チベット文化圏で記者になろう!『Global Media Camp in インド・ラダック』参加者募集
インドの秘境にチベット文化が残る
途上国を専門とする非営利メディア「ganas」が主催する実践的な記者養成/体験プログラム『Global Media Camp』。これまでに、アジア、アフリカ、ラテンアメリカの9カ国11カ所(37回)で開いてきました。2023年の3月についに、「天空の楽園」と呼ばれるインド北部のラダック地方で初めて開催します。
チベットよりチベットらしい
ラダック地方の特徴は、なんといっても地域に根付いたチベット文化です。ラダック人はチベット系民族。信仰するのもチベット仏教です。
ラダック連邦直轄領の主都レーのマーケットを歩けば、チベット仏教の5色の旗「タルチョー」が美しくはためいているのが目にとまります。沿道に並ぶのは、チベット餃子「モモ」や蒸しパン「ティグモ」を売る店や、チベット難民(中国政府の弾圧から逃れてきたチベット人)が営む土産屋。街のいたるところにマニ車(筒状になった仏具。回すとマントラを唱えたことになる)があり、人々がその周りを回っています。
ラダック地方はかつて、ラダック王国として栄えていました。ところが英領インド帝国に併合され、インドが独立した際はその一部となりました。1974年に旅行者に開放されるまで開発はほとんど進まず、チベット調の建築物(とくに寺院)やアートなどチベット文化は今も色濃く残っています。
チベット高原の本家チベットはどうでしょう? 1949年に中国政府の侵攻を受け、現在も中国の支配下にあります。中国政府主導の開発でチベット建築物の多くが壊されました。学校ではチベット語の使用は禁止です。
文化が消滅しつつあるチベットと、その文化が今も残るラダック地方。これがラダックがチベットよりもチベットらしい場所といわれるゆえんです。
チベット難民を取材!
ラダック地方は、チベット難民が多く住む場所でもあります。中国政府がチベットを侵攻し始めた1949年以降、多くのチベット人が弾圧を逃れ、この地にやって来ました。チベットの最高指導者ダライ・ラマ14世は1959年、ヒマチャル・プラデシュ州のダラムサラにチベット亡命政府を樹立。以来、武力に頼らない外交で、チベット難民がチベットへ帰還できることを目指しています。
チベット難民らは今も、言語や踊りといったチベットの文化を守り、次の世代へと継承しています。その中心となるのが、チベット亡命政府が管轄する学校「チベット・チルドレン・ビレッジ」。インド国内に9カ所あります。ここでは伝統衣装チュバを着た教師らがチベット語で授業をしています。
レーの隣のチョグラムサー地区にもチベット・チルドレン・ビレッジがあります。『Global Media Camp in インド・ラダック』ではチョグラムサー校を訪問し、取材する予定です。難民ならではの苦労、チベット人としてのアイデンティティ、チベット文化をどう保護していくか、またその難しさは何か――などを深く掘り下げていきます。
革新的教育の最前線があった
ラダック地方は、実は年間50万人以上(この多くはインド人)が訪れる人気の場所でもあります。
そのきっかけとなったのは1本の映画。ボリウッド(ムンバイの映画産業の総称)スターのアミール・カーンが主演し、2009年に公開された青春映画「きっと、うまくいく」(英題:3 idiots)です。インドの歴代興行収入の新記録(当時)を打ち立てたこの映画の撮影地のひとつがラダック地方だったのです。
主人公のランチョーを探して2人の友人が訪れたのが、美しい自然が広がるラダック地方。この風景に感動した映画ファンが殺到しました。
ランチョーにはモデルがいます。ラダック人のソナム・ワンチュックさんです。ワンチュックさんはインド国内で学力が著しく低かったラダック地方の教育を改革するため1988年、NGO「ラダックの教育・文化運動」(SECMOL=Students’ Educational and Cultural Movement of Ladakh)立ち上げました。
ワンチュックさんは、村人たちと一緒に地域の教育委員会を設立。またラダック人の子どもにとってわかりやすい教科書も作りました。2018年には、進級試験に落ちた子どもを受け入れる学校「ラダック・ヒマラヤ・オルタナティブ学校」(HIAL)を設立しました。『Global Media Camp in インド・ラダック』ではここも取材します。
それ以外の取材先(予定)も魅力的。ふつうの旅行では行けないところばかり、出会えない人たちばかり。しかもマンツーマンで(参加者みんなで1人を、ではなく)取材できます。インドの秘境ラダックを複眼の視点で深く理解できること間違いなしです。
『Global Media Camp in インド・ラダック』の概要
◎場所:インド・ラダック連邦直轄領の主都レー
◎期間:2024年3月20日(水)~3月29日(金)
