世界母乳育児週間(8/1~7) 生後半年までの完全母乳率 世界全体で38%にとどまる 【プレスリリース】

働く母親への支援が課題

病院でカウンセリングの間に休憩を取り、母乳を与える母親。(エチオピア)© UNICEF_NYHQ2014-3654_Nesbitt

 


※本信は、ユニセフ本部の発信情報を元に、日本ユニセフ協会が作成・配信しています。
※原文は  http://www.unicef.org/media/media_82715.htmlでご覧いただけます。

【2015年8月1日  ニューヨーク/ジュネーブ発】
8月1日~7日までの「世界母乳育児週間」に際し、ユニセフ(国連児童基金)のアンソニー・レーク事務局長とWHO(世界保健機関)のマーガレット・チャン事務局長が共同で声明を発表しました。

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国際社会は毎年、最も弱い立場にある子どもたちの成長だけでなく、強い社会を築いていくために非常に重要な、母乳育児への関心を高めるための一週間を設けています。今年の「世界母乳育児週間」のテーマは、『母乳育児と仕事 – 多くの働くお母さんと赤ちゃんがよりよい人生のスタートを切るために』とし、母乳育児の推進のために、職場の方針強化に向けた支援を行っています。

母乳育児は赤ちゃんの感染症に対する抵抗力を高め、乳幼児期の知能と身体の発達に必要な栄養を与えるとともに、母子の愛着を強めるなど、子どもたちの命と健やかな成長を支えるものであることが知られています。それだけでなく、母乳育児の恩恵は生涯にわたって続きます。最近発表された医学雑誌「ランセット」の調査では、1年以上母乳で育てられた子どもは、1カ月間のみ母乳育児で育てられた子どもに比べ、その後の就学年数はより長く、学力テストの点数がより高く、おとなになってからより多くの収入を得られるということが明らかになっています。

しかし、こうした報告があるにもかかわらず、推奨されている生後6カ月間を母乳のみで育てられている赤ちゃんは、世界で38%に留まっています。また、母乳育児率は世界のすべての地域で上がっているものの、その伸び率は低迷しています。

世界保健総会では、6カ月未満の乳児への完全母乳育児率を、2025年までに50%以上にするという世界の目標を定めました。非常に重要なこの目標を達成するためには、母乳育児を阻むあらゆる障壁を乗り越えなければなりません。

母乳育児を国の開発計画の優先政策と位置付け、母乳育児を支えるプログラムを実施するための資金や人材を増強し、母乳育児がもたらす利益を広く伝えるためにコミュニティや家庭に働きかけるなど、政府がその取り組みを主導していくべきです。

母乳育児の方法を教わる母親。(南アフリカ)© UNICEF_PFPG2014P-0415_Schermbrucker

 

しかし、潜在的に多くの母親たちを母乳育児から遠ざけている問題を克服するためには、さらにやるべきことがあります。その問題とは、働く母親たちが母乳育児をする権利を守ろうとしない、職場の在り方です。

今日、世界の8億3,000万人の働く母親たちの大多数は、乳児育児を行う上で職場からのサポートを得られていません。また、この数値には、パートタイムや季節労働など非正規雇用で働く女性は含まれていません。貧しい国々で暮らす貧困層の母親たちこそ、母乳育児を続けるにあたり、大きな壁に直面しているでしょう。

これは、働く母親とその赤ちゃんだけが被る損失ではありません。雇用者にとっても損失なのです。母乳育児を続けやすい職場環境など、適切な支援を受けられる環境で働く母親は仕事への満足度が高く、雇用主への忠誠心が強いと報告されています。母乳で育てられた子どもは病気になりにくく、母親も仕事を休む回数が減ります。こうした効果は、仕事の生産性を高めることに貢献し、最終的には仕事やより広範囲の経済活動に利益を与えます。

これらの関連性を認識したILO(国際労働機関)は、母乳育児を続ける権利を含め、妊娠中の女性や乳児を育てる母親たちを守り、非正規の労働環境にある女性のために実現可能な選択肢を提供するための3つの条約を採択しました。世界の67カ国は、この3つのうち少なくとも1つには批准しています。より多くの政府が、この高まっていく流れに加わり、妊産婦の保護を実現するために行動をしなくてはなりません。

母乳育児は、何百万もの子どもたちの人生を向上させるだけでなく、家族やコミュニティ、社会にまで寄与します。私たちはいま、職場でも母乳育児ができるよう、挑戦を続けています。力を合わせれば、働く女性が母乳育児を続け、母親たち自身、子どもたち、そしてその先の世代の健康な生活に貢献できるよう、支えることができるはずです。

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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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