8%増税~年末年始の消費動向を、定点観測調査から振り返る

~わずか3%の消費税率引き上げが、生活者の消費行動に大きなインパクトを与える~

株式会社マクロミル

株式会社マクロミル(本社:東京都港区、代表執行役:小西克己)は、8%増税から1年を迎えるにあたり、この1年の消費行動について、毎週水曜日に定点観測しているMACROMILL WEEKLY INDEX(マクロミル定点観測調査)のデータから分析しました。調査手法はインターネットリサーチ。有効回答数は毎週1,000 名。

<トピックス>

■ 消費増税により急落した消費マインド、緩やかに上昇するも、年末消費の山では前年値に届かず
■ 冬休みの個人消費金額、観測スタート以来最低の「54,200円」
■ 8%増税による消費の引き締めは引きずるものの、春に向けた先行きの景況感は“前向き”

 

< 調査結果 >

■ 消費増税により急落した消費マインド、緩やかに上昇するも、年末消費の山では前年値に届かず

 消費マインドは、今後1ヶ月のモノやサービスの消費量の増減を予想した指標で、日本人は、四季や年中行事が大きく影響することが特徴です。増税を控えた2014年3月の消費マインドは例年の傾向とは異なり、今までには見られない極端な落ち込みを観測しました。これは、2011年3月の観測開始以来、最低となるスコアです。その後緩やかに上昇はするものの、殆どの週で前年を下回りました。年末のピーク時の値も、前年末より3.8ポイント低い、61.0ポイントでした。

消費マインドの推移消費マインドの推移



■ 増税をピークに大きく上昇した個人消費額、その後はほぼ前年を下回って推移

 では実際に、どのような消費行動が見られたのでしょうか。個人消費金額の週平均の推移を見てみると、2014年2月後半から3月末に掛けては消費増税前の駆け込み需要により、前年同週よりも大きく上回りました。その後一気に下降し、消費が平準な10~11月を除いては前年を下回る期間が続きました。2014年末から2015年始にかけた長期休暇の企業が多く消費の機会が多くあったにも関わらず、消費金額は前年を大きく下回りました。2014年3月末の消費金額が年末年始と同水準かそれ以上であったということは、ある意味、特殊な年であったと言えます。
 

個人消費金額の推移個人消費金額の推移

個人消費金額の前年比較(月計)個人消費金額の前年比較(月計)

 


■ 冬休みの個人消費金額、観測スタート以来最低の「54,200円」

 年間を通じて消費が最も多くなる年末年始(12月4週、12月5週、1月1週の3週間)の個人消費金額を直近3年で比較したところ、2014~2015年の年末年始が最も低く、54,200円でした。

年末年始の個人消費金額年末年始の個人消費金額



■ 年末年始のお買い物、どのアイテムの購入率も、前年を下回る

 年末年始シーズンに最も消費が多くなる「外食」や「お酒」、「プレゼント」等について、それぞれアイテム毎の購入者の割合の推移をグラフにしてみると、どのアイテムも前年を下回る傾向がわかりました。特に、12月5週の消費が前年を大きく下回っていました。
 

年末年始の消費アイテム経年比較年末年始の消費アイテム経年比較


■ 8%増税による消費の引き締めを引きずるものの、春に向けた先行きの景況感は“前向き”

 『景況感DI(先行き)※』は、値が50を上回れば「身の回りの景気が良くなる」と感じている人が多くなり、50を下回れば「身の回りの景気が悪くなる」と感じている人が多くなる、という指標です。2014年4月の消費増税のタイミングで最低値38.8を記録しました。その後ゴールデンウィークに掛けて一気に回復したものの、6月以降は徐々に下降し、10月末から再度緩やかに上昇しています。消費者の消費の引き締めをまだ引きずってはいるものの、先行きの景気は“良くなる”と感じている人の割合が緩やかに増加しつつあります。景況感DIの動きは、消費マインドや消費金額とも連動しているため、今後の景況感DIからも目が離せません。

※景況感 DI(先行き)・・・2~3か月後の身の回りの景気を、「良くなる(100)/やや良くなる(75)/変わらない(50)/やや悪くなる(25)/悪くなる(0)」と点数を与えたときの平均値




< まとめ >
8%増税前の駆け込み需要の後、4月に一気に冷え込んだ消費マインド、それを引きずる2014~2015年の年末年始でした。先行きの景況感としては徐々にではありますがプラスに転じています。
消費税の5%から8%への引き上げは、わずか3%ではありますが、長期間にわたって生活者の消費に対する態度や行動に大きなインパクトがありました。そして、2017年4月には消費税がさらに10%へと引き上げられることが予定されています。そのときには、再びこのような動きとなるのか、それとも景気が好転して軽微な影響に留まるのかを観測し続けてまいります。


< 当分析の担当 >

マクロミル総合研究所 研究員 村上 智章

 

名古屋大学大学院工学研究科土木工学専攻修了。財団法人計量計画研究所に入所。国や地方自治体による社会統計調査の企画・運営管理、交通需要予測のモデリングに従事。その後、ヤフーバリューインサイト株式会社を経て2010年8月マクロミルに入社、ネットリサーチ総合研究所に配属。モニタと調査データのクオリティ管理を担当。専門統計調査士。


< 調査概要 >
MACROMILL WEEKLY INDEX (マクロミル定点観測調査)
http://www.macromill.com/weeklyindex/index.html
 

 

・調査方法  : インターネットリサーチ

・調査対象   : 全国20~69歳の男女1,000サンプル(マクロミルモニタ会員)
・割付方法   : 平成22年国勢調査による、エリア×性別×年代別の人口動態割付
・実施日時 : 毎週水曜日実施
・調査機関   : マクロミル
 ※Twitterで更新情報を配信しています。@macromill_mwi


< 調査結果URL >
http://www.macromill.com/r_data/20150213mwi/index.html

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会社概要

株式会社マクロミル

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URL
https://www.macromill.com
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区港南2-16-1 品川イーストワンタワー11F
電話番号
03-6716-0700
代表者名
佐々木徹
上場
東証プライム
資本金
10億9000万円
設立
2000年01月