2013年度の電子書籍市場は936億円、 電子雑誌も加えた電子出版市場は1,000億円超え 2018年度の電子書籍市場は3倍の2,800億円規模へ成長と予測~
電子書籍ビジネス調査報告書2014発行
インプレスグループで企業向けIT関連メディア事業を手がける株式会社インプレスビジネスメディア(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:中村照明)のシンクタンク部門であるインプレス総合研究所は、電子書籍の動向を調査し、電子書籍に関する市場規模の推計結果を発表いたします。
本調査は、「通信事業者」「出版社」「電子書籍ストア」「取次事業者」「ポータルサイト」「コンテンツプロバイダー」等の主要な電子書籍関連事業者へのヒアリング調査、ユーザーへのアンケート等を分析したものです。
なお、本調査結果の詳細は、『電子書籍ビジネス調査報告書2014』として発行し、本日より予約受付を開始いたしました(7月17日発行予定)。
調査結果のハイライトは以下の通りです。
■日本の2013年度の電子書籍市場規模は前年比28.3%増の936億円、電子雑誌を合わせた電子出版市場は1,000億円超え
2013年度の電子書籍市場規模※1は936億円と推計され、2012年度の729億円から207億円(28.3%)増加しています。2012年度にもまして、スマートフォンやタブレット、電子書籍専用端末といった新たなプラットフォーム向け電子書籍市場※3が急速に拡大しており、本格的な拡大期に入っています。また、電子雑誌市場は77億円と推計され、電子雑誌を合わせた電子出版市場は1,013億円となり初めて1,000億円の大台を超えています。
新たなプラットフォーム向け電子書籍市場は2012年度から421億円増加(対前年比114.4%増)の789億円と推計されます。スマートフォン及びタブレットユーザーの増加やテレビCMも含めた電子書籍ストアによる積極的な広告宣伝活動による電子書籍ユーザーの拡大、電子書籍ストアや出版社によるキャンペーンの拡大と文字ものなどのタイトル拡充によるユーザーの平均購入量の増加等により急成長が続いています。また、ケータイ向け電子コミックと同様に一ページずつではなく一コマずつコミックを見せるライトユーザー向けの電子書籍も好調が続いており、これらのコンテンツを中心に取り扱う電子書籍ストアも売上を伸ばしています。
その結果、新プラットフォーム向け電子書籍市場は、市場全体の84.3%を占めるようになっています。
一方、2012年度に新プラットフォーム向け電子書籍市場に逆転されたケータイ向け電子書籍市場は引き続き大幅に市場が縮小しています。2013年度は、2012年度から211億円(対前年60.0%減)減少して140億円となっています。スマートフォンへのシフトを上回るペースで公式コンテンツのユーザーが減少していることが大きな要因となっており、さらに広告出稿の減少、公式コンテンツで展開している電子書籍ストアの閉鎖も影響しています。また、新プラットフォームと比較し優先順位が低下していることから、フィーチャーフォン向けコンテンツを制作しない出版社が出始めていることや新刊投入の遅れも見られるようになっています。
■2018年度には2013年度の約3倍の2,790億円と予測
2014年度以降の日本の電子書籍市場は今後も成長を続け、2018年度には2013年度の2.9倍の2,790億円程度になると予測されます。
ケータイ向け電子書籍市場の大幅な縮小により、2014年度には新たなプラットフォーム向け電子書籍が市場のほとんどを担うようになります。今後もスマートフォンやタブレット保有者の増加をベースに、認知度の拡大や利便性の向上による利用率の上昇、紙の書籍との同時発売の増加、電子書籍ストアのマーケティングノウハウの蓄積、電子オリジナルのコンテンツや付加価値のついた電子書籍の販売、セルフパブリッシングの拡大等により、2014年度以降も拡大が続くことが予想されます。
また、電子雑誌は、配信雑誌数や電子書籍ストアでの取り扱いが拡大しており、月額課金モデルのコミック誌の配信等も始まっています。今後も、大画面で高精細なスマートフォンやタブレットの普及、携帯電話会社による定額制読み放題のサービスの開始とともに、電子雑誌広告市場の形成による電子雑誌配信の本格化なども想定され、引き続き市場の拡大が見込まれます。2018年度には550億円程度になると予測され、電子書籍とあわせた電子出版市場は3,340億円程度と予測されます。
【図表1. 電子書籍市場規模の内訳と電子雑誌市場規模】
【図表2. 電子書籍・電子雑誌の市場規模予測】
※1 電子書籍の市場規模の定義:電子書籍を「書籍に近似した著作権管理のされたデジタルコンテンツ」とし、配信された電子書籍(電子書籍、電子コミック等)の日本国内のユーザーにおける購入金額の合計を市場規模と定義。ただし、電子雑誌、電子新聞や、教科書、企業向け情報提供、ゲーム性の高いもの、学術ジャーナルは含まない。また、ユーザーの電子書籍コンテンツのダウンロード時の通信料やデバイスにかかわる費用、オーサリングなど制作にかかわる費用、配信サイトにおける広告も含まない。
※2 ケータイ向け電子書籍市場:携帯電話の公式コンテンツ(iモード、EZweb、Yahoo!ケータイ)の電子書籍カテゴリの売上。
※3 新たなプラットフォーム向け電子書籍市場:スマートフォンやタブレット向けのアプリストアの電子書籍関連のアプリ(ブック、教育、レファレンス)、スマートフォンやタブレット等のビューワーアプリ経由で購入する電子書籍、Kindleやこれに類似した電子書籍配信サービス、PC・スマートフォン・電子ブックリーダーなどマルチデバイスで閲覧が可能な電子書籍配信サービス、PSPやNintendo DSなどゲーム機向け電子書籍配信サービス等。
※4 PC向け電子書籍市場:パソコンまたはPDA向けに配信される電子書籍の売上。マルチデバイスに対応したサービスは新たなプラットフォーム向け市場に分類したため、含まない。
※5 電子雑誌の市場規模の定義:電子雑誌を、紙の雑誌を電子化したものやデジタルオリジナルの商業出版物で逐次刊行物として発行されるものとし、日本国内のユーザーにおける電子雑誌の購入金額の合計を市場規模と定義。ただし、学術ジャーナル、企業向け情報提供、ゲーム性の高いものは含まない。また、ユーザーの電子雑誌コンテンツのダウンロード時の通信料やデバイスにかかわる費用、オーサリングなど制作にかかわる費用、配信サイトにおける広告、コンテンツ中の広告も含まない。
≪調査報告書の製品形態、および販売に関するご案内≫
『電子書籍ビジネス調査報告書2014』製品形態・販売価格 一覧
編者 :インプレス総合研究所
発売日(予定) :2014年7月17日(木)(予約受付中)
価格(予定) :CD(PDF)版 58,000円(税別)
CD(PDF)+冊子版 68,000円(税別)
判型 :A4判
ページ数(予定) :300p
詳細、ご予約は右よりご覧ください。 http://r.impressrd.jp/iil/ebook2014
インプレスビジネスメディアの調査報告書は、お客様のご利用ニーズに合わせ、簡易製本の冊子版、CD(PDF)版をご用意しております。
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【本件に関するお問い合せ先】
株式会社インプレスビジネスメディア インプレス総合研究所 担当:柴谷
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