パレスチナ:ガザ地区に取り残された人びとと、医療従事者への攻撃を停止せよ
イスラエル軍によるパレスチナのガザ地区に対する「境界防衛」作戦が始まって以来、同地区の死者や負傷者の大多数は民間人が占め、医療従事者も紛争による被害を免れていない。国境なき医師団(MSF)は、イスラエル政府に対し、ガザ地区に取り残されている民間人に対する攻撃の停止と、医療関連施設や医療従事者の安全を尊重するよう要求する。
<多くの子どもや女性が被害に>
7月20日朝、MSFが援助するガザ市内のシファ病院の救急外来には、多くの女性や子どもの負傷者がやってきた。前夜から明け方まで市内のシュジャイエ地区で激しい爆撃が続いたためで、MSFのスタッフも数百人もの人びとがその地域から避難するのを目撃している。「爆撃や空爆は激しいだけでなく予測がつかないことが問題です。それによって救急救命が難しくなっています」、ガザでMSFのプログラム責任者を務めるニコラス・パラルスは話す。
シュジャイヤ地区で負傷した数百人の民間人の中に、8歳と5歳の男の子の兄弟がいた。ふたりは自宅でミサイル攻撃に合い、重度のやけどを負ってシファ病院の熱傷集中治療室に運ばれてきたのだ。人びとがシュジャイヤから自力または人で溢れそうな車で逃げ出したり、負傷者が救急車や徒歩で病院にたどり着く事ができたのは、20日の明け方になってからだった。「救急蘇生室にいた重傷者の半数が数分で亡くなり、残りの半数には緊急オペが必要でした」、MSFの医療責任者オードリー・ランドマンは当時の様子を説明する。
<医療活動も攻撃の対象に>
シファ病院でMSFは、シュジャイヤ地区から負傷者を助け出そうとした救急医療隊員のうち、2人が命を落とし2人が重傷を負ったのを目撃した。一方、20日朝には、MSFとはっきりと表示された車両から300メートルしか離れていないところに空爆が起きた。イスラエル当局はMSFに対し、外科のチームが安全にガザ入りできるよう、エレスの国境からガザ市内に至る移動の安全を保証していたにも関わらずだ。
パラルスは「医療行為は尊重されなければなりませんし、病院や救急車に対する攻撃はもちろん、周辺での銃撃なども起きてはならないのです」と強調する。
イスラエル軍が地上侵攻を始めてから、犠牲者の数は急激に増加している。イスラエル側によると地上侵攻はイスラエルに通じるトンネルの破壊が目的とされていたが、実際MSFが見た光景は無差別の攻撃と民間人の犠牲者だった。
現在、MSFスタッフの3家族が、ガザ市内の術後ケア病院に身を寄せて避難している。パラルスによると、彼らには他に行くところなどなく、国境を越える事は現実的ではないという。国連の避難施設も「過密状態にあり、衛生的にも非常に不安な状況」だと言う。
<ガザにおけるMSF>
MSFは今回の緊急事態に呼応して、ガザ市内のシファ病院へ外科チームの派遣、医療機器と援助物資の提供を行うとともに、市内北部と南部にある中央薬局へも援助物資を送っている。MSFが運営する市内の術後ケア病院の稼働率は現在、通常の1〜3割程度にとどまっている。激しい爆撃によって患者が通院のための外出をためらっているためだ。また、ハン・ユニス地区のナセル病院での通常の医療援助活動は今回の武力紛争で一時停止を余儀なくされている。ガザ地区でMSFは10年以上活動しており、内科・外科診療および心理ケアの提供を継続、2009年および2012年の紛争の際にも援助活動を行っている。
<多くの子どもや女性が被害に>
シファ病院で爆撃被害者の手当をするMSFの医師(2014年7月20日)
7月20日朝、MSFが援助するガザ市内のシファ病院の救急外来には、多くの女性や子どもの負傷者がやってきた。前夜から明け方まで市内のシュジャイエ地区で激しい爆撃が続いたためで、MSFのスタッフも数百人もの人びとがその地域から避難するのを目撃している。「爆撃や空爆は激しいだけでなく予測がつかないことが問題です。それによって救急救命が難しくなっています」、ガザでMSFのプログラム責任者を務めるニコラス・パラルスは話す。
シュジャイヤ地区で負傷した数百人の民間人の中に、8歳と5歳の男の子の兄弟がいた。ふたりは自宅でミサイル攻撃に合い、重度のやけどを負ってシファ病院の熱傷集中治療室に運ばれてきたのだ。人びとがシュジャイヤから自力または人で溢れそうな車で逃げ出したり、負傷者が救急車や徒歩で病院にたどり着く事ができたのは、20日の明け方になってからだった。「救急蘇生室にいた重傷者の半数が数分で亡くなり、残りの半数には緊急オペが必要でした」、MSFの医療責任者オードリー・ランドマンは当時の様子を説明する。
<医療活動も攻撃の対象に>
シファ病院に患者を搬送する救急車(2014年7月20日)
シファ病院でMSFは、シュジャイヤ地区から負傷者を助け出そうとした救急医療隊員のうち、2人が命を落とし2人が重傷を負ったのを目撃した。一方、20日朝には、MSFとはっきりと表示された車両から300メートルしか離れていないところに空爆が起きた。イスラエル当局はMSFに対し、外科のチームが安全にガザ入りできるよう、エレスの国境からガザ市内に至る移動の安全を保証していたにも関わらずだ。
パラルスは「医療行為は尊重されなければなりませんし、病院や救急車に対する攻撃はもちろん、周辺での銃撃なども起きてはならないのです」と強調する。
イスラエル軍が地上侵攻を始めてから、犠牲者の数は急激に増加している。イスラエル側によると地上侵攻はイスラエルに通じるトンネルの破壊が目的とされていたが、実際MSFが見た光景は無差別の攻撃と民間人の犠牲者だった。
現在、MSFスタッフの3家族が、ガザ市内の術後ケア病院に身を寄せて避難している。パラルスによると、彼らには他に行くところなどなく、国境を越える事は現実的ではないという。国連の避難施設も「過密状態にあり、衛生的にも非常に不安な状況」だと言う。
<ガザにおけるMSF>
MSFは今回の緊急事態に呼応して、ガザ市内のシファ病院へ外科チームの派遣、医療機器と援助物資の提供を行うとともに、市内北部と南部にある中央薬局へも援助物資を送っている。MSFが運営する市内の術後ケア病院の稼働率は現在、通常の1〜3割程度にとどまっている。激しい爆撃によって患者が通院のための外出をためらっているためだ。また、ハン・ユニス地区のナセル病院での通常の医療援助活動は今回の武力紛争で一時停止を余儀なくされている。ガザ地区でMSFは10年以上活動しており、内科・外科診療および心理ケアの提供を継続、2009年および2012年の紛争の際にも援助活動を行っている。
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