幼稚園・保育園以外で「友だち」と遊ぶ幼児、20年間で56%から27%へ半減~幼児の育ちを支える場は、園と家庭が中心に~

幼児の保護者、約4,000名が対象。20年間の幼児の親子の変化を捉える調査「第5回 幼児の生活アンケート」

 株式会社ベネッセホールディングス(本社:岡山市)の社内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」では、2015年2月から3月に、首都圏に住む0歳から6歳(就学前)の乳幼児をもつ保護者4,034名を対象に、「第5回 幼児の生活アンケート」を実施しました。この調査は1995年、2000年、2005年、2010年の実施につづき5回目となります。少子化や共働き世帯の増加などの社会環境の変化の中で、子どもの生活や母親の子育て観がどう変化してきたのかを20年間の比較を通して把握できる、他に類を見ない貴重な資料です。
<対象者の主な基本属性の変化> 共働き世帯、保育園に通う幼児、一人っ子が増加
母親の有職率:05年調査26.3%→15年調査40.9%/保育園の就園率:95年調査10.5%→15年調査29.4%/一人っ子の比率:95年調査19.0%→15年調査34.2%


主な調査結果は以下の通りです。

1.平日、園以外で「友だち」と遊ぶ幼児は20年間で減少して、親子の関わりが密になった
●「平日、(幼稚園・保育園以外で)遊ぶことの多い相手」として「友だち」が56.1%から27.3%に減少して、「母親」が55.1%から86.0%に増加した(95年調査→15年調査)。とくに変化が大きい幼稚園児では、園以外で「友だち」と遊ぶ割合は72.9%から44.5%に減少して、「母親」は33.6%から82.1%に増加した。
●母親が家を空けるとき、子どもの面倒を見る「父親」は50.9%から65.7%に増加した(05年調査→15年調査)。

2.子どもの「友だち付き合い」に力を入れる幼児の母親が5年間でやや減少傾向にある
●母親が子育てで「友だちと一緒に遊ぶこと」に「とても」力を入れる割合は25.4%から19.6%へ減少した(10年調査→15年調査)。
●園への要望では、「集団生活のルールを教えてほしい」、「子どもに友だち付き合いが上手になるような働きかけをしてほしい」(幼稚園児のみ)が減少傾向にある(10年調査→15年調査)。

 3.幼児が幼稚園や保育園で過ごす時間が長くなり、園の役割が増している
●幼児が園に向けて家を出てから帰るまでの平均時間は、幼稚園児6時間11分、保育園児9時間34分であり、20年前からそれぞれ32分、58分長くなっている(95年調査→15年調査)。園での滞在の長時間化が考えられる。
●「しつけや教育の情報源」として「園の先生」を選択する比率は、幼稚園児の母親で43.4%であった。選択肢として示した人の情報源の中で「母親の友人・知人」に次ぐ2位である。保育園児の母親では「園の先生」が70.6%であり、すべての項目の中でもっとも高かった(15年調査)。


【調査結果からの考察】

 今の子育て世代が幼少期を過ごした頃、幼児の育ちを支える場所は家庭と園と地域にありました。しかし現在、幼児が地域で友だちと遊ぶ機会が少なくなってきていることが本調査からわかりました。平日に園以外で「友だち」と遊ぶ幼児が20年間で半減しています。背景には、少子化以外にも保育園児の増加や、(幼稚園児も含めて)園で過ごす時間が長くなっていることがあげられます。子どもの友だち付き合いに力を入れる母親も5年間でやや減少傾向にあります。また、園以外で友だちと遊ぶ割合が減少する一方で、母親と遊んだり、母親の不在時に父親が子どもの面倒を見る割合は増加していて、親子の関わりは密になっています。幼児の育ちを支える日常的な場が、家庭と園に集中してきているようです。

 幼児が多様な人と関わることは、より豊かな成長につながると考えます。園以外で友だちと遊ぶ際には友だちだけでなく、友だちの家族と話すこともあるでしょう。保護者にとっても、他の子どもの様子を見たり、他の保護者の子どもへの関わり方を知る機会は子育ての参考になります。

