南スーダン コレラ死亡数の1/5は子ども 【プレスリリース】

2週間で感染170件から700件以上に拡大

公益財団法人日本ユニセフ協会

コレラに感染し、重度の脱水症状に陥っていた5歳の男の子。現在は治療を受け、回復に向かっている。©UNICEF South Sudan_2015_McKeeverコレラに感染し、重度の脱水症状に陥っていた5歳の男の子。現在は治療を受け、回復に向かっている。©UNICEF South Sudan_2015_McKeever

 

※本信はユニセフ本部の発信情報を元に、日本ユニセフ協会が作成・配信しています。
※原文はhttp://www.unicef.org/media/media_82484.htmlでご覧いただけます。

【2015年7月7日  ジュバ(南スーダン)/ナイロビ(ケニア)発】
ユニセフは7日、南スーダンのジュバとボルでは700件以上のコレラの感染が報告されており、死者は32人、そしてその5分の1は子どもであると発表しました。2週間前には170件だった感染数は、4倍以上に増加しました。ユニセフは、同国でのコレラ流行を食い止めるためには教育が果たす役割が重要だとし、教員や子どもたちと協力して、南スーダン全土でコレラの感染を予防するための知識を広める活動を行っています。 

「コレラは、特に幼い子どもたちにとっては命にかかわる病気です」と、ユニセフ・南スーダン事務所のジョナサン・ヴェイチ代表は言います。「コレラ流行に対して我々ができる最も効果的な対策は、学校の子どもたちに、自身と家族を感染から守るための情報や手段を届けることです」 

コレラの感染を防ぐため、石けんを使った手洗いの方法を習う子どもたち。©UNICEF South Sudan_2015コレラの感染を防ぐため、石けんを使った手洗いの方法を習う子どもたち。©UNICEF South Sudan_2015

 

コレラが広がっている中央エクアトリア州では、流行地域に隣接する学校の生徒や教員の要望を受け、ユニセフは感染の主な要因について意識を高めるために学校を訪問しています。150校の訪問を目指して啓発活動を行っており、既に1,340人の生徒と30人の教員が命を守るための知識を得ることができました。 

ユニセフや保健省、パートナー団体などは、学校をコレラ感染予防の最前線と位置付け、教員や生徒たちに石けんでの手洗いや食べ物を衛生的に扱うことの大切さなど、衛生教育を行っています。また、ユニセフの「子どもにやさしい空間」では、子どもたちが家族やコミュニティの人々にコレラの予防について伝えられるよう、働きかけています。おとなの70%が読み書きできない南スーダンでは、こうした取り組みが大切です。ユニセフとパートナー団体はさらに、19のラジオ局でコレラ予防についてのメッセージを発信したり、トークショーを放送しているほか、学校や公共の場にポスターを掲示するなどしています。 

加えて、保健施設の整備、コミュニティへの石けんの配布、混み合った文民保護区での予防接種キャンペーン、感染リスクの高いコミュニティでの予防や早期発見についての意識喚起、またそのための地元ボランティアや教員、宗教指導者へのトレーニングなども進めています。 

コレラの感染拡大に対応する緊急のコレラ病棟を設置するため、テントなどの支援物資を輸送。©UNICEF South Sudan_2015コレラの感染拡大に対応する緊急のコレラ病棟を設置するため、テントなどの支援物資を輸送。©UNICEF South Sudan_2015

 

ヴェイチ代表は、もしも今回の流行が、感染が起こっている地域以外、特に紛争の影響を受けている州にも広がれば、保健施設の機能不足によって多くの死者を出す恐れがあると警告しています。紛争地域では、現在184カ所の保健施設が閉鎖もしくは破壊されて機能できなくなっています。 

「ナイル川上流地域への拡大を食い止められるかどうかは、特に雨季においては時間との闘いです。現在、我々は最も危険の高い子どもたちに安全な水とワクチンを届けることを最優先に活動しています」(ヴェイチ代表) 

ユニセフ・南スーダン事務所は、今後6カ月のコレラ予防対策に、460万米ドルの資金が必要だとしています。

* * *
■南スーダン概況
  • 2011年の独立後も政情不安が続いていた南スーダンでは、2013年12月15日、武力衝突が発生。その後も続く紛争により、子どもたちは自宅や学校、生まれ育ったコミュニティを追われ、暴力や栄養不良、病気の危険に晒されている。
  • 国内避難を続ける子どもは80万人以上。国外で避難生活を送る子どもは34万4,000人以上。
  • 子ども1万3,000人以上が、武力衝突を引き起こしている両陣営に徴用されているとみられる。
  • 武装勢力と政府との間の和平協定により、今年1月から段階的に子どもの解放が進み、1,757人が解放された。
  • ユニセフは、解放された子どもたちの家族の居場所を追跡し、再会を進める支援のほか、子どもたちに食糧や避難場所、衣類の提供のほか、基礎的な保健ケア、カウンセリング、心のケアを実施している。
  • 紛争の長期化により、推定22万9,000人以上の子どもが重度の急性栄養不良に陥っている。
  • 戦闘地域にある学校の70%は機能しておらず、子ども40万人が教育を受けられていない。

* * *

 

                                                  ■□人道危機緊急募金□■
郵便局(ゆうちょ銀行) 振替口座:00190-5-31000
口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会

※通信欄に「人道危機緊急募金」と明記願います。※窓口での振り込みの場合は、送金手数料が免除されます。
※公益財団法人 日本ユニセフ協会への寄付金には、特定公益増進法人への寄付として、所得税、相続税、法人税の税制上の優遇措置があります。また一部の自治体では、個人住民税の寄付金控除の対象となります。
※募金に関する一般からの問い合わせ:フリーダイヤル0120-88-1052(平日9時~18時)

 

■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(http://www.unicef.org/
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (http://www.unicef.or.jp/

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

公益財団法人日本ユニセフ協会

105フォロワー

RSS
URL
http://www.unicef.or.jp
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
-
設立
-