【プレスリリース】ガザ地区・イスラエル ユニセフ事務局長 アンソニー・レークによる声明
ユニセフ・パレスチナ事務所 功刀(くぬぎ)特別代表インタビュー受付中
※本信は ユニセフ本部の情報を日本ユニセフ協会 広報室が翻訳、独自に編集
したものです
※原文は http://www.unicef.org/media/media_74262.html でご覧いただけます
【2014年7月13日 ニューヨーク発】
ガザ地区とイスラエルの武力衝突激化によって、子どもたちが犠牲となっています。
この数日で、ガザでは少なくとも子ども33人が殺害され、数百人以上が負傷しました。
このような暴力の恐ろしい影響を子どもに及ぼすことは、決して許されません。
武力衝突は、子どもたちの心身に計り知れない影響を与え、将来の和平や安定性、
相互理解の機会にも影響を及ぼします。武力衝突の中で暴力行為を見ながら育つ
子どもは、暴力に訴えることを当然のことと捉え、自身のその後の人生でも、暴力を
繰り返す恐れが高まります。つまり、暴力は連鎖していくのです。
現場にいるユニセフ職員は、武力衝突下にある家族から、現在の情勢が子どもたちに
与えている深刻な影響を聞いています。子どもたちには、眠れない、悪夢にうなされる、
食事がのどを通らないなどの症状のほか、心理的ストレスの痛ましい兆候が表れている
子どももいます。
武力衝突はさらに激化する恐れがあります。ユニセフは、全勢力に対し、和平のみならず、
現在の衝突の最大の被害者である子どもたちのために、全勢力に最大限の自制を求める
安全保障理事会の呼びかけに賛同します。
* * *
ユニセフ・パレスチナ事務所の功刀 純 (くぬぎ じゅん)特別代表へのインタビュー
(使用言語:英語)を受け付けております。
ご希望の場合は、お問い合わせ先の広報室または以下のCatherine Weibelまで
お問い合わせください。
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■ 参考情報: 【2014年7月13日パレスチナ発】
<攻撃の犠牲となる子どもたち 少なくとも子ども33人が死亡>
両親を失い、重傷を負った5歳の子ども
ガザ地区の病院で、5歳の子どもたち2人がベッドに横になっています。ノラルディン
くんと従兄弟のキナンくんは、7月8日火曜日の夜に自宅が空爆を受け、爆弾の金属片で
重傷を負いました。空爆が家を襲ったとき、ノラルディンくんの母親は寝室で2人を
寝かしつけたところでした。ノラルディンくんの両親とキナンくんの父親と姉、祖母が、
空爆で命を落としました。ちょうど庭でお茶を飲んでいた、一家の21歳から62歳の6人が
死亡し、5人が重傷を負いました。
ノラルディンくんは腹部手術を行いましたが、頭には爆弾の金属片が残ったままです。
従兄弟のキナンくんも頭に金属片が残っており、足を骨折しています。「意識は
はっきりとしていますが、空爆後、二人とも一言も言葉を発せずにいます。両親が
死んでしまったと、どうやって孫に打ち明ければいいのでしょう」と、祖母が語ります。
少なくとも子ども33人が死亡
子どもたちがベッドで休んでいる間も、涙を流す親せきに囲まれながら、集中治療室には
死亡または重傷を負った患者が次々と運ばれてきました。「集中治療室は患者であふれ、
ベッド数が圧倒的に足ません。医師は床で治療をしたり、子どもを含めけがをした人たちは
完治する前に退院させなくてはいけません。このような状態では、患者が危険な状況に
置かれてしまいます」と、ガザのユニセフ保健専門官のユニス・アワドアラーが語ります。
ガザとイスラエルの激化する暴力で、双方の子どもたちに身体的、そして精神的に甚大な
危害が及んでいます。子どもたちは不安を感じています。この戦闘が子どもたちに与える
影響は、一生に及ぶものです。この数日間で、ガザ地区への空爆で、パレスチナの子ども
33人が殺害されました。これは、死亡者数の4分の1にも及ぶ人数です。そして多くの
子どもたちが負傷しています。また、沿岸部の飛び地は包囲されており、住民が避難する
ことが難しい状態です。そしてイスラエルでも、ガザ地区からのロケット弾の攻撃により、
子どもたちの命が危険に晒されています。