 地域では行政が園や保護者と一体となり、地域の特色を活かしながら環境整備や新たな取り組みをすることが極めて重要ではないでしょうか。ベネッセ教育総合研究所は本調査の結果を踏まえ、よりよい子育て環境の実現に資する研究と社会への発信を行ってまいります。

【調査概要】

名称 「第5回 幼児の生活アンケート」
調査テーマ 乳幼児の生活の様子、保護者の子育てに関する意識と実態
調査方法 郵送法(自記式アンケートを郵送により配布・回収) 調査時期
調査時期 第1回1995年2月/第2回2000年2月/第3回2005年3月/
第4回2010年3月/第5回2015年2~3月
調査対象 第1回 首都圏の1歳6か月~6歳就学前の幼児をもつ保護者1,692名
第2回 首都圏および地方都市(富山市、大分市)の1歳6か月~6歳就学前の
幼児をもつ保護者3,270名
※経年での比較を行うために、地方都市の回答を分析から除外
第3回 首都圏の0歳6か月~6歳就学前の乳幼児をもつ保護者2,980名
第4回 首都圏の0歳6か月~6歳就学前の乳幼児をもつ保護者3,522名
第5回 首都圏の0歳6か月~6歳就学前の乳幼児をもつ保護者4,034名
※首都圏は、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県
※本リリースペーパーでは、1歳6か月以上の幼児をもつ保護者の回答のみを分析
調査項目 子どもの基本的な生活時間/習い事/メディアとのかかわり/遊び/
母親の教育観・子育て観/子どもの将来への期待/
今、子育てで力を入れていること/母親の子育て意識/
父親との家事・育児分担/子育て支援など
調査画
メンバー・
分析
協力者
無藤 隆(白梅学園大学教授)
佐藤 暁子(東京家政大学准教授)
荒牧 美佐子(目白大学専任講師)
高岡 純子(ベネッセ教育総合研究所 次世代育成研究室長)
真田 美恵子(ベネッセ教育総合研究所 主任研究員)
田村 徳子(ベネッセ教育総合研究所 研究員)
朝永 昌孝(ベネッセ教育総合研究所 研究員)


ベネッセ教育総合研究所のホームページからも、本リリース資料をダウンロードできます。
また、今後さらに分析を進め、2016年夏ごろに調査結果をまとめたレポートを掲載する予定です。
http://berd.benesse.jp/
 

【結果の詳細】
1.平日、園以外で「友だち」と遊ぶ幼児は20年間で減少して、親子の関わりが密になった

●「平日、(幼稚園・保育園以外で)遊ぶことの多い相手」として「友だち」が56.1%から27.3%に減少して、「母親」が55.1%から86.0%に増加した(95年調査→15年調査)。とくに変化が大きい幼稚園児では、園以外で「友だち」と遊ぶ割合は72.9%から44.5%に減少して、「母親」は33.6%から82.1%に増加した。
 



 

●母親が家を空けるとき、子どもの面倒を見る「父親」は50.9%から65.7%に増加した(05年調査→15年調査)。


2.子どもの「友だち付き合い」に力を入れる幼児の母親が5年間でやや減少傾向にある
●母親が子育てで「友だちと一緒に遊ぶこと」に「とても」力を入れる割合は25.4%から19.6%へ減少した(10年調査→15年調査)。


●園への要望では、「集団生活のルールを教えてほしい」、「子どもに友だち付き合いが上手になるような働きかけをしてほしい」(幼稚園児のみ)が減少傾向にある(10年調査→15年調査)。


3.幼児が幼稚園や保育園で過ごす時間が長くなり、園の役割が増している
●幼児が園に向けて家を出てから帰るまでの平均時間は、幼稚園児6時間11分、保育園児9時間34分であり、20年前からそれぞれ32分、58分長くなっている(95年調査→15年調査)。園での滞在の長時間化が考えられる。



●「しつけや教育の情報源」として「園の先生」を選択する比率は、幼稚園児の母親で43.4%であった。選択肢として示した人の情報源の中で「母親の友人・知人」に次ぐ2位である。保育園児の母親では「園の先生」が70.6%であり、すべての項目の中でもっとも高かった(15年調査)。
 

                                                 以上

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