ビッグデータで見る まち別訪日外国人滞在の実態

鎌倉市への来訪者の33.9%はタイ。「東京に近く、大仏があるから」? 台東区は台湾からの来訪者に宿泊地として人気!

株式会社インテージリサーチ(本社:東京都東久留米市、代表取締役社長:井上 孝志)は、自主企画調査として携帯電話のローミング情報を使った訪日外国人滞在の実態を分析しました。
本分析は、2014年11月に訪日した外国人の滞在場所を、居住国別、時間帯別に分析地域ごとにまとめたものです。

分析者:銭谷 恭子(ソーシャル事業推進部研究員)

==================================================

--------------------------------------------------------------
は じ め に
--------------------------------------------------------------
現在政府は、2020年の訪日外国人旅行者2,000万人到達に向けて様々な訪日施策を講じており、訪日外国人の来訪者数も過去最高を更新し続けています。このような状況の中で、国や都道府県だけでなく市区町村でも来訪促進施策、滞在環境の改善に乗り出していますが、市区町村単位では、来訪している外国人について得られるデータが少ないのが現状です。本分析は、株式会社ドコモ・インサイトマーケティングが提供する『モバイル空間統計※』を活用して、市区町村別に来訪者の国、時間別滞在状況を把握することで、各自治体・エリアにおける観光施策に寄与することを目的として実施しました。

--------------------------------------------------------------
分析結果のポイント
--------------------------------------------------------------
  1. エリアによって来訪する国の違いがわかる。中央区は中国、台東区は台湾。鎌倉市ではタイが多く、「東京に近く、大仏がある」ことが理由と考えられる。【図1参照】
  2. 時間帯別の変化を見ると、台東区は、中国からの来訪者にとっては「昼間訪れる場所」、台湾からの来訪者にとっては「宿泊場所」と推測される。【図2参照】
※港区、渋谷区など他エリアのデータを含め、分析結果の詳細は弊社HPに掲載しています。
   http://www.intage-research.co.jp/service/report/report3.html

--------------------------------------------------------------
考     察
--------------------------------------------------------------
携帯電話のローミング情報を使い、『宿泊統計』では捉えきれない昼間の訪日外国人数を推計し、自治体単位で国別、時間帯別の傾向を把握することができました。
例えば、分析した自治体の『訪日外国人滞在人口における国別割合』をみると、中央区では中国が多いのに対し、台東区では台湾、鎌倉市ではタイなどの違いがみられました。これは、観光資源の違いによるものと推測されます。このデータについて、 INTAGE (Thailand) Co., Ltd.にヒアリングした結果、「タイでは、定期的にお寺に行く習慣があり、日本の仏教に興味がある」、「数あるお寺の中でも大仏があり、東京から近い鎌倉が選ばれているのではないか」ということが考えられます。
また、台東区を例に『時間帯別滞在人口』をみると、お昼時間(13時)に向けて滞在人口が増え、19時時点で減少した後に、0時時点で再度多くなることがわかりました。これを国別にみると、韓国は全体とほぼ同様の傾向となっていますが、中国では13時時点、台湾では0時時点の来訪人数が最も多いなど、国によって来訪状況が異なることがわかります。このように時間帯による来訪者層の違いを丁寧に分析することで、エリアごとの戦略が見えてくると考えます。

--------------------------------------------------------------
分 析 概 要
--------------------------------------------------------------
分析データ モバイル空間統計
分析地域 東京都:港区、渋谷区、中央区、台東区
神奈川県:横浜市中区、西区、港北区、鎌倉市、箱根町
※訪日外国人が多く、特徴があると想定したエリアを任意に選定した
分析対象者 調査該当期間に調査地域に滞在したと推計される訪日外国人(21,486人/1日平均)
分析期間 2014年11月1日~30日
※抽出しているデータは2014年11月に滞在した訪日外国人を各時間で平均したもの
 
分析機関 株式会社インテージリサーチ

 

※「モバイル空間統計」とは
モバイル空間統計とは、株式会社NTTドコモの携帯電話のネットワークのしくみを使用して作成される人口の統計情報です。携帯電話6,500万台※1の運用データを基にした新たな人口統計になります。
日本全国の1時間ごとの人口分布を、24時間365日把握することができます。
性別・年齢層別・居住地域別人口構成を、国内人口に加え、訪日外国人※2についても知ることができます。
※1法人名義の契約データ等を除去して推計しています。
※2ドコモ独自推計により、2014年現在約250万台になります。

対象エリアは市区町村・都道府県での調査になります。
年代・性別の提供はございません。居住地は国別になります。
「モバイル空間統計」は株式会社NTTドコモの商標です。 

モバイル空間統計の提供元:
株式会社ドコモ・インサイトマーケティング ( http://www.dcm-im.com/ )

【株式会社インテージリサーチ】http://www.intage-research.co.jp/
株式会社インテージリサーチ(本社:東京都東久留米市、代表取締役社長:井上孝志)は、インテージグループの一員として、社会・公共領域をテーマとした調査研究を行っています。また、リサーチノウハウとフィールドワークの専門性をコア・コンピタンスとして、公的統計調査の受託や民間の市場調査のデータ収集も行っています。

【報道関係者のお問い合わせ先】
■株式会社インテージリサーチ  経営企画室 担当:宇和野(うわの)/萩森(はぎのもり)
TEL:042-476-5300 FAX:042-476-5303

【調査に関するお問い合わせ先】
■株式会社インテージリサーチ ソーシャル事業推進部 担当:銭谷(ぜにや)/土屋(つちや)
TEL:03-5294-8325
サイト「お問い合わせフォーム」 https://www.intage-research.co.jp/contact/index.php/input

--------------------------------------------------------------
分 析 結 果(一部抜粋)
--------------------------------------------------------------
【図1】各自治体における昼間時間帯の訪日外国人 国別割合 

※10時~19時に計測された滞在人口の最大値を来訪人数とし、各国の最大値を積み上げた合計値を100とした場合の各国の出現率。


【図2】台東区における時間別滞在人口(滞在人口順上位4国別)
 

 

すべての画像


会社概要

URL
http://www.intageholdings.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都 千代田区神田練塀町3番地 インテージ秋葉原ビル
電話番号
03-5294-7411
代表者名
仁司 与志矢
上場
東証1部
資本金
16億8140万円
設立
1960年03月