*2024年3月20日に現地集合(インドの主要都市からレーまでのフライトはキャンセルになることがあります。数日前に入ることをお勧めします)、3月29日に現地解散、9泊10日の現地研修プログラム
*フライトについてはご相談ください(11月20日現在、エアインディアの飛行機代は往復およそ14万円)
◎料金:一般23万9800円、学生21万9800円
*渡航費(航空券は早めに買われたほうが安いです)、ビザ代(27.5ドル)、保険代(2600円程度)は含まれません
*含まれるもの:講習費、宿泊費、取材先・村への移動費、取材ヘルパー(英語が通じない取材先では英語の通訳がつきます)の費用、その他取材費用、食事代(朝、昼、夕。飲み物やデザートは除く)
*ganasサポーターズクラブのパートナー/サポーターは3万円の特別割引があります(早割との併用のみ可。このプログラムへのお申し込みと同時に、ganasサポーターズクラブに入会されても割引を受けられます。大変お得です)
*2024年1月20日(土)までのお申し込みは「早割」として1万円割引(入金が完了していること)
*ご友人同士で申し込むと「友だち割」として、それぞれに5000円キャッシュバック(早割との併用のみ可)
*「学生」料金が適用されるのは、プログラム開始日の時点で大学・大学院・専門学校に在籍されている方。学生証の提示を求めることがあります
*特典として、2024年春に開講予定の「グローバルライター講座」(5万5000円相当)または「77日記者研修」(6万9000円相当)を特別に2万円で受講できます(ただしganasサポーターズクラブに入っている/入ることが条件)
◎〆切:2024年2月20日(火)
*2023年1月20日(土)までのお申し込みは「早割」として1万円割引(入金が完了していること)
◎定員:最大8人程度(先着順)、最少開催人数4人程度
◎事前研修:2024年3月中旬を予定(1回のみ。8時間程度)
◎報告会:2024年4~6月を予定(希望者のみ。記事を発信するだけでなく、プレゼンというアウトプットをする格好の機会になります)
◎主催:特定非営利活動法人開発メディア(ganasの運営団体)
◎問い合わせ先:devmedia.ganas@gmail.com
◎申し込み方法:お問い合わせいただければ申込書をお送りいたします。
途上国を取材し、記事を書き、それを発信する『Global Media Camp』は唯一無二のプログラムとして大きな支持を得てきました。2014年春以来これまでに37回(9カ国11カ所)開いてきた実績があります。2024年春(2、3月)の開催地は、インド・ラダックのほか、西アフリカのベナン(トタ村)、南米のコロンビア(メデジン)です。
『Global Media Camp in インド・ラダック』の基本的なスケジュール(予定)と取材先候補
3/20(水)レーに集合、高地順化
3/21(木)高地順化、レー王宮、旧市街地散策
3/22(金)取材
3/23(土)取材
3/24(日)記事の執筆&フィードバック
3/25(月)取材
3/26(火)取材
3/27(水)記事の執筆&フィードバック(観光、希望者のみ)
3/28(木)記事の執筆&フィードバック、フェアウェルパーティー
3/29(金)ふりかえり、現地解散
下のような取材先・テーマを候補として考えています(ご希望があればお気軽にお問い合わせください)
↓↓↓
チベット亡命政府が管轄するチベット人学校、アートでラダックのまちづくりを進めるNGO、農家を支援するNGO、体験学習を中心とする革新的な学校、レー近郊の有名寺院など
『Global Media Camp』に参加すると得する3つの理由
1)途上国を取材できる!
‥‥『Global Media Camp』は、途上国を本格的に取材でき、記事を書き、それを発信する唯一無二のプログラムです。スタディツアーのように、担当者からレクチャーをひたすら受けるのではありません。参加者自らが取材対象に自由に質問します(基本は英語で取材します。ラダック語が必要な場合は、ラダック人が英語に通訳します)。取材は、その国のことを短期間で少しでも深く、また多角的に知る手段のひとつ!
2)スキルアップできる!
‥‥『Global Media Camp』では新しい体験をするだけではありません。ネタ(良い話も悪い話も)や視点(切り口)を見つける力、情報を引き出すために質問する力、物事を掘り下げる力、要点をまとめる力、伝わる文章を書く力など“一生モノのコミュニケーションスキル”の向上を目指します。各回の参加者を最大8人に絞っているため、ganas編集長からマンツーマンでフィードバックを受けられます。頑張った実績として、現地取材をベースにした「署名記事」が残ります。記事には1万以上の「いいね!」が付いたことも。ステレオタイプでない記事の発信にも意義がありますよね。
3)途上国を「複眼の視点」で見られる!
