いよいよ本番、ミュージカル『グランドホテル』稽古場を公開し、質の高さを証明。

『皆様ようこそ、グランドホテルへ──。』
先日、都内で公開されたミュージカル「グランドホテル」の稽古場で、演出家「トム・サザーランド」この言葉で、報道陣を招き入れた。彼はロンドンの歴史ある劇場「チャリング・クロス・シアター」の芸術監督でもあり、今年の「オフ・ウェストエンド・シアター・アワード」で最終優秀ミュージカル作品賞などを獲得し、今最も注目されている演出家だ。
「過去に、小説・映画・ブロードウェイでお客様がご覧になった『グランドホテル』とは全く違う、新たなミュージカル『グランドホテル』をお見せしたい」と熱く語るトムは続けてこのように説明した。「戦争の影が見え隠れしている1929年のドイツにある『グランドホテル』が舞台。この頃のベルリンの＜持てる者＞と＜持たざる者＞──。今回のミュージカル『グランドホテル』は、この言葉がキーとなります。同じ音楽、同じ脚本でありながら、キャストの力によって、印象を変える」

 ★  「GREEN」公開稽古のダイジェストはこちら・・・・・

 

「一つは、“楽観”。それぞれの登場人物が、何にでも前向きで、目標を成し遂げられた人々。もう一つは、この時代に起こる“悲劇”を背景に、嫉妬や嫌悪の感情が表れ、成し遂げられなかった人々。」
今回披露された冒頭の約20分は、交差点の中心で、片方のチームが右へ、片方のチームは左へと移動する、まさにスタート地点。つまりここでは、ほとんどGREENとREDで違いはない。しかし、ここから始まる物語の結末は「楽観的」と「悲観的」。

 ★「RED」公開稽古のダイジェストはこちら・・・・・

 

さて、その冒頭の20分間だが、まずは、オッテンシュラッグ医師役の光枝明彦[GREEN]と佐山陽規[RED]により交錯する人々が紹介される。貯金をはたいて憧れの豪華ホテルで人生最後の時を過ごすべく訪れたオットー（中川晃教[GREEN]／成河[RED]）、最初から怪しい雰囲気が漂う男爵（宮原浩暢[GREEN]／伊礼彼方[RED]）、当然のように受け取る花束の裏で何を考えているのか…バレリーナ グルシンスカヤ（安寿ミラ[GREEN]・草刈民代[RED]）をはじめ、まさに全員が主役。ミュージカル『タイタニック』でも披露されたトム・サザーランドの演出手法がいきなりの本領発揮。そして、ここから演出的展開が変わっていく。また、今回はリー・プラウドによる振付も目玉のひとつ。シュッとした立ち居振る舞い、キレの良さはリーならでは。チャールストンの場面のダンスは、リーによる振付の代表的なシーンとも言える。

 稽古後の取材では、「どちらのチームが、よりドラマチック、ということではなく、両チームに合わせて、最大限のドラマ性を作りたい」と語るトム。この日の稽古箇所は両チームの違いが一番無い箇所だ、と言いつつも、すでにそれぞれのチーム個性が出始めている様子。これからグランドホテルで何が起こるのか、それを示唆するものとなるオープニングを披露した公開稽古。ここから始まる物語、大いに期待できる。

 
ミュージカル「グランドホテル」

＜出演＞

[ GREEN ]
中川晃教、宮原浩暢(LE VELVETS)、戸井勝海、昆夏美、藤岡正明、湖月わたる、樹里咲穂、光枝明彦、安寿ミラ　他
[ RED ]
成河、伊礼彼方、吉原光夫、真野恵里菜、藤岡正明、湖月わたる、土居裕子、佐山陽規、草刈民代　他

＜脚本＞ ルーサー・ディヴィス ＜作詞・作曲＞ ロバート・ライト＆ジョージ・フォレスト
＜追加作詞・作曲＞モーリー・イェストン　＜振付＞リー・プラウド
＜演出＞ トム・サザーランド

＜東京公演＞：2016/4/9(土)〜4/24(日) 赤坂ACTシアター〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場 0570-077-039
チケット料金（全席指定・税込）：Ｓ席12,000円、Ａ席9,000円
＜名古屋公演＞：2016/4/27(水)、4/28(木) 愛知県芸術劇場大ホール〈お問い合わせ〉中京テレビ事業 052-957-3333
チケット料金（全席指定・税込）：Ｓ席12,000円、Ａ席9,000円
＜大阪公演＞：2016/5/5(木・祝)〜5/8(日)梅田芸術劇場メインホール〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場 06-6377-3800
チケット料金（全席指定・税込）：Ｓ席12,000円、Ａ席9,000円、Ｂ席5,000円

公演日程の詳細は、公式ホームページをご確認ください。
http://musical-grandhotel.com/

 

（C）RYOJI FUKUOKA

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