中東・北アフリカ地域:緊急人道支援を必要とする子どもは2,900万人-5人に1人【報道参考資料】

ユニセフ、各国に子どもを守るさらなる努力求める

公益財団法人日本ユニセフ協会

モスル南のケイヤラ検問所に到着したばかりの避難民の家族(2016年10月31日撮影)© UNICEF_UN040089_Romenziモスル南のケイヤラ検問所に到着したばかりの避難民の家族(2016年10月31日撮影)© UNICEF_UN040089_Romenzi

※本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。
※本信の原文は、https://www.unicef.org/media/media_93867.html でご覧いただけます。

【2016年12月11日 アンマン(ヨルダン)発】

ユニセフ(国連児童基金)は、中東・北アフリカ地域に暮らす子どもたちの約5人に1人が、ただちに人道支援が必要な状態にあると伝えています。

この70年間、中東・北アフリカ地域諸国は子どもたちの権利と健康・福祉を保護するために大きな進歩を遂げてきました。しかし、ユニセフが創設70周年を迎える今日、暴力を伴う紛争、貧困、また避難生活を余儀なくされるなど、子どもたちを取り囲む環境は非常に厳しいものとなり、約2,900万人の子どもたちが危機的状況に直面し、この数十年間築かれてきた安定した進歩を後退させています。 

「私たちは、この70年間、ユニセフが子どもたちのために行ってきた活動を誇りに思っています。この地域のすべての国は子どもの権利条約を批准し、5歳未満児の死亡率は低下し、子どもの就学率が向上しました」とユニセフ中東・北アフリカ地域事務所代表ヘルト・カッペラエレは述べました。「しかし、紛争により、この地域に暮らす1億5,700万人の子どもたちのための進歩は台無しにされ、我々ユニセフの子どもを守るという使命は、かつてないほど重要になっているのです」 

中東・北アフリカ地域全土にまたがる数年にわたる紛争により、地域の半数の国々では、ますます多くの子どもたちが直接攻撃に逢い、紛争の被害を受けているのです。

シリア人の子ども840万人が、仮設住居、食糧や水などの緊急支援を必要としていると推定されます。その数は、2012年には50万人でした。シリアの包囲された地域で暮らす子どもたちの数は50万人近くで、この2年間、ほとんどあるいは全く支援を受けることができていません。
  • イエメンでは、紛争の影響により危機的な情況で暮らしている子どもが1,000万人近くおり、そのうち40万人近くが重度の栄養不良の危機に晒されています。
  • イラクでは、子どもたちに対する暴力が蔓延しています。2016年1月以降、400件近い子どもの権利侵害が報告されています。現在モスルで進行中の軍事作戦の影響により7万4,000人近くの人々が家を離れることを余儀なくされ、その約半数は子どもたちです。
  • スーダン、リビア、パレスチナでは、紛争の影響で数百万人の子どもたちが、家を追われ、学校に通えなくなり、基本的なサービスを受けられなくなっています。 
  • 中東・北アフリカ地域の人口は世界人口のわずか5%しか占めていませんが、世界の難民・避難民の半数はこの地域の人々です。 

「ユニセフが70周年を迎える今日、これらの残酷な数字は、中東・北アフリカ地域の子どもたち1人ひとりが、紛争を生き抜き、健康に育ち、彼らの持つ可能性を最大限活かせるようになるために、世界各国にはさらなる努力が求められていることを知らしめる警告となるべきなのです」とカッペラエレは述べました。

ユニセフは、中東・北アフリカ地の困難を抱える子どもたちの緊急的および長期的ニーズに応えるために、安全な水と衛生の確保、基本的保健サービス、教育を受ける機会および心理社会的ケアを提供しています。 
  • 2016年、ユニセフは、シリアおよびシリア難民を受け入れている近隣諸国の子ども2,100万人に対するポリオの予防接種を支援しました。 
  • 2016年、スーダンの8万2,000人の子どもたちが、「子どもにやさしい空間」での活動やソーシャル・ワーカーによる家庭訪問を通じて、心理社会的ケアを受けました。 
  • 2016年、イエメンの4百万人の子どもたちが、微栄養素サプリメントの提供、栄養状態の検査や重度の栄養不良児の治療など、ユニセフが支援する栄養に関するサービスを受けました。 
  • ユニセフは「失われた世代にしないために(No Lost Generation)」イニシアティブの一環として、エジプト、イラク、ヨルダンおよびレバノンに暮らすシリア人難民に対して、公式・非公式の学習機会を提供してきました。

■   ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

URL
http://www.unicef.or.jp
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
-
設立
-