‥‥「途上国=貧困 or 幸せ」などと決めつけていいのでしょうか? 物事に対する見方はさまざま。『Global Media Camp』では複眼の視点で物事をとらえる方法を学びます。世の中には自分が知らないこと、自分自身で無意識に決めつけてしまっていることがたくさんあります。取材も含め、現地の人と話す時間をたっぷりとっていますので、疑問を直接ぶつけてみてください。脱ステレオタイプを目指しましょう。
『Global Media Camp』で得られる5つのスキル
1)発見力
‥‥記事を書くには「ネタ&切り口」が不可欠です。取材ではまず、具体的なネタ探しと格闘します。ネタは、問題や長所を指す場合も少なくありません。ネタ探しの日々は「見つける力」(発見力)を向上させます。
2)質問力
‥‥ネタ&切り口を見つけたらおしまい、ではありません。関係する情報をいかに集めるか(インプット)が重要。質問の仕方によって、得られる情報の質・量、ひいては記事の内容・レベルは大きく変わります。取材現場では、記事を書くために必要なたくさんの質問をします。質問力(情報を聞き出す力)を集中的に鍛えます。
3)考察力
‥‥質問による情報収集(インプット)・ブレインストーミング・記事執筆(アウトプット)・講師からのフィードバックを繰り返すことで、物事を掘り下げる体験をします。「これまで見えなかったこと」が見えるようになることも。ここでカギとなるのは、“関係が一見なさそうなもの同士”をつなげて考える発想です(たとえば「宗教」+「SNS」=どうなるでしょう?)。意外なこと・つながりを見つけた瞬間はまさに快感!
4)要約力
‥‥要点をまとめる力もつきます。言いたいことが不明瞭な長い話は、とりわけ社会に出ると聞いてもらえません。内容を薄めずに/抽象化せずに、いかに簡潔に表現できるか。これは記事(特に見出し、リード)の書き方に通ずるものがあります。要約力はいま注目のスキルのひとつ。これを毎日特訓します。
5)文章力
‥‥カッコいい/美しい文章よりも、いかに伝わるか/読まれるかが大事ですよね? そのテクニックを学びます。文章力はコミュニケーション力の基本。レポートやエントリーシート(ES)の作成にも当然役立ちます。とりわけ最近は、電話よりも、メールを書く機会が激増しているだけに、文章で伝える重要性は高まっています。
インド(ラダック)のここが興味深い!
☑ラダック地方は文化の交差点。中国、インド、カシミールに囲まれたラダック地方は昔から交易の要所だった。レーのマーケットではチベットの民芸品やパシュミナ(ヒマラヤ地方で作られたカシミア)のスカーフ、カシミールのカーペットなどが売られる。
☑さまざまな宗教が交じり合う。ラダック人のほとんどはチベット仏教を信仰する。このほかイスラム教やプロテスタント(19世紀に入ってきた)も。
☑ラダック地方は高地(標高3000メートル以上)の乾燥地帯。雨は年間100ミリメートルしか降らない。水は限られており、人々は地下水と氷河の雪解け水に頼った生活をする。
☑ラダック地方で栽培されるのはコメや小麦ではなく、比較的水を必要としない大麦。大麦を発酵させて作ったお酒「チャン」はラダックの名物。お酒をあまり飲まないラダック人もチャンは大好き。
☑ラダック地方は年間50万人以上(この多くはインド人)が訪れる観光地。レーの人口3万人のおよそ17倍。宿泊施設の数は2016年の520軒から2022年は881軒へと1.7倍に増えた。
☑観光客の増加で問題となっているのが水不足。理由は、ホテルが井戸を掘り、水洗式トイレを導入したから。地下水の枯渇も不安視されている。
☑水不足のもうひとつの理由は地球温暖化。ラダック地方の氷河は昔と比べて小さくなり、夏場に入るとすぐに溶けてしまう。人気スポーツであるアイスホッケーのシーズンも短くなった。
☑レーの名所のひとつであるシャンティ・ストゥーパ(仏塔)を建てたのは、日蓮宗の宗派である日本山妙法寺。入り口にはカタカナで「ラダック・シャンティ・ストゥーパ」と書かれている。
☑レーから50キロメートル北上すると、カルドゥン・ラという峠がある。車が通れる世界一標高が高い(5359メートル)峠のひとつ。ここで9月に開催されるのがラダックマラソン。ちなみに世界で最も標高が高い道路<5798メートル>もラダック地方にある。
☑中国、パキスタンと“国境”を接するラダック地方では紛争が繰り返されてきた。1962年に中国と、1947年、1965年、1971年はパキスタンと。中国、パキスタンがそれぞれ実効支配する地域との境界は「実効支配線」「管理線」と呼ばれる。自然豊かで美しいラダック地方にはインド軍の基地が多い。
☑インド政府は1959年から、チベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世をダラムサラで庇護してきた。これが対中関係の悪化を招いている。
『Global Media Camp』はこんな方におススメ(社会人&学生)
◎途上国を掘り下げたい人
・途上国を深く知りたい(世界人口のおよそ8割は途上国で暮らしています)!
