イエメン 紛争激化から6カ月経過 命を落とした子ども、500人以上 【プレスリリース】
食糧不足で170万人以上が栄養不良の危機
※ 本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が翻訳したものです。
※ 原文は、http://www.unicef.org/media/media_85714.htmlでご覧いただけます。
【2015年10月2日 ジュネーブ/サヌア(イエメン)】
ユニセフ(国連児童基金)は2日、6カ月にわたって絶え間なく続くイエメンでの紛争によって、少なくとも505人の子どもが命を落とし、702人が負傷、170万人が栄養不良の危険に直面していると発表しました。
イエメン全土で、18未満人口の8割に相当するおよそ1,000万人が緊急人道支援を必要としており、140万人以上の人々が家を追われました。
「子どもたちは日々、将来の夢や希望が打ち砕かれるのを目にしているのです」とユニセフ・イエメン事務所代表のジュリアン・ハーネスは伝えています。「家も、学校も、コミュニティも破壊されました。そして彼らの命さえ、病気や栄養不良に脅かされるようになっています」
紛争以前から食糧の自給率が10%に満たないイエメンは、輸入食品に大きく依存しており、栄養状況は既に非常に悪化している状態でした。それが紛争の激化によって食糧危機の悪循環に陥り、栄養不良が急増しています。子どもたちへの影響は、甚大です。
2015年、重度の急性栄養不良に陥る危機にある5歳未満児の数は、紛争前の16万人から3倍の53万7,000人に増えました。
また、今年、中度の急性栄養不良になると予想される5歳未満児の数は、紛争前の69万人の約2倍にあたる、120万人です。
食糧不足に加えて紛争で市場に行くことも難しいこと、保健・衛生施設へのアクセスが減少していること、また生計を立てる手段も途絶していることが、こうした状況を引き起こしている主な要因です。そして燃料、電力、ガス、水といった公共サービスや施設の不足が、状況をさらに悪化させています。
同時に、この6カ月間、一般市民や重要なインフラへの攻撃が増え続けました。2015年3月の紛争激化以来、ユニセフは41の学校と61の病院が攻撃を受けたり損傷したりしたことを確認しています。
2,040万人以上の人々にとって、安全な水を見つけることが、日々の生きるための闘いです。1,500万人以上の人々が基本的な保健サービスを受けることができなくなり、180万人以上の子どもが学校の閉鎖によって勉強を中断されています。
このような非常に厳しい状況の中、ユニセフは紛争が始まって以来、この国の人道支援の中心的な役割を果たしてきました。特に、安全な水や衛生環境の提供、教育や子どもの保護、栄養不良や下痢、はしか、肺炎の子どもの治療ケアなどの活動に注力しています。
ユニセフはパートナー団体と共に、300万人の人々に安全な水を、また移動保健チームによって500万人の子どもたちにはしかやポリオ・ワクチンを届けました。また9万3,500人の子どもが重度の急性栄養不良の治療ケアを受け、52万人が遅れていた学校の試験を受けることができました。
今年のはじめから、ユニセフは24万人近い子どもたちを対象に、紛争の恐怖と向き合うための心理社会的支援を行ったり、36万人に地雷や不発弾の危険を伝える教材を配布しました。
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日本ユニセフ協会では、イエメンなど人道危機下にある国や地域で行われているユニセフの支援活動を支えるため、ユニセフ『人道危機緊急募金』を受け付けております。
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公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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