70才以上の高齢者に対する健康意識調査

理想の健康像は、生涯自立。 体に不調を感じている人のうち、セルフメディケーションを行っている人は6割いるが、 市販薬、サプリメントの使用には消極的。

株式会社アンテリオ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:仁司 与志矢)は、高齢者の健康に対する意識を探るため、自主企画調査を実施しました。本調査は、70才以上の一般男女100人を対象とした会場面接調査および70才以上の一般男女1023人を対象としたインターネット調査により、70才以上の一般生活者の考える理想の健康像や通院/セルフメディケーション(※1)/セルフケアに対する考え方、処方薬と市販薬(※2)、サプリメントなどに対する印象の違いを調べました。
(※1) 自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること(WHO)
(※2) 処方薬は医療用医薬品、市販薬は一般用医薬品を指す。

 分析者: 株式会社アンテリオ 昌山 智穂美
==================================================
--------------------------------------------------------------
はじめに
--------------------------------------------------------------
現在、日本の65才以上の人口は3000万人超、ほぼ4人に1人となった。総務省の家計調査(平成24年)によれば、「世帯主が高齢者の世帯」と「総世帯」について、それぞれの消費支出を構成比で比較すると、世帯主が高齢者の世帯では「保健医療」は「総世帯」に比べ1.36倍で、健康の維持・増進のため保健医療に費やす支出割合が高いという特徴がうかがえる。
またサプリメントなどの「健康保持用摂取品」の支出額をみても、世帯主が高齢であるほど多くなっており、最も多い70才以上の世帯の支出金額は、最も少ない30才未満の世帯と比べ5.6倍であった。このことからも、若年層と比較し「健康に対してお金を使うこと」に対する意識が高いことが示唆される。
一方、厚生労働省の報告によれば、平成24年度の高齢者(65才以上)の医療費は約29兆円で、国民医療費全体の半分以上を占めており、年々その割合が上昇している。政府も国民医療費を抑制するために、処方薬として用いられている有効成分を市販薬に使用できるように切り替える「スイッチOTC」の拡大や、セルフメディケーションの推進をはかろうとしている。高齢者が自身の健康やセルフケアについてどう考え、どう行動しているのか。そのインサイトを探った。

--------------------------------------------------------------
調査結果サマリー
--------------------------------------------------------------
  1. 70才以上の高齢者が理想とする健康の姿は、自立した生活を生涯維持できること。健康を判断する指標としては、「おいしく食事が食べられる」「自分で自分のことができる」「自分で考えて判断できる」が重視されている。
  2. 普段「あまり健康ではない」「健康ではない」と感じている人は全体の23.1%。そのうち、セルフメディケーションを行うことがあると回答したのは59.5%。
  3. 処方薬の印象は「効果が高い」「安全性が高い」「信頼できる」。市販薬の印象は「価格が高い」「補助的なもの」で4割が「なるべく使いたくない」。漢方薬は「価格が高い」と認識されているものの「安全性が高い」「自然」という印象を持たれている。サプリメントの印象は市販薬に近く、「価格が高い」「補助的なもの」「効果があるのかわからない」と認識されており、同じく4割が「なるべく使いたくない」と回答した。
70才以上の高齢者のほとんどは、現在自己負担比率1割で医療機関を受診できるため、不調の際は医療機関に頼りがちである。体に不調を感じている対象者のうち、6割の対象者がセルフメディケーションをすることがあると回答しているものの、全体的に市販薬の効果や安全性についてはあまり認識しておらず、使用には消極的な姿勢が見られた。ただし、昔から身近にあり使い慣れている市販薬は、必要と思った時に飲む(定性調査より)という特徴もあり、「価格が高い」「補助的なもの」「なるべく使いたくない」といった印象は、必ずしも使用経験に基づくものではなく、漠然とした不安や誤解から生じているところもある。

しかし、情報収集には受動的で、刷り込まれた体験情報を重視する高齢者(定性調査より)の特徴を考えると、このままでは市販薬に対する印象は変わらず、セルフメディケーションの推進には大きな課題であろう。

--------------------------------------------------------------
調査概要
--------------------------------------------------------------
<定性調査>
調査対象者 70才以上の一般男女100人
調査方法 会場面接調査
調査エリア 東京、大阪、福岡、札幌の4都市
調査時期 2015年1月
調査実施機関 株式会社アクセス・ジェーピー


<定量調査>

調査対象者 70才以上の一般男女1023人
調査方法 インターネット調査
調査エリア 全国
調査時期 2015年5月
調査実施機関 株式会社アンテリオ


【調査結果】
1. 理想の健康像
70才以上の高齢者が理想とする健康の姿は、自立した生活を生涯維持できること。

定量調査でも、健康を判断する指標として「おいしく食事が食べられる」「自分で自分のことができる」「自分で考えて判断できる」が上位に挙げられた。

[図1]健康だと認識する指標(複数回答) n=1023 

2. セルフメディケーションの実態

普段「あまり健康ではない」「健康ではない」と感じている人は全体の23.1%。そのうち、セルフメディケーションを行うことがあると回答したのは59.5%。

    [図2] 通常の健康状態 n=1023      [図3] セルフメディケーションの実態n=237
                              (普段の健康状態が「あまり健康ではない」
                                        「健康ではない」人)

 

 3.  処方薬、市販薬、漢方薬、サプリメントの印象

処方薬の印象は「効果が高い」「安全性が高い」「信頼できる」。市販薬の印象は「価格が高い」「補助的なもの」で4割が「なるべく使いたくない」。
漢方薬は「価格が高い」と認識されているものの「安全性が高い」「自然」という印象を持たれている。サプリメントの印象は市販薬に近く、「価格が高い」「補助的なもの」「効果があるのかわからない」と認識されており、同じく4割が「なるべく使いたくない」と回答した。

[図4] 処方薬、市販薬、漢方薬、サプリメントの印象(複数回答) n=1023

【株式会社アンテリオ】 http://www.anterio.co.jp/

株式会社アンテリオ(本社:東京都千代田区神田練塀町3番地、設立年月日:1994年12月、代表取締役社長:仁司与志矢)は、調査、企画、分析における高度なスキルと医療分野における豊富な経験・知識をコア・コンピタンスとし、ヘルスケア領域のマーケティングリサーチに精通したトップカンパニー。2015年4月1日より、新たにインテージのコンシューマーヘルスケア事業(主に一般用医薬品や健康食品等を対象とした、コンシューマーヘルスケア分野のマーケティングリサーチ)が合流し、健康食品から一般用医薬品、医療用医薬品までの幅広いヘルスケア領域視点での価値を提供してまいります。

--------------------------------------------------------------
この件に関するお問い合わせ先
--------------------------------------------------------------
■株式会社アンテリオ 経営企画部
担当:真田(さなだ)/林(はやし)
TEL:03-5294-8393(代)  FAX:03-5294-8399
「お問合せフォーム」 http://www.anterio.co.jp/contact/

すべての画像


会社概要

URL
http://www.intageholdings.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都 千代田区神田練塀町3番地 インテージ秋葉原ビル
電話番号
03-5294-7411
代表者名
仁司 与志矢
上場
東証1部
資本金
16億8140万円
設立
1960年03月