事前予測を組み込むCIMモデルの作成技術を開発(ニュースリリース)
~一元管理の情報化施工を実現~
大和ハウスグループの株式会社フジタ(本社:東京都渋谷区 社長:奥村洋治)は、有限要素法(FEM解析)などの3次元数値解析モデルをCIMモデルへ自動変換する独自のプログラムを開発しました。従来の汎用ソフトウェアによる事前予測結果を、3次元モデルを使って設計・施工を行うCIMモデルに組み込んで一元管理することが可能となります。現場の実測データを設計段階の予測結果や管理基準値とCIMモデル上でリアルタイムに比較することができ、危険箇所の把握や周辺環境への影響などが視覚的に捉えやすくなり、安全管理上の効果も期待できます。今回、当社東北支店の田老トンネル作業所(発注者=国土交通省東北地方整備局)に導入し、情報化施工として試験運用を開始しました。
開発したプログラムは、数値解析ソフトにより作成した解析モデルの情報からCIMに必要な識別番号を自動作成し、CIMモデル (AutoCAD)データに変換するものです。今回運用を開始したトンネル工事における数値解析(FEM解析;応力変形解析)以外にも、コンクリート構造物に対して行う温度応力解析やダムの盛り立て管理など、様々な数値解析モデルを簡単にCIMモデルに変換することができ(図-4、図-5)、構造物のモデル化作業に要する時間を大幅に短縮することが可能となります。
【田老トンネル作業所でのCIMの特徴】
現在運用中の田老トンネル作業所には2つのトンネルがあり、田老第1トンネル(全長L=455m)では、試験的に数値解析を事前に実施し、その結果をCIMモデルに取り込み、事前解析結果と実際の施工時における計測結果の比較を行いました。また、トンネル内空変位の収束判定を行う際の打合せ資料の一部にCIMモデルを使用しています。
一方、田老第2トンネル(全長L=674m)では中央に存在する低土被り区間に範囲を限定して事前解析を実施します。当社が保有するトンネル切羽前方探査技術 (SSRT)(図-2)による原位置試験を同区間で実施し、そこから推定される未掘削箇所部の地質をCIMモデルに取込み、切羽前方の可視化を行います。これにより、当初設計段階で予測されていた破砕帯の位置などと比較を行いながら、追加の数値解析を行うなどの情報化施工を実施することが可能となります。(図-3)
今後は国土交通省が目指しているICTによる生産性向上に向けて、第2トンネルにおける運用を行いながら、操作性の改善やCIMモデル作成における効率化を追求していきます。
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