シリア:アレッポからの安全な退避を認めるよう各勢力に要請

国境なき医師団

シリア北部の都市アレッポでは、戦闘と空爆により、住民の域外への安全な脱出が何ヵ月にもわたって阻まれている。国境なき医師団(MSF)は、先ごろ起きた激しい戦闘で負傷した人びとの安全な場所への避難と人道援助の提供を認めるよう、紛争の全当事者に強く要請した。

2月19日現在、避難者の新たな一群がアレッポ市を離れトルコ国境方面に移動。親類のもとに身を寄せたり、避難民キャンプに滞在するためだ。

破壊されたアレッポ市街地(2013年4月)破壊されたアレッポ市街地(2013年4月)

 

<治安悪化で病院スタッフは一時退避>

政府軍と反政府勢力の部隊が衝突した2月16日以降、トルコ国境付近のMSF病院では負傷者21人を受入。アレッポ市近郊のMSF施設にも11人の負傷者が搬送された。

このMSF施設の医療スタッフは周辺地域の治安悪化を受け、やむなく退避。それに先駆け、容体の安定した患者7人を別の医療施設に移送している。スタッフ退避後の同施設では、地元の有志の医療従事者が負傷者に救急医療を提供。シリア人医療者のネットワークの献身ぶりがうかがえる。

武力衝突では砲撃が行われ、ヘリコプターが集落や戦線付近を攻撃。アレッポ市外のハヤンでも、タル爆弾の投下が少なくとも1回行われたという。タル爆弾は2014年中にシリア軍がよく用いた攻撃手段だ。

MSFオペレーション・ディレクターのラケル・アジョーラによると、最大の懸念は、アレッポ市とトルコ国境との間で現在通行可能な唯一の道が武力衝突で使えなくなることだと言う。「そうなれば、救急搬送も、アレッポ市東部の戦闘によって脱出を阻まれている人びとへの医療援助も継続できなくなるでしょう。医療チームの現地入りや物資の搬入がかなわなければ、ただでさえ凄惨な人道危機がさらに悪化します。援助の一切届かない人びとが何千人もいるのです」

<シリアでのMSFの活動>

MSFが運営する病院のあるトルコ国境地域では避難キャンプ1ヵ所に1万5000人余りが滞在。アレッポ市近郊のMSF施設では2014年、救急処置室における対応6000件を含む、合計約1万6000件の診療を行い、患者410人を受け入れた。

MSFはシリア国内で複数の医療施設の運営を継続するとともに、合計120余りの現地の診療所と仮設病院を直接支援。また、ヨルダン、レバノン、イラクに逃れたシリア人難民にも医療援助を提供している。シリア国内のMSFプログラムへの外国人スタッフ参加は、安全上の問題により極めて限られたものとなっており、今回、アレッポ市から退避したスタッフも全てシリア人だ。

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業種
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本社所在地
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代表者名
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上場
未上場
資本金
-
設立
1992年12月