遺伝子組み換え添加物の安全性に疑問――生活クラブ生協連合会が食品安全委員会に意見を提出

「Aspergillus oryzae NZYM-SP株を利用して生産されたアスパラギナーゼに係る食品健康影響評価に関する審議結果(案)」への意見募集に対して、生活クラブ生協連合会は8月7日に意見を提出しました。
食品安全委員会は、「Aspergillus oryzae NZYM-SP株を利用して生産されたアスパラギナーゼに係る食品健康影響評価に関する審議結果(案)」について意見・情報を募集しました(7月25日から8月13日まで)。
ここで取り上げられている「アスパラギナーゼ」は、遺伝子組み換え技術によって作られた食品添加物(加工助剤)です。これを食品製造に使うことで、加熱加工によるアクリルアミドの生成を抑制することができるとされています。アクリルアミドは発がん性があるとされており、この食品添加物が承認されれば、アクリルアミドが多く含まれるポテトチップス・フライドポテト・パン・クラッカー・シリアルなどの加工食品に幅広く使われる可能性があります。
添加物のような微量原料には遺伝子組み換え表示の義務がないため、消費者は多くの食品を通じて知らされないまま摂取することになるでしょう。子どもが好んで食べる食品に多く使われる可能性があるのも問題です。
生活クラブ生協連合会は8月7日に下記の意見を提出しました。

Aspergillus oryzae NZYM-SP株を利用して生産されたアスパラギナーゼに係る食品健康影響評価に関する審議結果(案)についての意見

生活クラブ事業連合生活協同組合連合会

生活クラブ連合会は、遺伝子組み換え食品について、安全性や環境への影響など未だにわからないことが多くあると考え、遺伝子組み換え作物・食品は取り扱わないことを基本としています。提携生産者と協力してすべて取り扱い品目を点検し、遺伝子組み換え食品・飼料・添加物などを取り除くことと、どうしても使用せざるを得ない場合は独自表示を行なっています。
「遺伝子組換え食品等評価書 Aspergillus oryzae NZYM-SP株を利用して生産されたアスパラギナーゼ」について、以下の理由から、リスク評価として不十分と考えます。

◆アクリルアミドの低減のために、食品に未知のリスクをもたらすことになります。
アスパラギナーゼは、発がん性が疑われるアクリルアミドの生成の起因となるアスパラギンをアスパラギン酸とアンモニアに加水分解する酵素であり、食品の加熱加工によるアクリルアミドの生成を抑制することができるとされています。「Aspergillus oryzae NZYM-SP株を利用して生産されたアスパラギナーゼ」の安全性評価において比較対象として用いる添加物は、A. niger ASP-72株を利用して生産されたセルフクローニングのアスパラギナーゼです。このアスパラキナーゼが食品添加物として登録されたのは昨年11月であり、十分な食経験があるとは言えません。またセルフクローニングは厳密な意味では遺伝子組み換えに当ります。このような添加物が比較対象として選ばれたのは、現行の食品のリスク評価の基本的な考え方を逸脱していると考えます。
食品添加物としての使用されてきた歴史がないにもかかわらず、遺伝子組み換えという新しい技術で大量生産することに反対します。

◆パン、クラッカー、ポテト製品以外の幅広い食品に使われることによるリスクが考慮されていません。
ヒト体重1kg当たりの一日の推定最大摂取量は、0.549 mg TOS (Total Organic Solids)/ kg 体重/日とされていますが、この数値は、パン類、シリアル食品、ポテト製品、調味料をもとに算出されています。大量生産によって用途が広がれば、アクリルアミドの含有量が多いとされるほかの食品にもこの添加物が使われるようになると考えられます。そのような状況を想定した場合、この一日の推定最大摂取量に摂取が収まるかどうか疑問です。また、子どもが日常的に食べるスナック菓子に多用されることを想定すれば、特に子どもを対象としたリスク評価が必要です。

◆申請者からの提出データのみに頼るのではなく、国による検証実験を求めます。
申請者が行なった動物実験は、各群雌雄各10匹のラットを使った13週間の反復強制経口投与試験であり、サンプル数、実験期間ともに不十分です。国による検証実験を求めます。

◆表示義務がないため、気づかないうちに摂取する可能性があります。
添加物のような微量原料には、遺伝子組換え表示が義務付けられておらず、一括表示されるため、この添加物が食品に使われていても消費者は気づきません。情報公開が不十分では消費者が自らのリスクを管理することができないので、リスク管理上、不適切と考えます。今回の意見募集はリスク評価に関するものですが、リスク管理が不適切なこと自体、消費者を予測不能なリスクにさらすと考えます。消費者に対するていねいな広報や情報提供を求めます。

以上

【参考】
内閣府 食品安全委員会のサイト
パブリックコメント募集
「Aspergillus oryzae NZYM-SP株を利用して生産されたアスパラギナーゼに係る食品健康影響評価に関する審議結果(案)についての意見・情報の募集について」
https://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc1_idensi_Asparaginase_270715.html
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