【プレスリリース】フィリピン台風から半年 長い復興への道のりに明るい兆し
被災した子どもたちは590万人
※本信は ユニセフ・フィリピン事務所の発信を日本ユニセフ協会 広報室が翻訳、
編集したものです
※原文をご入用の際は 広報室(後述)までお問い合わせください
【2014年5月7日 タクロバン/マニラ フィリピン発】
フィリピン中央部を襲った台風30号から半年を迎え、被災地では、復興への兆しが見え
始めています。ユニセフはこの半年で、子どもたちが再び学校に通えるようにし、
予防接種を行い、100万人に安全な水を供給しました。
ユニセフ・フィリピン事務所代表のロッタ・シルワンダーは「被災した人は1,400万人、
そのうち590万人が子どもたちで、400万人が家を失いました。助かった方々の生活再建を
支援することは、大変なことです」と述べました。病気の感染拡大と栄養不良を予防
するために、被災直後から、ユニセフは直ちに専門家とリソースを投入し、子どもと
家族を支援しました。
「台風30号のような大災害の余波は、台風による影響を受けた子どもや家族にさらなる
打撃を与えるため、ユニセフはパートナー団体と共に現場の取り組みを直ちに拡大すべく
活動しました。8万人の子どもたちに予防接種を行い、100万人が安全な水を使えるようにし、
心に負った傷を乗り越えられるように、2万5,000の人の子どもたちに心のケアを行いました。
また、子どもたちができるだけ早く学校に戻れるようにし、4万7,000人の子ども
たちに学用品を提供しました」 とシルワンダー代表は続けました。
この半年間のユニセフの主な活動は以下の通りです。
<水と衛生>
・水源の復旧を支援
・水キットや水処理製品、巨大な貯水用タンク、貯水用容器の提供や地域の給水
システムの修復を通じて、100万人以上が安全な水が使用可能
・約10万人がトイレを使えるように支援
・下痢など子どもがかかりやすい病気を予防するために、ユニセフとパートナー団体は
衛生用品を学校に通う子どもたち45万人以上に提供
<教育>
・ユニセフとパートナー団体は、被災地の就学前また学齢期の子どもたち47万人に
学用品を提供
・学用品や教具がセットとなった「箱の中の学校」やレクレーションのための道具、
乳幼児向けのおもちゃなどがある「臨時学習スペース」を1,351カ所設置
・このスペースを約13万5,000人が利用
・災害リスク削減や緊急事態下での教育の継続など、緊急事態に関わる研修を約900の
教育サービス団体に実施
<保健>
・はしかへの感染リスクが最も高い地域に絞って、5歳未満の子ども8万3,000人以上に
はしかの予防接種を実施
・コールドチェーン(ワクチンを保冷して輸送するしくみ)の復旧を実施
・電力の供給停止などによる混乱を避けるため、ソーラーパネルつきのワクチン用保冷庫、
計82を被災地の保健センターに提供
・タクロバンでは、被災した地元の病院の脱塩水化工場を支援
<子どもの保護>
・ユニセフとパートナー団体は「子どもにやさしい空間」を128設置
・被災した地域の子どもたち2万5,000人以上が利用
・これらの空間で子どもたちは、遊び、レクレーションを行えるほか、学習も可能
・こうした取り組みは、精神面や社会面の回復に役立つ
・教員に、教室内で行える子どもたちへの支援の研修を実施
・ソーシャルワーカーや養育者など5,000人以上に子どもの心のケアと暴力、搾取、虐待、
人身売買の予防と取り組みの研修を実施
<栄養>
・ユニセフとパートナー団体は、被災3地域で子ども24万人以上の栄養状況を確認
・531人が重度の急性栄養不良と診断され、栄養治療食による治療を受けた
・さらに「母親と子どもにやさしい空間」54カ所を設置
・毎月、妊娠中または授乳期の女性1万1,000人が利用し、母乳育児や離乳食についても
学んでいる
<無償現金給付>
・ユニセフは、ACF(Action Contre La Faim)とのパートナーシップのもと、最も困窮に
ある1万世帯に、毎月4,370フィリピンペソ(約100米ドル、約1万200円)を、6カ月以上
にわたり無償で給付
・給付金があれば、緊急のニーズが生じても、食糧や生活必需品の購入や医療ケアや
サービスの利用が可能に
・なかには、家畜や農業、長期間の復興の足がかりとして投資に回す世帯もある
・「最も困窮にある世帯」に含まれるのは、障がいのある子どもや病気の子どもがいる世帯、
高齢者のいる世帯、両親を亡くし孤児となった子どもたちがいる世帯、栄養不良の子ども
たちがいる世帯、妊娠中または授乳期の女性がいる世帯や、女性や子どもが世帯主の世帯
* * *
ユニセフの支援要請に対し、国際社会からあたたかい支援が多く寄せられました。
これにより、災害発生から1年となる2014年11月までの重要な活動資金はすでに確保されて
います。
シルワンダー代表は「台風30号の被災以降、ユニセフは緊迫した支援活動を継続して
いきました。一定の進展はあるものの、復興完了はほど遠いものです。ユニセフは、
フィリピン政府やパートナー団体と共に、地域社会が復興し、今後の災害で子どもが受ける
影響を軽減させるべく、より災害に対処できる構造とサービスを構築するための支援を
行います」と述べました。
* * *
■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016 FAX : 03-5789-2036 Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
Zafrin Chowdhury, ユニセフ・フィリピン事務所 広報チーフ Tel: +632 901 01 77,
Mobile: +63 917 867 8366, zchowdhury@unicef.org
Marge Francia, ユニセフ・フィリピン事務所 広報官 Tel: +632 901 01 73,
Mobile: +63 917 858 9447, mfrancia@unicef.org
■ユニセフについて
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するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、
その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子ども
たちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのため
に活動しています。(www.unicef.org)
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※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの
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■日本ユニセフ協会について
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の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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