・途上国の人と深い話をしたい!
・多様な途上国を多角的に見る方法を学びたい!
・途上国で将来、仕事したい!
・貧困、教育、ジェンダー、少数民族、難民、国内避難民、ソーシャルビジネス、NGO、国際機関など特定の分野を取材したい!
・過去(歴史)と現在、未来のつながりを取材であぶり出したい!
・フィールドワークをやってみたい!
・途上国の若者と仲良くなりたい(友情は、その国をウォッチし続ける「基盤」となります)!
・JICA海外協力隊、海外インターン・ボランティアに興味がある!
◎メディア・広報・コミュニケーションに関心のある人
・メディアに疑問を感じるから、自分で取材・記事執筆に挑戦してみたい!
・自分の足で取材した途上国のことを多くの人に発信したい!
・プロの記者になりたい!
・記者の動きを一度体験してみたい!
・「ネタや切り口を見つける力」「質問する力」「深掘りする力」「要点をまとめる力」「伝わる文章力」を高めたい!
・英語を使って、取材にチャレンジしてみたい!
・ESなどでアピールできる実績を積みたい!
『Global Media Camp』は2014年の春以来、フィリピン(セブ、ネグロス)、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、コロンビア、ベナン、インド(プネー、コルカタ)、タイ、ルワンダの9カ国11カ所で合計37回開いてきた実績をもちます。参加者は合計193人。年齢は18~59歳と幅広いです。
大学生の場合、参加者が多いのは慶応大学、東京外国語大学、上智大学、早稲田大学、神戸市外国語大学、明治大学、立教大学、青山学院大学、東京大学、筑波大学、法政大学、横浜国立大学、大阪大学、北海道大学、立命館大学、中央大学、津田塾大学、東京女子大学、ICU、日本大学、同志社大学、奈良女子大学、茨城キリスト教大学など。文系の学生はもちろん、医学や看護学、都市開発、建築、プラントエンジニアリング、農業などを学ぶ理系の学生の参加者もいます。
社会人ではJICA職員やNGO職員、会社員、大学教授、公務員、医師、看護師、会社経営者、青年海外協力隊の経験者・候補者・志望者、地域おこし協力隊、フリーランサーなどにご参加いただいています。
帰国後はこんな特典も!
・ganas主催の「2024年春 グローバルライター講座」(5万5000円相当)を2万円で受講できます。ただし簡単なお手伝いをお願いする場合があります。
・ganasのボランティア記者として活動し続けたいとコミットの高い方は、ganas主催の「2024年春 77日記者研修」(6万9000円相当)に2万円で参加できます。
*いずれも、ganasサポーターズクラブに入っている/入ることが条件です。
講師
長光大慈(ganas編集長)
途上国・国際協力に特化したNPOメディア「ganas」編集長/特定非営利活動法人開発メディア代表理事。上智大学法学部を卒業後、アジア最大の日本語媒体であるNNA(現在は共同通信グループ)のタイ支局とフィリピン支局を立ち上げる。電気新聞記者、フリーライター、デベックス・ジャパン・メディア部門責任者などを経て現職。合計10年以上の海外在住経験(米国、タイ、フィリピン、インドネシア、ベネズエラ)、およそ50カ国の渡航経験をもつ。青年海外協力隊のOBでもある。ハンモックのコレクター。
コーディネーター
スタンジン・タムチョス(映画制作会社「エンライトメント・プロダクション」代表)
ラダック・レー出身。デリー大学法学部を卒業後、デリーの弁護士事務所に勤務。新型コロナウイルスの蔓延を機に、ラダックに戻って、映画制作会社を設立。以来、自ら映画を撮るほか映画撮影のコーディネートも手がける。また、ボランティアベースで、遠隔の村に無料の医療を届ける活動も続ける。レー近郊のマトー村では青年福祉組合の代表を務め、スポーツイベントや清掃活動も実施する。
主催団体
特定非営利活動法人 開発メディア
2012年設立。途上国・国際協力を専門とするNPOメディア「ganas」を運営。下のボードで記事を発信中。キャッチフレーズは「途上国を知る。世界が広がる。」。
・ウェブサイト:http://www.ganas.or.jp
・メール:devmedia.ganas@gmail.com
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