心に負った、一生消えることのない深い傷
9歳のムハンマドくんは、5歳の妹のギーナちゃんと一緒に出かけた日のことを鮮明に
覚えています。断食月(ラマダン)の真っ最中、日没が近づき、長い夏の断食の時間が
終わりを迎えるころでした。「お父さんやお母さんには、家の中にいるように言われて
いました。でも、退屈だったので妹とお菓子を買いに行きました」と、ムハンマドくんが
話します。人であふれたブレイジ難民キャンプの道路に出ると、ムハンマドくんは辺り
一帯に空爆の警報が出たと聞き、急いで家に帰りました。ガザにはシェルターがないため、
両親は6人の子どもたちを集め、寝室に連れて行きました。
「ムハンマドは、2年前の空爆を、今でもはっきりと覚えています。幼いながらにも、何が
起こっているのか分かっていました」と、母親のマリアムさんが、子どもたちの顔が恐怖で
青ざめ、走って枕で顔と耳を塞いでいたときのことを思い出しながら語ります。「子ども
たちがあまりの力で枕を顔と耳に押し付けるので、窒息してしまうのではないかと
思いました」とマリアムさん。そして、突然、耳が痛くなるほどの爆発音とともに、爆弾の
破片やガラズが部屋に飛び散りました。「子どもたち全員が泣き叫んでいました。なんとか
落ち着かせることはできましたが、空爆以降、子どもたちはあまりのショックで、しばらく
話せなくなってしまいました」
「ムハンマドは再びおもらしをするようになりました。5歳の娘、ギーナは、『お母さん、
また家に爆弾が落ちてくるよ』と、言い続けています。父親が出かける時、ギーナは父親に
くっついて離れません。出かけたら、もう二度と帰ってこないのではないかと心配なのです」
と語るマリアムさんは、子どもたちにかける言葉が見つかりません。「ここに安全な場所は
どこにもないけれど、逃げることもできないなんて、子どもたちに言うことはできません」
緊急心理ケアチームが支援を実施
子どもたちや両親が恐怖や不安、ストレスを乗り越えるサポートをするため、ユニセフが
支援する5つの緊急心理ケアチームが自宅や病院を訪れています。2002年から、ユニセフの
パートナー団体の「民主主義と紛争解決のためのパレスチナセンター」(PCDCR)が、応急的な
心理ケアも実施しています。
「戦闘が激化した翌日から、危険な状態下にあるにも関わらず、これらのチームは現場で
支援活動を行っています」と、ガザのユニセフ子どもの保護担当官のサファ・ナスラが
語ります。7月8日火曜日には、4人のカウンセラーがラファフにある空爆の被害にあった家の
子どもたち12人を訪問しました。子どもたちと話をしている最中にも、家が再び攻撃の標的
になるという警報が出されました。2回目の空爆が家を襲う数分前、全員が無事に逃げる
ことができました。
武力衝突発生後、チームは90回以上の訪問を行い、133人の子どもを支援しました。ユニセフ
はこれからも、子どもたちのために支援活動を行っていきます。
■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016 FAX : 03-5789-2036 Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
<声明に関して>
Marixie Mercado, UNICEF New York, Tel: +1 917 213 5188, mmercado@unicef.org
cweibel@unicef.org
Najwa Mekki, UNICEF New York, nmekki@unicef.org, +1212 326 7448, +1917 209 1804
<現地情勢について>
Catherine Weibel, UNICEF Jerusalem, cweibel@unicef.org, +972 54 778 7604
Juliette Touma, UNICEF Regional Office in Amman, jtouma@unicef.org,
+962 79 867 4628
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