、マイナンバー制度は不必要と感じる理由は何なのでしょうか。

 そこでなぜマイナンバーが不必要だと思うのか聞いてみました。

 
■6割近くが「情報管理が不安」と感じている結果に

 質問:なぜマイナンバーは不必要だと思いますか。


 マイナンバーは不必要だと答えた人にその理由を聞いてみた結果、「情報漏洩の恐れがあるから」と回答した人は38%、「政府の一括の情報管理が不安だから」と回答した人は24%、「プライバシーが侵害されそうだ」と回答した人は22%、「不正使用が怖い」と回答した人は16% という結果になりました。

 個人情報をネット上で管理すると、サイバー攻撃などによって流出・漏えいしてしまうという印象があり、個人の印象では「不安」であるというイメージが広がっているようです。

 合わせて、マイナンバーをについてもっと知りたい点について聞いてみました。

■「メリットを知りたい」という声が30%を占める 

質問:マイナンバーについて知りたい点を教えてください。


 調査の結果、「マイナンバーを利用するメリットを知りたい」と回答した人は30%、「マイナンバーの悪用についての説明と対策を知りたい」と回答した人は27%、「政府だけでなく企業も含めた情報漏洩対策を知りたい」と回答した人は26%、「情報管理について知りたい」と回答した人は16%となりました。アンケート結果からは、現在の政府等からの説明では情報が足りないと感じている人が多いようです。新制度が導入された際に政府からの説明や会見が行われますが、他の制度が導入されたときに比べても政府の説明や、民間の注目度、メディアからの注目度はやや低いことは事実であるともいえます。しかしながら、国民すべてに与えられるマイナンバーに関与していないと思うことには無理があります。

 今回の調査では「マイナンバーは要らない」と考えている人が半数に上り、実際の利用経験も1割程度と低い結果に留まりました。

 マイナンバー管理は政府だけでなく企業にも管理責任が伴います。企業が何らかの原因で情報を漏洩させてしまった場合のペナルティーもあります。今後、将来的にはマイナンバーに関わるトラブルや問題が出てくる可能性もあるでしょう。

 マイナンバー制度について、情報に関する法務に詳しいC-ens法律事務所の弁護士の森崎秀昭氏によると、
「確かにマイナンバー制度には、アンケートでも回答があったように情報漏洩やアメリカの社会保障番号のように「なりすまし」のリスクもあります。しかし、みなさんがまだ実感できていないメリットがあるのも事実です。

 メリットとしては、例えば、マイナンバー制度によって脱税や社会保障の不正受給が行いにくくなると言われています。実態に合った税金の徴収がされれば、税収がアップして、行政サービスが拡充する可能性もあります。社会保障の不正受給が減少しても同じようなことが言えるでしょう。また、行政サービスを受けるときに用意しなければならない書類も減って、効率化すると言われています。他にも、マイ・ポータルの導入によって、行政から個人に合わせたサービスの案内が届くこともありうるでしょう。

 デメリットとしては、やはり情報漏洩や「なりすまし」のリスクがあります。行政がマイナンバーについて厳重に管理をしていても、様々な技術が日進月歩で進化している現在では、確実に安全なものなどありません。また、マイナンバーカードが偽造されてしまっては、ご自身の受けられる給付を第三者に勝手に受け取られてしまうなどの「なりすまし」の被害を受ける可能性もあります。そのため、マイナンバーカードや情報の管理には十分に注意してください。

 次に、事業者のみなさんは、取得や利用・管理・破棄について厳格な対応が求められています。これは大きな負担になるでしょう。しかし、個人情報が漏洩した場合には、判例では1件あたり数千円から数万円の損害賠償責任が認められているケースが多々あります。つまり、情報漏洩・損害賠償での損失や費用対効果、レピュテーションリスク、取引先との信頼関係を考えると、事前に可能な限り十分な対応をした方が良いと思います。ちなみに、従業員数が101名以下の中小企業においては、対応の厳格性が緩和されています。詳しくは、例えば経済産業省ホームページ内の「社会保障・税番号制度について[C1] 」というページに各種資料やリンクがありますし、中小企業庁が運営している「ミラサポ[C2] 」というインターネットサイト上にも「マイナンバー制度ヘッドライン[C3] 」という特集ページがあるので、これらを参考にしていただければと思います。マイナンバー制度はすでに始まっています。事業者のみなさんは、それぞれの事業規模に合わせて、適切な対応を取っていただくように心がけていただけたらと思います。

 マイナンバー制度もみなさんが選挙によって選んだ政党が作った制度です。つまり日本国民が作った制度なのです。多くの制度は最初から完璧な状況で作られるものではありません。できた制度をどのように運用して、どのように修正して行くかがポイントになります。そのため、みなさんが実際に利用してみて、その声を行政に反映させて行くことが重要だと思います。」


調査期間 2016/08/18~2016/08/28
回答者 754人(男性 346人 女性 408人)

 [C1]http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/my_number/
 [C2]https://www.mirasapo.jp/index.html
 [C3]https://www.mirasapo.jp/mynumber/index.html

■日本法規情報株式会社について
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■相談者調査レポート 情報提供元
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会社概要

URL
https://askpro.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都新宿区四谷三丁目5番 4階
電話番号
03-6384-2177
代表者名
今村 愼太郎
上場
未上場
資本金
2500万円
設立
2011年04月